夜アジ釣りの魅力は、スパッと潔いウキの消し込みと、青物の一種であるというプライドをかけて最後の最後まで抵抗するその力強い引き味であろう。夜アジは数が釣れるのでその醍醐味を何度も繰り返して味わうことができる。 コマセに寄ってきたアジがツケ餌に喰いついて ケミホタル の光を暗い海中に引き込み、竿をしならせて次々に釣れてくる。素早くタオルでつかんで首を折り、海水を汲んで足下に置いてたバケツの中に投げ入れ、すぐに生の沖アミを鈎掛けして仕掛けを投げ込み、さらにコマセを打つ。 この動作を繰り返して、水汲みバケツの中に5匹程のアジがたまったら、一段落してクーラーの中に移してやる。たくさん釣るのだと自分に言い聞かせながら、益々手返しを早くしてアジの数を稼ぐのである。 忙しく釣れ盛っている最中でもアジの首を折って絞め、水を入れたバケツの中で血を抜いているので、クーラーの中のアジは汚れる事もなくきれいである。完全に血が抜けているから刺身にしてもその身は透き通るように輝いている。 アジは日本人にもっとも愛されている魚であり、煮ても焼いても酢〆にしても、もちろん刺身でも本当に美味しいので僕も毎回たくさんのアジを食べている。 船釣りだと、昼間でも夜焚きでも海底近くで喰ってくるのに、磯からアミと沖アミに集魚剤を混ぜたコマセを撒き込みながら、ウミホタル、からまんホタル、ちもとホタル を発光させ、生の沖アミをツケ餌として釣るときは、水面近くに浮いてきて喰ってくる。 アジは ウミホタル、からまんホタル の淡いグリーンの夜光虫に酷似した光に大いに反応して動き、ツケ餌に喰らいつくのである。とにかくアジという魚は光に反応、コマセに反応して夜は水面近くまで浮いてくる魚であると認識していて欲しい。 |
エサ付けの極意 日が暮れてからの2時間はアジの活性が最高に高く、真鯛鈎の9号でも口中深く呑み込んで釣れてくるが、だんだんと喰い込みが渋くなり空鈎を引くことが多くなったときには、沖アミの鈎掛けをきっちりやると確実に合うようになる。一投一発で合わせるためには、沖アミの頭を取り去って、その切り口から沖アミの尾の硬い部分に鈎先を忍ばせるように鈎いっぱいに刺してやる。沖アミが小さいときはチヌ鈎の3号に替える。たったこれだけのことで合わせ損ないが断然少なくなり、釣果が飛躍的に増えるのだ。 アジは ウミホタル の光をクッ!と水面下に引き込み、その後海中まで深く引き込んだり、海面下を横に一気に引っ張って行ったりするが、ほとんどの場合は、ウミホタル の光をクッ!と押さえ込んだときに、ゆっくり竿を絞り上げるように合わせてやれば、それでギューンと竿に載ってくるものである。この釣れたアジを素手で掴んでいては手が傷だらけになってしまうので、必ず古いタオルで掴んでアジの首を折ってから、海水を入れたバケツの中に入れるとよい。50匹も釣るのであればタオルが2枚は必要である。夜釣りは周りが暗い分だけ危険である事は論をまたない。安全を確認しながらたくさんの夜アジを釣って欲しい。 |
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自然界にはアジをエサとしている、いわゆるフィッシュイーターの種類は数え切れないほど多く、例えばブリ、ヒラマサ、カンパチをはじめ、カマスやカツオ、マダイやヒラメ、ハタ、イカなどがそれにあたります。 これを釣り人の視点から考えてみるとアジをエサにすれば色んな種類の、しかも思わぬ大物まで狙えるというわけです。 アジをエサにする釣り方は色々ありますがここでは喰わせサビキを使った 「 落とし込み 」 について解説します。喰わせサビキは5〜5本針の太ハリス、軸太針のサビキ仕掛けで通常のサビキ同様、スキン、魚皮、フラッシャーのついたものがあります。 落とし込み釣りはエサに触れる事がないためエサとなる活アジを弱らせにくく、また6匹くらいのアジが縦方向に並び、ブルブルと暴れればアピール度が非常に高く、よってヒット率も高くなります。釣り方はこのサビキをアジの層に落とし、まずはサビキ針いっぱいにエサとなるアジをかけます。竿を見ているとプルップルッと小アジがついたのがわかるはずです。ついたらそのままの状態でターゲットがいる層 ( 大体はアジの群れの2〜5m下 ) に仕掛けをゆっくりと落とし込んで待つという釣り方です。 サビキにかかったアジの動きが一層激しくなるのが竿先に伝われば、仕掛けの周りにターゲットが近づいた証拠です。 アタリは一気に竿先までズドーンと入り込む場合と、2回程ブルブルと竿先が曲がったのちに、竿先がズドーンと海面まで突っ込むケースがあります。ヒットすると同時にカンパチやマダイなどは下へ下へと引き込みます。 もしヒットしたタナが根に近ければドラグをきつめに調整しておき、早く根から離すようにしましょう。 横方向に走るブリやヒラマサ、カツオなどがヒットしたときはお隣さんとオマツリしないよう、やや強引気味に早めに回収するようにしてください。青物の強烈な引きは非常に豪快で、そのやりとりの楽しさは病み付きになるはずです。 ハタやアラなど根魚を狙う場合は海底から1m以内に仕掛けがくるようにタナを調整しますが、荒い根の場合や船を流しながらの釣りの場合は根掛かりを起こしやすく、ヒットしてからでも根に潜り込まれる事があります。 慣れないうちはやや高めのタナ ( 海底から3m程上げて待っても十分釣れる ) で狙い、海底付近は十分慣れてから狙えばいいでしょう。ちなみにエサを船上でセットしてから落とす 「 泳がせ釣り 」 とはイキの良さが全く違い、仕掛けを指示タナまで落とす過程で起こるトラブルもないため、初心者でも簡単にできる釣りと言えます。青物や根魚、マダイにヒラメと何が釣れるかわからない楽しみもこの釣りの魅力の一つです。 |
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