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 イカは全世界に約450種類が分布し、全体の47%にあたる210種類で発光が認められます。このうちホタルイカの仲間が42種含まれていますが、すべてがホタルイカのようにレンズや反射板を備えた明確な発光器官を持っているわけではなく、ケンサキイカやダンゴイカのように、発光細菌を体内に蓄えて光る種類もいます。また、解剖学的には発光組織を持たず、通常は光らないはずのイカも、繁殖シーズンになると発光することがあります。
 多くのイカは、下から襲う外敵に対して自分のシルエットを消すために、海の青に溶け込むブルーの発光をしますが、繁殖期に腹部がグリーンに光るのは、暗い海中で異性を引き寄せるのが目的です。

『 光でデート : カミナリイカのメス(左)と甲イカのオス(右)の交接 』

甲イカ科(Sepiidae)に属するイカはちょうど100種類。発光器官を持つ種類はひとつも確認されていないのに、両性とも発光していることが判ります。研究者の間ではルシフェリンの反応による発光だと考えられていますが、詳しいことはまだ不明です。 ケミホタル もルシフェリンと同じ生物発光のシステムをベースに開発されました。なぜイカが惹きつけられるのか、その秘密の一端がかいま見えるようです。
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その名はインク

 イカは古くから身近な食材だったため、漢字の烏賊のほか10近くの国字*0が存在します。これらはイカ全般をあらわすことも、とくにスルメイカを差すことも、干物のスルメ(鯣)を差すこともあります。
 スルメイカはイカ全体の漁獲量の60〜80%を占めるほど一般的な種類です。昔はあまり刺身にされず、産地以外ではもっぱら干物で食べられていました。そのためスルメは干しイカ全般を代表する言葉にもなっています。スルメの語源として、墨を吐く群れを意味するスミムレがスルメに転じたという説があるくらいなので、もともとスルメはイカ界を代表する種類なのかも知れません。
 同じ発想で、中国から輸入された墨魚という表現が残されていて、英・米にもink fish、ドイツ語にもtinten fishというズバリの呼び名が存在します。英語圏でイカは squid*1が一般的ですが、甲イカをcuttle fish*2、筒イカをsleeve fish*3と使い分けることがあります。
 ラテン語圏のイタリアやスペイン、フランスで甲イカはsepia*4。筒イカはcalamar*5と呼ばれます。そのため南欧料理の普及でイカを食べるようになった英米でも、食材としてのイカはcalamaryと呼ぶのが普通だそうです。また学術的な用法ではdecapod*6が使われます。

*1:squidは水夫たちの隠語で噴出を意味するsqirtが語源
*2:cuttleは容器やポケットをさす言葉から転じて墨壺や墨袋の意
*3:sleeveは筒とか袖を意味する英語
*4:sepiaはcuttleと同じく墨袋やインク壺のこと。甲イカの墨でつくった染料がセピア色。栄養分があるため虫に喰われやすい
*5:calamarもインク壺(ペン立て)に由来する言葉
*6:deca=10 pod=脚
*0:  、 、 など。



イカはカイ? コウイカの仲間

イカは大きく甲イカと筒イカに分けられます。甲イカはずんぐりした体型で、胴の中に貝殻の名残である甲羅(フネ)を持っているのが特徴です。気室にガスを満たして浮力を得るオウム貝から進化して、多孔質で軽い甲羅によって一定した浮力を得るようになりました。甲羅内のガスと液体の比率を変えることで浮力をコントロールできますが、弱って泳ぐ力がなくなると海面に浮いてしまいます。全世界100種のうち、日本近海には20種ほどが分布しています。

【 コウイカ 】
 墨の量が多いことから別名スミイカとも呼ばれます。生息域はアオリイカと重なる部分がありますが、やや低温につよく近距離の回遊をします。昼間、海底に潜る性質があるため、砂地のベタ底狙いを基本にしてください。
 力がつよく、鈎にかかった触腕を自分で外してしまうので、大きめの鈎をつかい、テンションをかけたまま素早く巻き上げるのがコツです。
[ 写真 ] 繁殖期の甲イカ。画面後方の甲イカがまるでホタルのように光っている。

【 コブシメ 】
 九州南部から南に生息する、甲イカでは最大の種類。全長1メートルまで成長し、周囲の環境にあわせてカメレオンのように体色を変えることができます。沖縄での呼び名であるクブシミが標準和名として定着したもので、語源は「浮く甲をもつ身体」という意味のようです。大型イカは一度冷凍するのが基本。ちゃんと処理したものは歯ごたえがあって美味、甘くて濃厚だと評判です。

【 モンゴウイカ 】
 世界各地から冷凍イカが輸入されるようになった現在では、大型の甲イカを紋甲イカと呼ぶことが一般的ですが、本来は瀬戸内海や九州で獲れるカミナリイカを指します。
 胴長40〜50cmに達する大きなイカで、食味は甲イカの中で一番です。力は大変につよく、釣れたカミナリイカをデッキの上に放置しておくとプックリと膨れ上がって歩いて逃げてしまいます。
[ 写真上 ] イカが墨を噴出するロートは貝の水管から進化したもの。重い貝殻を脱ぎ捨て、3つの心臓でパワーアップすることで自由に泳げる機動性を手に入れました。しかし体内に貝殻を持っている甲イカには、まだ貝の時代の性質がつよく残っているため、海底の砂に潜ることがあります。
[ 写真下 ] キスマークがはっきりしているのがオス。

[ 取材協力 ] マリンワールド海の中道





筒イカの仲間

胴体が筒状になっていて、内部にプラスチックのような透明軟骨があるのが筒イカです。外骨格のアンモナイトから内骨格の甲イカに進化し、さらに高い運動能力を得るため、浮力体を持たない構造に進化しました。動きは俊敏で、瞬間時速50kmに達する種類もありますが、弱って泳ぐ力がなくなると沈んでしまいます。イカには浮き袋がないので、深海性の大型イカは筋肉内に比重の軽いアンモニアを蓄えることで浮力を得ています。臭いがきついため生で食べることはできません。

【 ケンサキイカ 】
青森以南に広く分布し、アカイカ、シロイカ、マルイカ、ゴトウイカ、メヒカリ、メトイカなど多くの地方名があります。ブドウイカもこの剣先イカの季節型です。夏がシーズンで沿岸性が高く、胴長70cmまで成長。胴が丸っぽくてヤリイカよりも太く、先端は砲弾型に膨らんでいます。2本の交接腕が長いことでヤリイカと判別可能。胴体に一対の発光器を持っています。
[ 写真 ] ケンサキイカは発光バクテリアによる共生発光をおこなう。発光色は黄緑色。

【 ヤリイカ 】
 地方名ササイカ、ツツイカ、サヤナガなど。腕が全体的に短く、2本の交接腕も貧弱で目立たないことからテナシとも呼ばれます。寒さにつよく、北海道南部まで分布するため、スルメイカとともに函館名物になっています。加熱しても身が固くならず味はやや淡白。ケンサキイカに比べると体型がスリムで、先端が尖っているのが特徴です。肉が薄いので漁師さんは握っただけで判るといいます。やや神経質なため、釣りには繊細さが求められます。
[ 写真 ] 沖合性のスルメイカは眼が露出しているが、ヤリイカやアオリイカは眼の表面が体表と連続した透明粘膜で覆われている。

【 スルメイカ 】
 夏に生まれてあまり移動しない群れと、秋に生まれて日本海を大回遊する群れ。さらに、冬生まれで列島両岸を回遊する群れがあるため、ほぼ一年中がシーズンになります。胴長20〜30cm、300〜450グラムが平均的な大きさ。背中に濃い一条の縞模様があってヒレの長さが巾よりも短いのが特徴ですが、世の中には短ヒレ属のファミリーも多いのでヒレだけで見分けることは出来ません。流通量が多いため、市場では比較的安価ですが、歯ごたえのある独特の旨味が好まれます。

【 ジンドウイカ 】
 ヤリイカやケンサキイカは、筒イカ目ジンドウイカ科に属しています。ジンドウイカは、ヤリイカやケンサキイカの子供をさす場合もありますが、本来は独立した種類で全長6〜12cmと小型のため、胴体の長さはスシ一貫ほどしかありません。ジンドウイカの獲れる静岡から中部地方にかけての方言で、カブト虫やセミの幼虫のことをジンドウと呼びます。まるで幼虫のように小さくて、白く丸っこい形状が似通っていることからの命名かと思われます。

【 ソデイカ 】
 胴長80cm以上、体重なんと20Kgまで成長するロケット型のイカ。アカイカともタルイカとも呼ばれます。日本海側に多く、九州北部では冬の荒れた朝、波に酔って海岸に打ち寄せられたソデイカを拾うことができます。秋口から冬にかけてオスメスがペアで浮いていることが多く、メスを先に獲ればオスは追ってくるそうです。(先にオスを獲るとメスは逃げてしまう)体に似合わない素早さでビュンビュンと泳ぎ、ジェット噴射は20メートルを超える大迫力!そのパワーは20号ラインをブチ切るほどです。
[ 写真 ] 船からすくったソデイカのカップル。写真上は12.7kg、下が7.0kg。網を入れる向きなんか考えているヒマはない。とにかく素早く小さい方から先にすくうこと。

[ 写真提供 ] 対馬市厳原町与良内院 民宿・瀬渡し「梅乃家」
TEL:0920-57-0096  http://www.q.turi.ne.jp/umenoya



極意伝授! 日本のアオリイカは3種類

 アオリイカは四国から関西にかけての呼び名が標準和名として定着したものです。体色を変化させる能力があり、水のように透明になれるため別名ミズイカとも呼ばれます。
 藻場に多いのでモイカ、またその形からバショウイカと呼ぶ地域もあります。もともと九州・山陰から紀州にかけて分布する暖海性のイカですが、温暖化とともに生息域を北に拡大中です。
 産卵期には沿岸まで寄りつくので釣り物として人気NO1。ねっとりとして濃厚な甘みが好まれます。
 日本には3種類が分布。ハワイからオーストラリア、インド洋を超えて紅海まで広がっており、カリブ海の一部にも小型のアオリイカがいます。日本の3種類はアローザイム分析およびミトコンドリアDNAのCOT°領域の切断型分析によって、遺伝的に隔離した別種であることが確認されています。一目で見分けられる形態上の決定的な違いはありません。

【 シロイカ型 】
 日本本土で釣れるアオリイカの大多数がこのシロイカ型です。水深40mよりも浅い場所で産卵し、バナナのように房状をした卵嚢内には平均4〜7個の卵があります。自然環境でも飼育下でも胴長40cm、重さ2.5kg程度が成長のリミットで、3kgを超えることはごくまれです。アカイカ型に比べると体色が白く、胴巾が広いのが判別のキーポイント。食味は3種類で一番とされます。

【 アカイカ型 】
 3〜5kgもあるモンスターはほとんどがアカイカ型。条件が合えば全長1m以上、7kg前後まで成長します。名前のとおり黄〜赤味をおびていて、肉厚が相対的に薄いのが特徴です。シロイカ型よりも南方系で、琉球列島・九州四国・小笠原諸島・伊豆半島など暖流の影響を受ける範囲に生息します。深場に多く、産卵は水深20mから100m付近まで。卵嚢はバラバラでサヤ内の卵数は5個から13個です。

【 クロイカ型 】
 クロイカ、またはクヮイカ、クアイカとも呼ばれます。
 平均胴長15cm程度、最大で100gとかなり小さい種類で、沖縄北部を含む南西諸島や小笠原諸島に分布します。鉢状の死サンゴの下に卵を産み付けるため、日本本土で釣れることはありません。沖縄ではリーフの内側で漁獲されます。
 一房の中に卵はたったの2個。シロイカ型に比べ、胴体が太く盛り上がっていて、エンペラの巾が狭いのが特徴です。

『 専門家からメッセージ 』

アオリイカ研究の第一人者、徳島県立農林水産総合技術支援センターの上田幸男博士から、ケミホタルクラブ誌読者宛にいただいたメッセージ。
「黄色味がつよく錆色をした個体は産卵期のアカイカ型のオスによく見られます。シロイカでも見られるので婚姻色かも知れません。したがって産卵期にアカイカとシロイカを判別するのは注意が必要です。また、シロイカ型、アカイカ型、クヮイカ型というのはそれぞれ独立した種類であり、各種間で遺伝的な交わり(精子の受け渡し)がありません。まれに雑種が形成されたとしても、種として固定されないと考えられます。そのため、本来は○○型ではなく、それぞれ○○アオリイカと命名されるべきですが、現在のところそのように命名されていません。
世界にはこの3種のほかにオーストラリアやアメリカにもアオリイカが生息しており、それらとの遺伝的、形態的関係が明らかにされないと種の決定は難しいようです」
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