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イントロダクション
外洋を回遊するタイプの魚は筋肉の酸素消費量が大きく、酸素の供給を絶たれると長くは生きていられない。ところがロックフィッシュの多くは、どういうメカニズムなのか、酸素なしで数時間も生き続けることが珍しくない。同じ白い筋肉をしたキスの脆さと比べると驚くべきタフさである。しかも、カサゴの仲間は、はじめから遊泳力を持った幼魚を産みだす卵胎生魚がほとんどである。卵胎生は浮遊性分離卵や粘着沈性卵よりも進化した繁殖方法だけあって生存率が高く、カサゴ目に属する魚の種類は海産魚中2位の多さとなっている。そのすべてが季節性の直線的な移動または定着性のショートスイマーであり、海底で待ち伏せ型の捕食をする。ところが、採取されたロックフィッシュの胃には何も入ってないことが多い。その空胃率の高さからすると彼らの捕食のチャンスはかなり少なく、たぶんそのために、エサに遭遇したらじっくり確認することなく一気に飛びつくのである。岩の隙間に潜んでいるので、網で大量捕獲されることはないが、喰うや喰わずの生活のため、成長速度は極めて遅く、資源量は減少傾向にある。
ロックフィッシュってナニ?
■ 海藻が茂るのは岩場がメイン
澄んだ海でも水深が200mを超えると日光が届かなくなって海藻が光合成できなくなる。それで、一般的にはこの200mを境にしてそれより深い場所を深海と呼ぶ。200mより浅くても、海水が濁っていて光が届かなければ、食物連鎖の底辺となる植物性プランクトンは生産されない。
日光が届く場所なら、海藻が同じ面積に生育する樹木の10倍もの酸素を作りだしてくれるし、海藻から発生する植物性プランクトンがワレカラや小エビ、イワシなどの小さなエサ生物を育ててくれる。
水中の溶存酸素量が多くてエサが豊富で、しかも身を隠せる場所の多い岩場に棲みついた魚たちの代表がロックフィッシュである。現在、約28,000種とされる魚類のうち、淡水に約12,000種、海水に約16,000種が確認されているが、海の16,000種のうち、外洋の表層に棲息するのはアジやサバなどたったの360種あまり。冷たくて暗い深海に棲むのがおよそ3,200種。残りの12,400種もの魚類が、条件のいい沿岸に棲息していて、その多数を占めるのがスズキ目とカサゴ目の魚類である。ロックフィッシュの主役であるカサゴの仲間は沿岸のみならず、ほぼ世界中の海水域から汽水域、淡水域まで生息している。

砂地は海藻が少なく、生息するのは二枚貝やムシ類がメイン。キスやカレイはいるがロックフィッシュはほとんどいない。ただし、アマダイがいるような場所にはアオハタがいるので油断はできない。

■ 根掛かり覚悟のロックフィッシング
ほとんどのロックフィッシュは泳ぎがあまり得意ではなく、岩陰に隠れてエサの小魚が近づいてくるのを待っている。つまり待ち伏せ型の食性なので、彼らを釣ろうと思えば目の前にエサやルアーを送り届けてやる必要がある。アジのように回遊してくるわけではなく、グレのようにマキエすれば集まってくるわけでもない。
とはいえ、ロックフィッシュがどこに潜んでいるか正確には分からない。だから、たぶんこの付近に隠れているだろうと予測して、その辺りにエサを落とし込むかルアーを泳がせなくてはいけない。彼らにあまり深い考えはないから細かい操作はいらない。目の届く範囲で、エサが生きているかのように動かせばパクッと喰ってくる。
彼らがいるのは岩場であり、藻や障害物が多い。そんなところでルアーを躍らせるのだから、当然のことながら根掛かりが多発する。ロックフィッシュを狙うなら根掛かりは避けて通れない。これだけは覚悟しておく必要がある。
ロックフィッシュは夜が本番 ~ 昼間は岩陰に潜んでいて、暗くなると活発にエサを追う ~
ロックフィッシュのポイント ~ ポイントに応じて釣り方もいろいろ ~