■ 根掛りのメカニズム
潮に乗って流れる船の上からインチクを投入すると、ユラユラと誘いながらオモリが落ちて行き、ヒットがなければそのままコトンと着底する。続いて塩ビ製で比重のあるタコベイトと鈎がフワリと着底する。着底するまで喰わなかったのだから、このまま岩の上に寝かせておいてもバイトは望めない。着底したらすぐに巻き上げる。仕掛けをじっくり見せてしまうと見切られてしまってアタリが激減するからだ。リールを巻くか、竿先を上げるかのアクションは道糸に伝わり、道糸はオモリを持ちあげる。オモリが浮くときに、寝ていたタコベイトも岩盤をこすりながら引き上げられる。このとき、岩盤上に突起物があれば、鋭い鈎先が喰い込むことになる。これが根掛かりの典型である。対応している間に船はポイントを過ぎていく。
■ インチクに比重0.92の新しいブーム
プニイカ は ケミホタル25 をセットするため、胴が中空になっている。これがエアーチューブの役目を果たすので、ラインと太い鈎を浮かせてくれる。さらに、プニイカ の素材自体も、比重0.92と絶妙の軽さだから、オモリが着底しても仕掛けは浮いたまま。もつれずに正しい姿勢でロックフィッシュの視界に入ってくれる。巻き上げるときも、浮いた状態から上がっていくため根掛かりが非常に少ない。しかも伸縮性がハンパない。なんと元の長さの10倍まで伸びるから、ちょっとやそっと齧られたくらいでは千切れない。エサを付け替える手間も要らないから、時合いを逃すことなく釣り続けることが可能だ。
■ 10倍伸びるリアルイカ型ソフトルアー
プニイカ の胴体には貫通穴が開いているので、極めて伸縮性の高い弾性素材であるにも関わらず、フックを抜き通すのは容易である。海底の岩にあたったときのショックで
ケミホタル が抜け落ちないよう、穴の両端は小さく絞り込まれているが、仕掛けをセットした後からでも
ケミホタル を挿しこむだけの十分な伸びがあり、ジグヘッドリグ、テキサスリグ、チョン掛けなどセットは容易だ。ただトリプルフックだけは胴体内部を通すことができないので、先にラインを通してから結ぶ必要がある。インチクは言うに及ばずスロージギング、メタルジグのトレーラーにも使ってみたい。
タコベイトのモデルであるタコは普段、保護色となって岩の隙間に潜んでいる。だから、魚からすればタコよりも、中層をおよぐイカの方が馴染み深いはずだ。沿岸にはシーズンを問わず小型のイカが生息しているし、個体数もイカの方が圧倒的に多い。生きイカはロックフィッシュを筆頭に、多くの魚が大好きな特効エサである。さらに ケミホタル25 をセットすれば夜釣りでも船釣りでも誘引効果が格段にアップする。富山湾周辺なら ルミコブルー のホタルイカパターンでキジハタやカサゴほかマダイやクロダイもガンガン喰ってくる。