03 メバル釣り実践編 その1

攻めのメバリング

 偽エサを使うにもかかわらず、生き餌と同等以上の釣果が得られるのがメバリングです。エサ釣りの場合、喰うのを待っている時間が長いのに対して、メバリングはエリアを探っていく攻めの釣りですから、ラン&ガンと併用することで効率的に釣ることができます。常識的には外観・触感・味・匂い、どれをとっても生きエビやゴカイにかなうはずのないワームですが、うまく状況にマッチしたカラーを選んで、適正なスピードで誘えば、エサ釣りよりも手早く、しかも良型を釣ることができます。とくに入れ喰いになった場合には、エサを付け替える手間が省けるだけ有利になります。

釣り方

● ジグヘッドリグを
 オモリと鈎が一体になって飛ばしやすいジグヘッドに、ソフトワームを取り付けた仕掛けを「ジグヘッドリグ」と呼びます。リグとは「仕掛け」のことです。
 ジグヘッドには鈎先が上向きのものと下向きのものがあります。メバルは海底から急上昇して小魚を襲いますから、ワームの中央部から下向きに鈎が出たジグのフッキング率は高くなります。
 しかしこれが底引きの場合は根掛かりの原因にもなるので、多くのジグヘッドは鈎先が上を向き、また鈎自体も細くバネのように弾性があって、岩や海藻から外れやすくなっています。
 もちろん鈎は細い方が貫通性能が高くなります。
 鈎先が下を向いたジグヘッドは、根掛かりの心配がない水面近くで使うためのものです。しかし現実にはジグは小さく、メバルの大きな口の中にすっぽり入るため、上向きのジグを表層で使ってもあまり問題はありません。

● 投げて巻くだけ
 ミノープラグならトィッチングやジャーキングといったアクションで誘うことができますが、メバリングの場合はリップもなく、思うように動作させるのは困難です。
 したがってアクションなしのただ巻きやバンピングがメインになりますが、ジグを常にリーリングしながら誘いをかけているため、ほとんど向こう合わせに近い状態でフッキングさせることが可能です。
 常にラインを張っていますから大きなアワセは必要ありません。つよいアワセだと口切れでバラシしてしまい、メバルの群れを散らすおそれがあります。
 ポイントの周辺部、できれば潮下から探っていき、ヒットしたら遊ばせずに巻き上げ、素早く鈎を外して取り込んだら、ワームを確認してすぐに仕掛けを再投入します。

ポイントの攻略

潮位が高いときには岸近くまで寄っているので釣りやすいが、干潮だからといってあきらめる必要はない。その分、密度が増しているので、水深があって潮があたる干潮向きのポイントを探せばいい。本命ポイントを正確に攻めるにはケミホタルが役に立ってくれる。ワームの位置がわかるのはもちろん、集魚効果も見逃してはいけない。暗い場所では黒チューブを使うのが上級テクニックである。

道具はシンプル

ヒットパターンを掴むためには ケミホタル25 または ルミコイエロー が欠かせません。着水場所を正確に把握できなければ、どこを探っているかも判らないことになります。

1 : ロッド
 1~1.5グラムの軽いジグを、ティップに乗せて飛ばせる柔軟なロッドが必要です。バス用では硬すぎて魚をはじくことが多くなりますが、管理釣場用トラウトタックルのL(ライト)かUL(ウルトラライト)なら流用できます。専用ロッドはファストテーパーに作られているため振り抜け性もよく、遠くまで飛ばすことができます。またバット部分も丈夫なので外道のスズキとやりとりすることも可能です。

軟らかい竿 硬い竿 専用ロッド
軽いルアー用 重いルアー用 軽いルアー用
6:4で胴に乗る がっしりと丈夫 シャープに振り抜ける
喰い込みがいい はじきやすい 喰い込みがいい
アワセが遅れやすい 早アワセが効く 早アワセが効く

2 : リール
 ベイトリールよりも、スピニングリールの1000~2000番が使いやすいでしょう。デッドスローを多用しますから出来るだけギアレシオの低い、ゆっくりと巻けるものを選んでください。ハンドルも短かい方が使いやすいようです。
 できればシャロータイプのスプールを選んでください。

3 : ライン
 感度を優先してフロロの2~4lb程度か、コーティングされたPEを使う人が多いようです。PEは軽くて巻きグセがないため、追い風だとラインが伸びて飛びやすく、ワームの沈降スピードも抑えられます。
 しかし反面、横風には弱く、アタリが取りづらくなるので、風向きによってはナイロンを使うことをお勧めします。
 ジグヘッドは鉛製とはいえ、わずか1グラム程度しかありません。ロッドから放れたとき、リールからラインを引っ張りだしながら飛んでいきますが、このとき空気抵抗を受けやすい太いラインだとすぐに失速してしまいます。飛距離の面では、細くて巻きグセのつきにくいラインが有利です。

4 : ジグヘッド
 ジグは軽ければ流れに乗ってよくヒットするものの飛距離がでません。重いジグは向かい風でもよく飛びますが、アタリの数は少なくなります。幅広いシチュエーションに対応するため、いくつかの重さや形状のジグヘッドを使い分けてください。
 ストレート系のヘッドには、スイミング性の高いワームを、ラウンドヘッドには運動性の高いシャッド系のワームを使います。

5 : ワーム
 ワームは、スプーンやプラグと違ってゼリーのように柔らかいのでソフトルアーと呼ばれます。触感の固いハードルアーと違ってよく伸びるので、噛んだ瞬間に違和感を感じて吐き出すことがありません。これは同じサイズのワームでも、柔らかいものはメバルの口の中でフッキングするのに対し、硬い材質のワームは口の外に出ていることからも判ります。ワームを持ち歩くときは同じ種類をいっしょに入れます。違う材質のワームをひとつのケースに入れると、溶けてしまったり、また逆にエキスを吸われてカチコチに縮んだりといったトラブルが発生します。

● アーキータイプのジグヘッドにはストレート系のワームがマッチ。ボトムからの浮き上がりがよく、海藻のスリ抜け性にも優れています。

● 1.0グラムと軽くて敏感なタイプ。先端のアイを使えば超低速でも浮上し、中央のアイを使えば一定の層を保ったままスイムします。

● 1.5g。ヘッド先端が尖っているので運動性能が高く、ウィードが多い場所での引っ掛かりも低減。オールマイティに使えるタイプです。

● 1.8グラム。円筒形ヘッドは直進性が高いので表層をスイムさせるのに適します。下向きの鈎がショートバイトに対応します。

● 2g。高比重のタングステン製は遠投性が高く、ボトムを取りやすいのがメリットです。運動性を生かすためシャッド系ワームと組み合わせます。

● 2.7グラム。重量級のジグヘッドは遠投が効き、風が吹いても大丈夫。大きめのワームを早く沈降させて底をながくキープするのに適します。

ウキトップライトのベストセラー「ケミホタル」。昼釣りの仕掛けに気軽にセットできるも魅力です。専用ウキでなくとも付属のチューブや各社から発売されているアクセサリーでワンタッチ装着が可能です。