08 メバル釣り実践編 その6

カラーセレクトの極意

 現在 ルミコ には6色がラインナップされています。それぞれの対象魚は、釣師の方々からの実釣レポートをもとに設定されました。理屈ではなく、経験によって得られた色ですから、なぜカレイがオレンジ色の誘惑に弱くて、真鯛がグリーンの光を大好きなのか、その正確な理由は分かっていません。
 特効色は、海水の透明度や植物性プランクトンの量、また季節による食性によって変動します。たとえばホタルイカを喰っているチヌには、チヌ専用の淡青色ではなく、スズキ用のブルーが爆発的な効果を示すことがあります。ヒットパターンを掴むためには、複数のカラーを用意されることをお勧めします。

ルミコグリーン - マダイ・イサキ・メバルなどに。グリーンの光は水中での透過率が良いため、磯や船からの大物狙い、数釣りにおすすめです。

おすすめはステルス

 ルアーフィッシングの世界で、カラーは釣果を左右する大切な要素です。バスと違って、メバリングではワームの形状にそう大きな差はありませんから、色が違うだけでヒット率は劇的に変化します。
 メバルはまず、ジグの着水音を聞いてエサに注意を向けます。浮いて、そこにいれば喰ってきますから、着水音に気をつかう必要はありません。むしろ打ち返しが多いほうがヒットが増えます。着水したら次に、ワームが発生するバイブレーションで測線が刺激されます。ワームの波動に誘われて、近づいたところで色を確認します。ほとんどの魚は近眼ですから、夜間ならかなり近づかないとワームを目視できないと思われます。
 ここで重要なのはメバルの色彩能力です。メバルは暗い海中でも色を認識できるため、見えやすいカラーの場合は、エサではないことを見切ってしまいます。灯りがある場所は当然として、外灯のない夜の海でもカラーマッチしないと喰ってきません。
 そのため、クリアやブラックといった見えにくい色にヒットが集中します。それもソリッドカラーよりも、透明感があって背景に馴染みやすいワームにヒットが多いようです。
 メバルにとって見えにくいはずの赤や透明、暗さに同化する黒色のワームは、学習して警戒心がつよくなった良型メバルにも有効です。アピールカラーのワームは見破れても、見えづらいワームを見切ることはできません。
 ただし、単色で使うとスレやすくなりますから、喰い盛りを長くキープするにはこまめにチェンジすることが大切です。

【画像】 OWNERのエビベイトは安定して釣れますが、エビ型だからいいのではありません。ワームが水を切るときのバイブレーションと、全長の短かさが適当なのでよく釣れるのです。

季節とカラーマッチ

 水温と海水の透明度は密接に関係しています。基本的に水温が下がると海水中のプランクトンが減って透明度が高くなります。あまり潮が澄むと水中からも陸上がよく見えるため警戒されますから、釣り始めはなるべく海から離れて手前の表層から探っていきます。
 音よりも人の影におびえるので、外灯の明かりを背にするときは自分の影が海面に落ちないように注意してください。
 水温によってヒット率は変化しますが、年間を通じて万能なのはパール系(クリアを含む)と赤です。この2色をメインに、定評のあるモーターオイルやピンクなどでローテーションを組み立てます。


【画像上】 グラスミノーSS
【画像下】 003透明ピンク
エコギアは外せないアイテム。

 海水の透明度が高い低水温期には、濃い赤や黒など、見えにくいカラーにヒットしてきます。水温の低い時期はとくに赤色に大型がヒットします。パールボディに赤ヘッド、黒ヘッドも効果的です。
 この時期は彩度が高くて発色のいい黄色からグリーン系の色にはあまりヒットしません。また、どの季節にも通じることですが、青~紺色へのヒットはほとんどありません。これはメバルの視感度上、よく見えているため見切ってしまうのか、なにか青色が嫌いな理由でもあるのか不明です。寒い時期なので眼球を覆っている脂瞼(しけん)まで脂がのって、白内障状態になっているという説もあります。

 ピンクから赤色にヒットします。冬場に反応の悪かったグリーン系ワーム( 写真下 )へのヒットも増えてきます。この時期には稚アユやアイナメの稚魚がよくメバルのエサとなっています。アイナメの産卵期は11~1月で、春先に一斉に孵化します。この稚魚が緑色をしているため、アイナメのいる地域ではグリーン系のワームが有効になります。カブラが緑色をしているのもこれが理由だと思われます。
 また3~5月は海中の藻が繁茂する時期でもあります。周囲の緑が増すことでグリーン系ワームにカモフラージュ効果がでることも一因でしょう。

 夏になると透明(クリア)のヒットが増えますから、透明とパールのローテーションを基本にすることで釣果が得られます。パールはメバルの眼には小魚のウロコに見えるのでしょうか、薄い色のパール系ワームであればどのシーズンでも無難に使い回すことができます。パールと透明の次には赤が有効です。透明に近い赤がよく釣れ、パープルにも良型が当たってきます。

 昼間の釣りの場合は圧倒的にパールが有効です。日中に赤色にヒットする確率は2~3%くらいしかありませんから、夕方の釣り始め、まだ陽があるうちはパールを使うことがコツです。パールはもちろん夜も絶対的に効くので、そのまま夜釣りで使っても大丈夫です。夜になったら、暗い赤色のワームをメインに据えてください。しかし、いくらカラーをマッチさせても、シラスタイプのように表面が滑らかで、バイブレーションが発生しないワームはどの季節も釣れません。他の魚種ではヒットしてもメバルには効果がありません。

秒殺! 瞬間鈎外しのテクニック



 糸を持ってブラ下げると口を開くので鈎先の向きを確認してください。人差し指の腹で糸をガイドにしながら、爪が鈎側にくるように、口の中に滑らせます。鈎のふところに入ったところで、少し強引に指を押し込むと簡単に外れます。魚をつかむと口は閉じますから、そのときは下あごを押して口を開かせて指を差し込みます。