09 メバル釣り実践編 その7

暗い場所は延べ竿で釣る

 灯りのある港湾はジギングに最適の場所です。外灯の光にはメバルのエサとなるゴカイや小魚が集まっていて、これらを補食するメバルをサイトフィッシングで狙えますし、なによりも足元が安全です。しかし灯りのない堤防にメバルがいないわけではありません。むしろ場荒れしてないだけ、たくさんいると考えていいでしょう。
 ただし、ジギングは灯りのある場所では釣果があっても、暗い場所ではあまり釣れないのが実情です。
 これは延べ竿でたった今、実際に何匹か釣ったそのワームを使ってメバリングをしてもヒットしないことから判ります。その最大の理由は、ワームの移動スピードが速すぎることにあります。暗い場所にいるメバルを攻めるには、超スロースイムが可能な延べ竿を使ってください。
 暗い海の中では視界が限られているため、一匹のメバルがエサを追える範囲は非常に狭く、浅い場所だと半径50㎝くらいしかありません。(1匹が直径1mの円をカバー。これはそのくらい離れた場所をトレースすると次のメバルが釣れることから判ります)
 狭いヒットゾーンに正確にワームを投入するためにも、延べ竿が有利です。

1 : シンプル仕掛けで

 暗い場所では万事に目が行き届かないため、シンプルな道具立てが必要になります。延べ竿なら外灯のない場所でもトラブルとは無縁。7m級の竿を使えば13mは届きますから、カバーできる距離もメバリングと遜色ありません。

2 : スピーディな手返し

 メバルは小魚の跳ねる音に敏感なので、ワームが着水してフォール即アタリが多いのが特徴です。そのため打ち返しの回数が多いほどヒットにつながります。
 この点、リールを巻いて回収する必要のない延べ竿は圧倒的に有利です。ヒットしたメバルはそのまま空中に抜き上げますから、残ったメバルが警戒して散ることもありません。

3 : 慣性モーメントゼロだから

 ジグを使った場合、フォールのスピードが速いため、暗い場所ではメバルの動体視力を超えてしまいがちです。
 メバル鈎にワームを刺しただけの超軽量仕掛けなら余裕のゆっくり沈降。切れ藻に触れたようなかすかなアタリまで感じとることが可能です。

4 : 触れただけで判ります

 リールを使う以上、小さなアタリは判らなくて当然。かすかな引きを伝えるラインはトップガイドに触れているだけ。ガイドとガイドの間もラインは弛んでいるので、アタリは手元に伝わる前に吸収されてしまいます。
 これはメバリングでは避けられないことです。ところが延べ竿なら感度100倍。ワームのわずかな変化はダイレクトに竿先に伝わります。
 ジグの場合、ワームは水平を保った姿勢でスイムします。テールは水流でプルプルと小刻みに動き、生きた小魚を演出します。かたや延べ竿の場合は、ワームは45度くらいの姿勢で、まるで溺れかけているようにゆっくりと移動します。これはメバルにとって喰い頃の弱った小魚に見えているはずです。
 暗い中でメバルにワームを見つけてもらうためには、デッドスローでスイムさせる必要があります。目安は1秒間に10㎝程度なのに、メバリングでこのスピードを演出することは不可能です。しかし高い位置からワームを吊り下げる延べ竿なら、泳層もスピードも自由自在。これが釣果に直結する最大の理由です。

ヒットゾーンにケミホタル

 メバルは条件のいい場所に密集する性質があります。アタリの良くでるポイントには多くのメバルがいるわけですが、すべてのメバルがヒットするわけではありません。もし一匹だけしか釣れなくてもその周辺にまだ20~30匹は残っています。
 釣れたポイントを覚えておいて、次回の釣行時もそこに正確に仕掛けを投入してください。これは ケミホタル なしでは不可能なことです。仕掛けが今、どこをどの水深で通っているのか、これが判らなくては釣果に結びつけることはできません。
 ケミホタル があればヒットゾーンの把握も、根掛かりの回避も可能です。

ルミコなら大丈夫
 夕方、まだ陽が沈みきってなくても海の中はもう暗くなっています。ルミコ はこの時間帯から使い始めてください。
 メバルには真鯛用のグリーン、または ルミコイエロー をお勧めします。喰っている餌の種類や季節によって好む色は変わりますが、イエローからグリーンの色調はオールマイティです。メバルは目がいい魚ですが、ルミコ の輝度なら警戒心を持たれることはありません。