10 メバル釣り実践編 その8

ケミホタルフィールドスタッフ
Yuzanさんの究極の仕掛け

 Yuzanさんは瀬戸内海を拠点にする探り釣りの達人。エビ餌で30分に40匹(45秒に1匹のペース)の記録をつくったものの、エサを付け替える時間がもったいないと、さらに追求を続け、ついにワームを使って30分に60匹(30秒に1匹)という驚異的なスピードに到達しました。
 何十色もの自作ワームをポケットに入れ、喰い盛っているときに試してはまた元の色に戻すという実釣試験を重ねて、季節別のヒットカラーまで突き止めました。陸っぱりで一晩250匹ものメバルを手中にする神ワザ釣師、Yuzanさんのノウハウに裏付けられた仕掛けをご紹介します。
 ウキ釣りと違って、喰い上げの微かなアタリをとれるかどうか、技量の差がはっきりと出ますが、釣り味最高。手返し最高。少ない道具でメバリングの数倍の結果が得られる釣法です。この仕掛けで釣れなければそこにはメバルがいないということ。さっさと場所を替えましょう。

竿

喰い込みがいいメバル竿を使用。早アワセ用に穂先の柔らかい部分を10㎝ほどカットしてあります。長竿は遠くまで狙えますが、片手持ちで一晩振るには6m竿の重さが限度だそうです。

天井糸

アタリをダイレクトに伝えるPE。使用する目的はただひとつ穂先リリアンのトラブル防止です。PEには張りもコシもないため、リリアンにくい込むようにしっかりと取り付けられます。

道糸

早アワセには、伸びがなくて張りのあるフロロ2号が有利。鈎先までの全長は竿の長さマイナス20㎝。大きなメバルが釣れるときにはマイナス50㎝にします。これは釣り上げたメバルを目の前で手に取り、素早く打ち返すためです。

ケミホタル25

メバルが常に潮上を向いているとは限らないので、同じポイントでも向きを変えて流すとヒットすることがあります。ケミホタル は狙った場所をピンポイントで攻略するための必需品。付属の透明チューブが薄くて水の抵抗がないため使いやすいですが、暗い場所では ルミコに付属している黒チューブ で下半分を隠すのが上級テクニックです。

中通しオモリ

良型メバルがその場で居喰いするようにワームを引いた場合、ワームに抵抗があれば一瞬で放してしまいます。しかし中通しオモリならラインが違和感なくスムーズに引き出されるため、メバルがワームをくわえている時間をコンマ何秒か長くすることが可能。このコンマ何秒の余裕が釣果に直結します。

オモリ止め

中通しオモリを止めるための役割です。極小のスイベル、チタン製サルカン、または丸環。ハリスが短いのでヨリ取りの効果は必要ありません。比重ゼロのナイロン製チヌ環やグレ環がお勧めです。

エダス

赤とパール、2色の必釣カラーを同時に使用しますが、ダブルで釣るのが目的ではありません。その場所のメバルが、どちらの色を好むか常に把握し、ヒットカラーを下鈎につけることで釣果をUPさせるのが狙いです。釣り始めは上鈎にパール、下鈎に赤をつけておきます。ヒットはどちらかの色に連続するので、パールばかり喰うようなら位置を入れ替えてください。上鈎にはメバルの注意を惹く効果(これは2段鈎にすると下鈎にスレ掛かりしたメバルが釣れることで判る)があるため、2段鈎にすることで釣果が飛躍的にアップします。
2色使うことでスレにくくなり長く釣れ続く効果もあります。また、もし下鈎にカサゴばかり掛かるようならタナが深すぎるのです。

ハリス

フロロカーボン1.5号を20㎝。この太さで見破られることはありません。これ以上細くしても喰いが良くなることはなく、むしろ歯ズレでのライン切れや、糸絡みなどのトラブルが増えます。

メバルの口は大きいので大きめの鈎を使います。がまかつの「ピチ2メバル」8~10号は、ふところの具合、貫通性能などトータルで優れた鈎です。軽くて吸い込みやすいうえ、鈎先の持ちもよく、根掛かりしないかぎり100匹やそこらで交換することはありません。

カンタン枝ス








秘伝 : マジックマジック

 フィッシュイーターであるメバルは、獲物の急所である頭部を認識しています。最初の一撃で大きなダメージを与えるために、小魚の頭部を目がけて襲いかかります。たぶんその方が逆ウロコにならず呑み込みやすいという理由もあるのでしょう。長いワームのときは当然として、短めのワームでも、テール側に噛みつかれるとバラシが増えてしまいます。対応策として、ワームの頭部にマジックを塗ってみてください。たったこれだけのことで、鈎のある頭部に喰いついてくれます。インクの臭いの影響はありません。手軽に確実に、釣果が増えます。

【画像】 ワームの素材によってはマジックが染みこんで自然な感じになります。(染みこまない素材もあります)
ウキトップライトのベストセラー「ケミホタル」。昼釣りの仕掛けに気軽にセットできるも魅力です。専用ウキでなくとも付属のチューブや各社から発売されているアクセサリーでワンタッチ装着が可能です。