03 エギの基本

エギはエビ型プラグ

 エギは享保年間( 1717~1736年 )に種子島または屋久島で発生したとされます。古くは魚型とエビ型の2タイプがありました。イカが小魚を食べる以上、魚型のエギでいいはずですが、アクションが乏しく、シャクリでの移動距離も短いため、明治時代には動きのいいエビ型が主流になりました。魚型は速い流れでの安定性がよいので曳き縄漁で使われます。
 本物のエビは、後ろ向きに跳ねることはあっても、前方へ素早く泳ぐことはできません。もちろんダートなどありえません。ところがエビ型エギなら、前傾しているうえに、湾曲したボディがリップの役目を果たすので、本物以上のアクションが可能です。
 アクションには大きく分けて2種類あります。ひとつはアピールのための激しい動き、もうひとつは抱かせるための緩やかな動きです。アオリイカは小魚を食べるときには後頭部を噛み切り、エビを食べるときには腰に噛みつきます。エギを使うと、腰の部分に噛み痕が残ることから、アオリイカはエギをエビだと思っていることが分かります。これはエギ自体の形状もさることながら、上下に動くものをエビだと判断しているのかも知れません。

サイズ別の使いかた

 エギのサイズはアオリの胴長の半分を目安にします。仮に1kg胴長約25cmの良型を狙うなら12.5cmを基準にしてください。近いところで4号エギ=4寸=約12cm。3号エギ=約9cm。どちらも充分に守備範囲なので、釣場にいるベイトフィッシュを観察して近いサイズを選びます。もちろん現場の風向きに応じて選んでも、お使いのロッドの硬さによって選んでも大丈夫です。同じサイズでも重量のあるエギは、遠投するとき、潮が速いとき、早く底をとりたいときに使います。

2~2.5号

秋の新子狙い、または活性が低いときに。水深が浅い場所、流れの緩い場所、近場での数狙いにも使えます。軽くて飛距離が出にくいものの磯竿やライト級バスロッドでも使えます。ただし良型へのアピール度が低いのは弱点。

3~4号

防波堤や磯から使いやすいオールマイティの重量で、磯竿や投げ竿にもマッチ。春から秋までパイロット的に使ってください。3号は浅場でゆっくり沈めたいときに、4号は潮が速いときや遠投したいときに役立ちます。

4.5号以上

遠投用。晩秋や春の大型狙い、離島のアカイカ型アオリ狙いに。深場や流れが速い場所、逆風対策にも適します。大型イカは抱く力が強いので、腕がカンナに掛かるようにしっかりと引きアワせることが大切です。

フックの形

 鈎が全周についていて、どこにタッチしてもフッキングするのが全傘タイプ。ほとんどのエギがこの全傘ですが、ロストが多いときには鈎をペンチで曲げて半傘にしてみてください。根掛かりしにくくなります。鈎は、外向きだと刺さりやすくて抜けやすく、根掛かりする率も高くなります。内向きだと刺さりにくくて外れにくくなります。また、半傘でも全傘でも普通は2段になっていますが、これはフッキングエリアの拡大と身切れ防止が目的です。フックが小さいと掛かりが浅いため身切れしやすく、大きければ深く食い込むので取り込みが確実になります。大イカを狙うときには、エギの号数以上に傘鈎の大きさにも注意してください。

ストレートフック

力のロスがないため軽く触っただけで刺さるものの、逆に根掛かりも増えるので、イカが浮いているとき、手返し重視で数を狙うときにストレートを選んでください。底をとらずに釣るスッテはほとんどがこのタイプです。

ラウンドフック

フックに丸みがあるタイプはリトリーブの最中に外れにくいのがメリット。アワセや逆噴射のショックを吸収するため、身切れも起こりにくくなります。ワンチャンスもムダにしたくないときに使うといいでしょう。

フォルム

 エギのアクションは重量よりも水の抵抗の影響を受けます。キレのいいアクションがアオリを興奮させることもあれば、逆に警戒されることもあるので、フォルムによって使い分けることも大切です。ほかの条件は同じなのに、沈降速度が違うだけで、釣果に思わぬ大差がつくことがあります。

ほっそりタイプ

沈降が緩やかなため、イカに警戒心を抱かせにくく、シャローでも充分な誘い時間が得られます。機敏な動きが出来なくてもスレイカへのアピールは充分。細かなアクションが要求されない秋の新子狙いにもOKです。

ふっくらタイプ

フックに丸みがあるタイプはリトリーブの最中に外れにくいのがメリット。アワセや逆噴射のショックを吸収するため、身切れも起こりにくくなります。ワンチャンスもムダにしたくないときに使うといいでしょう。

逆三筋肉タイプ

素早いアクションに向いています。少しのシャクリでも大きくロールして腹側のカラーがフラッシングするためマズメ時にも最適。浅場でフォール時間が稼げないときにも、横に動くダートアクションならアピールできます。

カラーの使い分け

釣場にいるベイトの種類でカラーを使い分ける。アジやイワシを追っているならブルー、サバの子ならグリーン、エビが多ければブラウン。

見切られやすい日中はブラウンやグリーン、ブルーなどのナチュラル系カラーを使う。夕暮れからは視認性の高いオレンジやピンクでアピール。

晴天や澄み潮ではブルー系、プランクトンが多ければグリーン系、曇りなら地味でくすんだ色を使うなど、潮の色に合わせて使い分ける。

暗い場所ではグロー系でアピールする。グロー系はエサ盗りのフグも寄せてしまうので、フグが多くなる6月以降はピンク系をメインに使う。

自分のエギがどこに着水したか分からないようでは満足な釣果は得られない。暗いときには視認性の高いエギに、さらに ケミホタル をつける。

色々と試しても反応がなければ活性が低いと判断して、アクションを控えめにし、それでも釣れないときはエギのサイズを小さくする。



ウミホタル - 見やすい球型ヘッドで、上から見下ろす釣り場でも遠くまで流す場合も、とにかく視認性抜群!