05 クロダイ釣り実践編1

クロダイの夜釣り
解説 : 原氏 満 ( バラシ マン )

 わたしが初めてクロダイを釣ったのは小学校の6年生のときです。釣りといえば最初のうちはすべて投げ釣りでした。タックルは竹製の投げ竿、プラスチック製の横転リール。これらはお正月のお年玉でそろえたものです。考えると、あれから50年以上もクロダイ釣りをしていることになります。フカセ釣り一本でクロダイを狙うようになってからでも、すでに25年が経過しました。やればやるほど奥が深く、クロダイ釣りの巨星・若松敬竿氏が「 チヌ釣り五十ヶ条 」の中で書かれていたように、霞の奥はまた霞かな、といったところがいまの心境です。
 クロダイは意外性の魚といわれます。意外なところで、意外なエサで、意外なサイズが、意外な仕掛けで、意外な人に釣れます。しかし、本格的にねらってみると、これが意外と難しい魚なのです。工夫も必要です。忍耐も欠かせません。研究心も大切です。クロダイに魅かれ、70cm オーバーのクロダイを求め、日本全国のあちこちの釣り場を釣り歩きましたが、まだまだ感心、驚かされることばかりです。
 クロダイの釣り方も時代とともに変わってきました。最初は投げ釣りが主体でしたが、フカセ釣りを覚え、固定の二段ウキ仕掛けを知ったころから完全にのめりこみました。固定で狙えない深い場所を攻略するために移動仕掛けにもチャレンジしました。
 岸壁や防波堤の落とし込み釣りもしました。餌盗りの多い防波堤からのウキダゴ釣り、筏からのダンゴ釣りも経験しました。ルアーでもクロダイをねらいました。
 今回はクロダイの夜釣りについて紹介してみます。半夜釣りも含め、防波堤や岸壁などでは割りと大型のクロダイが釣れることから人気があります。最近では夏場だけではなく、一年中ねらう釣り人も増えてきました。
 夜釣りといえば、なくてはならないものに電気ウキがあります。この電気ウキも時代とともに大きく変貌してきました。最初は海水と反応して光る銀ピカといわれる電池が使われていました。それが乾電池に変わり、ボタン電池、ピン電池と進化を遂げ、同時に光源も電球からLEDと大きく変化しています。
 とても明るくなりました。歳を重ね、目が弱くなったわたしにとって、明るい電気ウキというのは、これはもうたまりません。夜釣りが楽しくなる最高のタックルだといえます。点灯している時間もずいぶんと長くなりました。いま使っているのはルミカの チャップオン という電気ウキの0.5号と3Bです。0.5号は24時間、3Bのグリーンは連続60時間 ( 実際には1週間くらいは光っているようです ) 使えるので大変経済的です。60時間といえば単純計算でいっても、1回4時間ほどの半夜釣りだと15回は使えます。これはほぼ1シーズンにあたります。おまけにこのウキは海面に着水すると同時に点灯する構造になっているので、現場でウキを開けて電池をセットする必要がありません。海から仕掛けを上げると自動的に消えるので、釣りをやめて道具を片づけるときもスイッチを切る必要がありません。

CHAP-ON - よく飛び、よく見える!

 夜釣りで明る過ぎるウキは釣れない、といわれる方がいますが、わたしの場合はあまり気にはしません。薄暗いウキよりも鮮明にアタリが出ますし、夜釣りをしていても疲れません。むしろ電気ウキの光より、ヘッドライトなどの光を海面に落とすようなことを避けた方が賢明だと思います。キラキラと海面を照らす、音を立てるなどの行為は慎むべきです。さらに気を使うのであれば玉網には ケミホタル75 を折って発光させたものを巻きつけておけば、取り込みのときに海面をライトで照射することなく、クロダイを掬うことができます。
 夜釣りでも基本となるのは遊動仕掛けです。昼間と違って使用するウキが電気ウキとなるだけです。3Bであれば水中ウキはマイナス3Bのものを使います。0.5号のウキであれば水中ウキをマイナス0.5号にします。要はウキの浮力と同じ重量のオモリを使えばいい訳です。ウキの浮力を抑え、魚のアタリが出やすくなるように追加のガン玉を打つ人もいますが、夜釣りの場合は食い渋りを気にする必要はありません。3Bと0.5号のウキの使い分けについては、ねらうタナの水深で決めています。ねらいのタナが竿1本以内であれば3B、竿1本以上の深さであれば0.5号を使います。面倒臭がりやのわたしは、初めての場所では必ず0.5号を使います。
 昼間の釣りとの決定的な違いはハリスの号数を大きくすること。最大で3号くらいまで使います。またハリの3~4cm上に 「 ちもとホタル 」 をセットします。これはハリの位置を判りやすくするためと、集魚効果を高めるためです。集魚効果についてはいまさら書くまでもありません。セットするとしないのでは、明らかにヒット率が違います。水中に生息している生物で夜になると発光する甲殻類や虫類が絶好のクロダイのエサになるからではないかと思われます。クロダイがエサもろとも、ちもとホタル まで呑みこんでいたことも珍しくありません。
 これはわたしの裏技ですが、昼間でも 8m 以上の深いタナをねらうときは、ちもとホタル をセットします。ハリスウキとして、底の方で動く微細な流れをつかんでエサを躍らせてくれるからです。ぜひ試してみてください。

ちもとホタル - 世界最小の集魚ライト

 実際に釣り場で竿出しするときのことについて触れます。あらかじめ、仕掛けは自宅でセットしておきましょう。リール、ウキ、水中ウキ、スイベルまでセットしておきます。ハリスにはハリをつけたものを5~6本を準備し、使い古しのスプールを利用して巻いておきます。これだけでも現場で行う作業が減り、スムースな竿出しができます。現場ではハリスに専用チューブを通し、ちもとホタル を折って発光させてセット。スイベルに結べば一丁上がりです。
 後はタナ取りのオモリを使って、きちんと水深を合わせましょう。これがクロダイ釣りでは大切なことです。潮の満ち引きに合わせて行うこまめなタナの調整が、釣果を大きく左右することになります。
 夜釣りでは安全への配慮が必要になります。家族に、行く場所と帰宅時間を告げてから出発してください。一人で釣行する場合はなおさらのことです。
 波をかぶることがあるのでウェアや照明具は、防滴または防水の製品を選んでください。ライフジャケットも必需品です。肩口に反射板が付いているものを、釣り場に着いたらすぐに着用するようにします。股ベルトをしっかり締めておかないと、万が一、海に落ちたときに脱げてしまうことがあります。また、釣り場での飲酒は厳禁です。なにが起こるかわかりません。アクシデントが発生しないように注意してください。

原氏 満 ( バラシ マン )

[ プロフィール ]
元ウキメーカー勤務。
巨クロダイを夢見て全国各地を釣り歩くさすらいのクロダイ師。一度竿を出したら釣れるまで動かない根性で韓国から中国南部、オーストラリアまで荒らしまくる。

フィールドスタッフ山本名人の
落とし込み釣り
解説 : 山本達雄

 イガイは冬に産卵して夏には 4~10mm まで成長します。盛夏、岸壁にビッシリと貼り付いたイガイの層の中には、カニや子エビ、ゴカイのような虫が潜んでいて、クロダイはこれらのエサを補食するため堤防に寄りついています。イガイ自体もまだ殻が柔らかく、量も多いのでクロダイの主食級のエサになっています。岸壁を歩きながら、あたかもこれらのエサが落ちてきたかのように演出して喰わせるのが落とし込み釣りです。
 カニエサのときは小さなクロダイでも喰ってきますが、イガイの殻を砕くほどのパワーがあるのは 30cm 以上の良型だけ。イガイの落とし込みは良型だけを狙って釣ることができる釣りです。

バラシ上等

 落とし込みはアタリを取って掛け合わせる釣りです。クロダイがエサをのみ込んで勝手にかかることはまずありません。アタリが出た瞬間にはまだ鈎先が完全に口の中に入ってないことが多いので、素バリとバラシが多発して、実際に取り込めるのは全部のアタリの3割くらいです。
 足元でヒットしたとき、クロダイは岸壁を向いているので、腕を前に突き出して竿を沖に振り出すようにアワセを入れます。このときイガイに仕込まれた鈎が、口の中を向いていれば、フックは上アゴに立ち込もうとします。しかし、良型の歯の裏は頑丈なためフックはなかなか立ち込まず、歯と歯のスキマに挟まった状態になりがちです。このままテンションをかけて沖に走らせると、うまくいけばフックが移動して口の横にフッキングします。

ポイントはクロダイが教えてくれる

 一般的な釣りでは、潮流の壁やヨレなどエサ生物が滞留しやすいところがポイントになりますが、落とし込みの場合は、エサ生物の居付き場所であるイガイのコンディションが集魚力を左右するので、イガイの層がよく見える干潮時にポイントを観察してください。クロダイに囓られて白くなっている所があればそこがポイントになります。海中のイガイが喰い尽くされた場所でも、満潮時に水面下になる位置であればクロダイが寄ってきます。
 浅ダナまで来ているクロダイほど喰い気がありますが、安易にポイントを覗きこむと姿を見られるので、できるだけ岸壁から離れてください。群れでイガイを補食中の場合でも、姿さえ見られなければ釣ることができます。狙いのタナは水深 2~3m です。干潮時にはイガイの層が露出してしまい、水中には食べるエサがなくなるため、どこかに行ってしまいます。したがってヒットは満潮前後に集中します。

タックル

 竿はラインの弛みが少ないU字ガイドの 3.6m 程度。ただし目印が通らないので、必要なら通常ガイドの磯竿を使うことをお勧めします。道イトはフロート系、またはサスペンド系で見えやすい色の2~3号。ハリスはナイロンでもフロロでもOK。フッキングしたときにラインの全長が短くてショックを吸収する余裕がなく、竿も硬調なのでラインへの負担は大きい方です。通常は1.5号を使ってください。1.5号で 50~60cm クラスが取れます。走らせたくない場所では2号を使います。

釣り方

 通常ガイドの竿の場合、利き手に竿を握ったら、親指と人差し指でスプールを挟むようにして仕掛けを保持します。そのまま反対側の手でリールからラインを矢引巾ほど引き出すと、手元に余分なラインを持った状態になります。ここで竿を振ると同時に仕掛けをリリースすれば、手元にあった余分なラインまで放出されて海面に浮くことになります。
 クロダイは岸壁から落ちたエサを狙っているので、エサは壁から 20cm 以内をキープして落とし込みます。海面に浮いたラインにはマーカーを付けておき、仕掛けが沈んでいくときの動きでアタリを取ります。夕マズメの暗くなった海面では見えにくいので ケミホタル を使ってください。竿尻を腕にあててホールドし、スプールはフリーにしたまま指で押さえてアタリを待ちます。

沈降速度とアタリの関係

 沈降速度がヒット率を左右します。ヒット数が多ければ釣れる数が増えるので、エサができるだけ自然に沈降するようにコントロールしてください。
 カニのときはオモリを使いますが、イガイにはある程度の重さがあるので自然落下が基本になります。エサは浮力のあるラインを引っ張りながら沈んでいくため、沈降速度が遅くなりがちです。ヒューズを巻いて重くすることはできますが、あまり速く沈めすぎると喰いがわるくなります。
 スレたクロダイには早目にして、あまりエサをじっくり見せない方がいいときもあります。しかし、普通はあまり早く沈ませると追うのを諦めてしまいがちです。 ( 浅い場所なら底までエサを追いかけるので大丈夫 ) 。
 落とし込みには、引き込みアタリ、走りアタリ、止めアタリの3種類があって、一番多いのは沈下していく仕掛けが止まる「 止めアタリ 」です。たとえばフカセ釣りでいう全遊動のように、あまりにゆっくり沈んでいくと、止めアタリがとりにくくなります。ひったくるように出る引き込みアタリなら初心者でも判るし、疑問を感じながら聞き合わせるよりも面白いのですが、数を釣りたいなら、もっとも多い止めアタリが出やすいよう、少し早めに沈める必要があります。

取り込み

 ラインに変化があったら、仕掛の弛みの分まで大きくアワセを入れます。アワセの衝撃はスプールを滑らせて吸収してください。水深がある場所でヒットしたときは底に、浅場でヒットしたときは沖の深みに走る傾向があります。オーバーハングの場所では足元に突っ込まれるので長竿で対応してください。引きのつよさで大きさを推し量り、大型ならスプールを指で押さえ、ドラグをかけながらラインを送りだします。動きが止まったところで引き寄せてください。
 つよい締め込みには竿に手をそえ、竿がラインと直角になるようにキープします。鈎が貫通していないことが多いので仕掛けを緩ませないよう注意してください。仕掛けが緩むとクロダイに主導権を取られるかバラすかのどちらかです。足元勝負なのでポイントを荒らさないよう、空気を吸わせてから手早くタモ入れします。取り込める場所を考えてから釣り始めることが重要です。

ピンチ! ロープに逃げられる

浮き桟橋など、水中の障害物が多い場所で釣りをしていると、ロープの下などに走り込まれることがあります。長い間海中にあるロープには貝やフジツボが付着していて、ラインが少しでも触れれば2号だって一瞬で切れてしまいます。テンションをかけて止めようとしても万事窮す! ブレークは避けられません。
このときイチかバチかでリールをフリーにしてやると、どういう訳かクロダイは反転して戻ってきます。非常に度胸がいるワザですが、もしもの場合にはお試しください。

yuzan < 山本達雄 >

[ プロフィール ]
広島県在住のスゴ腕釣師。
掛けアワセの名手で、メダカが鈎先を突いたような微少なアタリをフッキングさせる異次元の腕前。メバル釣りでは30分間に60匹の驚異的な記録を持つ。

磯釣りタックルで楽しむ 渚釣り

 渚釣りには、並接ぎの長竿を使う釣法もあれば、カゴやテンビンを使う釣法、30号もの大オモリをぶっ込む釣法さえあります。日本海では波の発生する秋から真冬にかけてがシーズンですが、九州ではクロダイが浅場に入ってくる初夏から秋までがシーズンになります。
 様々なスタイルに進化を続ける渚釣り。ここで紹介するのは、九州で人気のサーフのウキフカセ釣りです。まだあまり釣り荒れていないためか、実際にやってみれば良型が多く、磯や港湾よりも数が出るのが特徴です。足場がよくて安全なうえに、釣り人もそう多くありません。浅い砂地なのでパワフルな横走りを堪能できるのも魅力です。

場所選び

 釣人の常識からすれば、まさかと思うような砂浜からクロダイを引き出すのが渚釣りです。ところがやはり何もない砂浜で釣果を上げることは難しく、なにかしらの変化が必要になります。

  1. 重要なのは砂浜のどちらかの端に岩場があること。撒き餌したら潮がクロダイの供給源である岩場に向かう流れだとベストです。
  2. クロダイは淡水の流れ込みがある場所を好むので、小さくても川があれば条件がグンとよくなります。大雨のときに大量の水が海底をえぐってできた澪筋が魚たちの恰好の移動ルートになっています。
  3. ゲームフィッシュには、エサとなる小魚を斜面に追い込んで逃げ場を封じる習性があります。駈け上がりの底を狩り場にしているので、仕掛けの届く範囲に深場があると遭遇率が高くなります。
  4. 遠浅の藻場の中にぽっかり空いた砂地。潮流の出会い、流れの弛み、シモリ、ゴロタ石。クロダイが身を隠せるコンストラクションのある場所が狙い目です。
  5. 海底の地形は水面の波の状態に影響を与えます。水面に変化のある場所を探ってみてください。近くに山があるなら、偏光グラスで藻場や岩礁の場所を確認しておけば完璧です。

離岸流 ( 払い出し / ハケ )

 隠れ家の豊富な場所は別として、ポイントの絞りにくい砂地では離岸流を見つけることが釣果を左右します。湾内に入り込んだ潮流は、かならずどこかで沖へと流れ出します。すべての流れを集めた離岸流には、遊泳力の弱いエサ生物が含まれていて、クロダイにエサを供給するフィーダーレーンとなっています。この流れから外れてしまうとクロダイの密度は極端に薄くなります。
 離岸流が発生する場所は、頭の中で地上の地形を海中に延長して推理します。木切れなど海面の浮遊物の動きも参考にしてください。離岸流は月齢の潮の大きさや一日の潮汐で変化します。長い砂浜だといくつも現れるので、その中で一番大きな流れを見つけ出して撒き餌すれば潮に乗って遠くまで効いてくれます。潮が動かないときは、満潮で寄せた潮が沖に引かれる下げ始めの時間帯を狙ってください。誰も撒き餌をしない砂浜ではクロダイは沖にいるし、沖にいるクロダイは釣人を警戒していないので一発で喰ってきます。

撒き餌

 ゴミを出さないよう釣具店さんで混ぜてから持って行きます。釣場に着くまでに水分が出て柔らかくなるので、それを見込んだうえで硬く重く仕上げてください。遠投するのはもちろんですが、仕掛けを底に這わして釣るので、撒き餌も底に溜まるように作るわけです。重ければ狭いエリアにクロダイを集めることができるうえ、ポイントが近いときでも対応可能です。
 波打ち際まで道具類を運んだら、沖のポイントに向かって撒き餌をします。仕掛けを作る前から撒き餌を入れ始めてください。潮が沖に流れだしたらチャンス到来です。20分ほど撒き餌を打っていると潮下にいたクロダイが撒き餌の道を遡ってきます。この細い道を切らさないために、やり取りしている最中にも撒き餌を打つ釣師がいます。
 もしポイントがごく近い場合は、波が一番上まで来たときに足下に撒き入れ、引き波を利用して離岸流の底に巻き込ませます。

エサ盗り対策

 夏場なのにエサ盗りが少ないのも渚釣りの魅力のひとつです。おもな敵はフグですが、クロダイが寄ればフグは逃げてしまいます。餌が残るようになったらクロダイが来たと判断して、ハリスに傷がないかチェックしておきましょう。ラインに巻きクセがついていると太陽光が反射してフグの餌食になります。フグをかわすには、仕掛けを撒き餌よりも少し沖に入れます。餌が浮いている間に喰われるので、素早く沈ませるようにしてください。白い鈎はフグの興味を引くので使ってはいけません。フグの大好きな麦だけを別の場所に撒いて足止めする方法もあります。
 砂底の海に、アジゴやサバゴなど足の速いエサ盗りは多くないのですが、これらは中層にいる魚なので、もし釣れたときにはタナを深くして対応します。海藻が釣れるようなら少し上げてください。ヒラメは勢力がつよいのでクロダイは追われてしまいます。ベラはクロダイと同じ場所にいます。クロダイが来ても逃げないので、もし釣れ続くようならポイントを移動しましょう。ボラはクロダイの先触れなので大丈夫です。

タックル

 遠浅のビーチでは遠投できる仕掛けが必要になります。自重があって遠投しやすいウキを用意してください。30m 以上から見える視認性の高さも必要です。波が静かな場所なら棒ウキも使えます。
 遠投するときは道イトの抵抗が無視できないのでリールには細いラインを巻いておきます。置きエサにするときは海底でのエサの自然な動きを妨げないよう柔軟なナイロンハリスが適しているでしょう。瀬ズレは考える必要がありません。付け餌はオキアミが基本ですが、距離とエサ盗り次第では市販の練りエサも用意しておけば安心です。

ルミコ - 充実のラインナップ

釣り方

 竿を砂地に直接置くと継ぎ目に砂が噛むなどのトラブルが発生しがちです。リールにも砂が付着しないよう注意してください。砂浜は干潮時で水深~2m 程度。深いところで 5m もないので、最初はタナ1ヒロ半からスタートして底を取るようにします。
 仕掛けを投入するのは 20~30m も沖のシモリや落ち込みです。竿と餌の間に潮流があるので、常に仕掛けの位置をコントロールして、撒き餌を入れた場所から外れないようにしてください。砂浜では基本的に潮は左右に流れます。横流れの潮で道イトが膨らみがちですが、ウキ先行で流れてしまうと仕掛けが馴染みません。潮流が速いならガン玉を打って仕掛けを落ち着かせます。
 最初の狙いは底スレスレです。仕掛けが底についたり浮いたりするとウキの動きがギクシャクするのでよく観察してください。水温が低いときや、喰い気のないとき、波風があって仕掛けが上下するとき、二枚潮のときは海底にベッタリ這わせて対応します。這わせ部分が長すぎるとウキに反応が出にくいので注意してください。
 逆に、小魚を追ってヒラ打ちが見えるとき、ニゴリがあるときは水面直下で喰ってきます。中層なので反転して大アタリが出るかも知れません。最初の一匹がヒットするまではこまめにタナを工夫しながら釣ってください。タナの見当が付かない場合は0号ウキの遊動仕掛けでゆっくり沈めていきます。

取り込み

 夏の波止だと中・小型が主体ですが、渚なら良型が出ます。アタリは明快なので、ラインを張り気味にしておき、竿をスッと立ててアワセを入れると、沖でバチバチと頸を振っているのが伝わってきます。ゴロタ浜の場合は根掛かりに注意が必要ですが、障害物がない砂浜なのでやり取りには余裕があります。  タモは用意しなくて大丈夫。寄せ波のタイミングでランディングするだけです。ただしフッキングが浅いときに無理をすると引き波の力でバラすことがあります。  駆け上がりの沖でヒットした場合は竿を高くあげ、肩の部分でラインがスレるのを防いでください。