04 エリア別攻略法 その3

エリア別攻略法 : 藻場

海藻ジャングルは大型メバルの好ポイント。アイナメもいる。
ホンダワラを中心とするガラモ場には本命魚のメバルやアイナメのほか、クロダイやスズキも住み着いている。魚に隠れ場所を提供する場だけあって魚は多いのだがとにかく釣りにくい。攻略するならまず、明るいうちに下見しておくことだ。どこに穴があってどこで切れているかを把握しておき、陽が落ちてからそこを攻めれば良型を手中にできる可能性はたかい。藻場はメバルの越冬場所とも呼ばれている。

密集地帯を避けて周辺を狙う

小さなアクションでは藻の中にいる魚に気が付いて貰えないから、目立つような大きなアクションが基本になる。大きくシャクってリフトし、ゆっくりとフォールさせる。メバルは藻の上を泳ぐルアーにも反応するから、潮位が高いときなら藻の上をリーリングする攻め方もある。メバルがケミホタルを嫌うことはないので、「ちもとホタル」をスプーンの内側に透明ビニールテープで張り付けてチラチラ回転させるとすぐれた集魚効果がある。着水音にも効果があるのでどんどん打ち返していい。

藻の際や穴の上を太いラインと重いジグヘッドを使って強行突破する方法もある。ヒットしたら藻の中に逃げ込まれないように強引に巻き取る。

ウキ釣りは流れを利用する

藻場の攻略にはウキ釣りが適している。仕掛けを潮の上流に投入して、藻際を流れる潮流に乗せるだけだ。潮流がメバルの多そうなポイントに流れて行かないときは投入場所を替えるか、ラン&ガンで釣場を替えるしかない。

常に茂っている海藻もあるが、多くの藻は秋に芽生え、翌年の春に枯れて流れ藻になる。そのためもっとも繁茂する冬場は釣りづらく、春から秋までが釣りやすい。

軽くても遠投できるフロートリグ

藻が群生している沖に遠投するためにはジグヘッドやシンカーを重くする必要がある。しかし、重くすれば沈むスピードもリーリングするスピードも速くなってヒット率が下がってしまう。夕マズメを過ぎて海中が暗くなると、いくら眼のいいメバルでも素早く移動するルアーを捕捉するのは困難になるからだ。ヒットに結び付けるためには軽いルアーをごくゆっくりと動かす必要がある。遠投できてゆっくり動かすことはできないか? その問題を解決するのが、仕掛けの上部にセットしたウキの重さでワームを飛ばすフロートリグである。着水したら藻場の上まで引いてきて、スリットや穴の上で止めるとそこでワームはゆっくりと沈んでくれる。

エリア別攻略法 : 中層
< ルアー編 >

根掛りの心配はないがタナを探るのが難しい
メバルもロックフィッシュの仲間だけど海底付近にいるのは昼間だけだ。しかも群れを作って居眠りしていることが多いので、あまり数は出ない。昼間でもよく釣れるのは日光の届かない深場の船釣りの話である。沿岸のメバルは夕マズメを迎える頃から活性が上がって中~表層でエサを追うようになる。クロソイも夜は浮きやすいので中層で勝負する。

リーリングスピードの問題

タナをキープしながらワームをリトリーブする以上、ある程度以上のスピードになるのは避けられない。しかし、明るい場所なら早く動かしても追ってこれるが、暗い場所で高速移動させたのでは追えないことがある。メバルの動体視力を考慮して、暗い場所ではできるだけゆっくりとリーリングしないとヒットに結び付けるのは難しい。街灯が多くて明るい港湾なら日中と同じ感覚でいい。夜間とはいえ、メバルにワームは十分見えているのでいつも通りに釣ればヒットする。ところが街灯がなくて月明かり以下の明るさになると、非発光のワームではさすがのメバルもバイトできなくなる。ここで点発光の ケミホタル が威力を発揮する。ルミコイエローに入っている黒チューブ を使って下半分を覆うと、釣人に見やすく、メバルには点発光の理想的な明かりが手に入る。

魚が浮きやすいポイントがある

夜はメバルやソイが浮くとはいえ、どんな場所でも浮いてくるわけではない。周囲が暗くて心細いのだから、何かしらの心の拠りどころが必要である。それが漁船の係留ロープであり、岸壁なのである。街灯の明かりによって視界に入るものがあれば彼らは安心する。もちろん小魚を追うのに夢中になっているときは何もない場所でもヒットするが、確率としてはわざわざ狙うほど高くない。係留された船の周りには、複雑に張り巡らされたロープがある。バチや小魚、カニなどのエサも多いし、コーナーがあってベイトの逃げ場を塞ぐこともできる。ハシケなど身を隠せるコンストラクションもあるが、それらは同時に釣人にとって障害物でもあり、キャストのコントロールには精度が求められる。ヒットしたらどこでどう抜き上げるか、そこまで考えて竿を出さなければならない。

グロー系ワームの使い方

暗い海中を移動するワームを喰わせるにはいくつかのコツがある。たしかに、グローワームを使えば真っ暗な海中でもよく見えるのでヒットしそうに思える。が、ただ明るく目立てばヒットするほど単純ではない。街灯のある場所なら、周囲の明るさとグローワームの明るさに差が出ないのでヒットは増えるが、真っ暗な場所だと目立ちすぎて逆に警戒されてしまうことがある。暗い場所にいるメバルの眼は暗順応して高感度モードになっている。そこに蓄光したばかりで激しく光るワームが来たのでは目立ちすぎてしまう。蓄光させるなら、ワームの頭部だけにするか、光量が落ちるまで待って使う。竿の真下を超スローで引けるなら、むしろ蓄光させない方がよく釣れることもある。

● 外灯がいくつもある明るい港湾
光の中を釣る場合は、日中と同じように考える。暗いとはいえ、メバルにワームはよく見えているのでどちらの発光方法でも釣果を上げることができる。
● 外灯が少ないか、明るい月夜
暗い海中を非発光のワームが素早く動いたのではさすがの視力王メバルも追うことができない。警戒されない程度に光らせるとヒットにつながる。
● 外灯のない防波堤や地磯など
メバルの眼は暗い場所に順応している。蓄光したばかりのワームでは見切られてしまうし光がなければ見つけて貰えない。点発光が威力を発揮する。

エリア別攻略法 : 中層
< エサ釣り編 >

ウキ釣りにとって中層は得意なレンジ。浅めを攻めるのがキモ。
メバルは昼間、水深のある場所に潜んでいて、陽が落ちる頃になるとエサを求めて中層から表層を活発に泳ぎまわる。この時合いと潮の満ち込みが重なるとヒザ下くらいの水深でもガンガン喰ってくるのだが、残念なことに時合いはほんの数分から30分程度しか続かない。この短い実釣時間内に、いかに手返しよく釣るかが成否を分ける。

どこにいるかは自分で探す

潮通しがいい岩礁帯で、近くに昼間身を隠せるだけの水深がある場所の、浅いタナを狙って竿を出してみる。一匹でも釣れたらその場所の特徴を分析して、海底の状況や潮の流れが同じような場所を探り釣りする。日中、藻場や沈み石がある居着き場を確認しておき、夜になったら群れを散らさないように、手前側の表層から順に釣っていく。たくさんのポイントを廻って、いろいろな潮や風向きに応じた場所を覚えることが釣果を上げる秘訣だ。ポイントが少ない場合でも30分間休ませれば回復するので大丈夫。

ルアーより沖を釣れるのがメリット

メバルの活性が高くて浅場まで来ているときは別として、一般的にメバルはあまり回遊することはなく、一ヶ所に留まってエサが来るのを待ち構えている。そのため、仕掛けを投入してウキが一定の場所から動かない場合、もしそこにメバルがいなければ釣ることはできない。だから、点ではなく線で釣ること。それもただ仕掛けを流すだけではなく、タナを変えたり誘いを入れたりと工夫することが大切だ。放っておいて釣れる釣りではないので、ウキ釣りというよりもむしろ曳釣りの感覚で釣ったほうがいい。

よく「ここには小さいメバルしかいない」と言う声を聞くが、それは小さいアタリに合わせていないからだ。ブルブルっとした明快なアタリはほとんどの場合、小型から中型のメバルである。大型のアタリは大きくないので、今まで見逃しがちだった小さなアタリに合わせることでチャンスを増やせる。
メバルは、前アタリが10回あればそのうち3回は本アタリを出さずに逃げていく。つまり本アタリだけに合わせたのでは7割しか獲ることができない。前アタリはいつ出るか予想できないが、瞬間的に合わせることができればさらに20~30%釣果が増えることになる。

CHAP-ON - よく飛び、よく見える!