05 エリア別攻略法 その4

エリア別攻略法 : ワーミング

手返しのいいノベ竿を使ってポンポン釣り上げる楽しさを追求したのがワーミングである。ワームはメバル鈎にチョン掛けするだけ。メバルがワームをそっと口に含んだときの、かすかなアタリに全神経を集中し、反射的な即アワセを入れる。慣れるまではアタリを取るのに苦労するが、いったん体が反応するようになれば、ほかのどんな釣法よりも簡単確実に数を稼ぐことができる。
暗い海中でワームを認識させ、ヒットまで持ち込むにはデッドスローでのリトリーブが欠かせない。そして、10cm/1秒のスピードで仕掛けを引くことができるのはノベ竿以外にありえない。デッドスローとはいえ常に引いているので、向こう合わせでもある程度は釣ることが可能だ。メバルの群れは小さな群れが集まって構成されているため、ヒットが連続してもあまり長くは続かない。一ヶ所の釣場に固執しないで、外灯の下だけでなく、ゴロタ場や渚、地磯まで視野に入れて竿を出すといい。

竿は渓流竿の硬調6m、またはメバル竿。状況に応じて7~8mのアユ竿を使用する。仕掛けの全長は竿の長さよりも短くする。釣り上げた魚の重さで竿が曲がったときに目の前で取れるくらいの長さが丁度いい。ケミホタル は狙った場所をピンポイントで攻略するための必需品だ。付属している透明チューブを二つに切って取り付けるが、明かりのない場所では黒チューブで下半分を隠すのが上級テクニックである。
良型メバルが、その場で居喰いするようにワームを引いたとき、抵抗を感じたら一瞬で放してしまう。しかし中通しオモリなら違和感なくラインが出ていくため、ワームをくわえている時間をコンマ何秒か長くできる。この0.数秒の余裕が釣果に直結する。

秘伝:マジックマジック

フィッシュイーターであるメバルは獲物の急所である頭部を認識している。最初の一撃で大きなダメージを与えるために、小魚の頭部を目がけて襲いかかるのだ。たぶんその方が逆ウロコにならず呑み込みやすいという理由もあるだろう。長いワームのときは当然として、短めのワームでも、テール側に噛みつかれるとバラシが増えてしまう。対応策として、ワームの頭部にマジックを塗ってみて欲しい。たったこれだけのことで、鈎のある頭部に喰いついてくれる。インクの臭いの影響はないし、手軽に確実に、釣果が増える。

ワームの素材によってはマジックが染みこんで自然な感じになる。(染みこまない素材もある)

瞬間鈎外しのテクニック

ラインを持ってメバルをブラ下げると口を開ける。このとき鈎が刺さっている向きを確認しておく。魚をつかむと口を閉じるので下アゴを押して口を開かせ、人差し指の腹をラインにあててガイドにしながら、爪が鈎側にくる方向で口の中に滑らせる。爪先が鈎のフトコロに入ったら少し押し込むと簡単に外れる。

ケミホタル - 夜釣りはこれがないと始まらない! 2本入り個別包装パッケージで新登場!

エリア別攻略法 : ブッコミ釣り

ポイントに仕掛けを放り込んでおくだけで大物がヒット
海中の地形を読んで魚がいそうなポイントにキャストするだけで、ロックフィッシュはもちろん、クロダイやマダイ、スズキ、アナゴ、ウナギまで釣れてしまうのがブッコミ釣りだ。人為的な誘いがなくて魚が安心するのか、難しいテクがなくてもよく釣れる。ただし夜釣りではエサが見えにくいので、新鮮で強いニオイが出るか、元気よく動いてくれるエサを使うのが条件だ。

仕掛けを完全に着底させるブッコミ釣りは引いて誘うと根掛りしやすいので、オモリが着底したら動かさずにアタリを待つ。巻き取るときは、竿を大きく煽って仕掛けを浮かし、そのまま一気にリーリングする。それでもロストは避けられないので仕掛けのスペアはたっぷりと用意したい。

お勧めは捨てオモリ仕掛け

根掛りが多い場所では、オモリだけを犠牲にする「捨てオモリ仕掛け」を試してみる。根掛りの原因の多くはオモリだから、オモリを結び付けるラインを細くしておき、もし根掛りしたら切り捨てる作戦だ。鉛製のオモリだと環境汚染の危険があるので、手に入るなら古いボルトやナット、修理工場から貰ってきた点火プラグなどを使うといい。一番いいのは事前に、手ごろな重さの小石を拾ってきて、タコ糸を巻きつけてラインを結ぶための輪を作っておく方法である。タコ糸が緩みやすいときは接着剤で固定すればいい。これをいくつも持って行けば環境への負荷はゼロに近い。

お役に立ちます。ぎょぎょライト

仕掛けをキャストしたら、着水する直前にリールをサミングしてバックラッシュを防ぐと同時に、仕掛け全体が真っ直ぐになるように調整しておく。これはオモリが先に沈んでいくときにハリスに絡まないようにするためだ。置き竿の釣りは待っている時間が長いので、仕掛けが絡めばせっかくの時合いを逃してしまう。
アタリ待ちのときも、道糸を軽く張って竿先が少し曲がった状態にしておく。魚はエサを見つけても一気に呑み込むことは少なくて、最初は少しつついて様子をみる。ラインが張っていればこの動きは竿先まで伝わって ぎょぎょライト の上下動となって表れる。竿から離れた場所でビールを飲んでいても、アタリは手に取るように分かるから、ぎょぎょライト が動いたら、竿を取りに行って大きくアワセを入れる。ブッコミ釣りは置き竿をして待つ釣りだから、一人で2~4本の竿の面倒を見ることが可能だ。竿ごとに ぎょぎょライト の発光色を変えておけば、どこに投げ込んだ仕掛けなのか、アタリが出た瞬間に把握することができ、根掛り回避の方向に巻き取ることが可能になる。
 大物がヒットしてから慌てないように、取り込み場所は釣り始める前に決めておくことが大事だ。釣り座の高さに応じた長さのタモを持って行き、現場に着いたら一番最初に組み立てておけば、何かが風に飛ばされて海に落ちても回収することができる。

投げ釣りとブッコミ釣りとチョイ投げってどう違うの?

違いがよく分からないこの三釣法。原則として、投げ釣りは細い道糸とテーパーライン、硬い竿を使って仕掛けを遠くへ飛ばす。チョイ投げは軟らかい竿と細い道糸、小さいオモリで軽く投げる。ブッコミ釣りはある程度太い道糸とある程度重たいオモリを使い、軟らかめの竿で足元〜中間距離を釣るもの。

エリア別攻略法 : 遠投釣り

竿抜けポイントが多いから近郊でも大物が釣れる
近場でアクセスのいい港湾にはたくさんの釣り人が訪れ、魚にプレシャーを与え続ける。アジのように回遊性の魚なら、まだスレていない新しい魚が補充されるが、根付きのロックフィッシュは釣られれば数が減ってしまう。そこで、仕掛けの届く場所はあきらめて、まだ魚の残っている沖を狙うのが遠投釣りだ。ウキを潮に乗せても沖目を釣ることはできるが、潮が流れる一方向だけしか攻めることができない。ところが遠投すれば沖のポイントを直接狙うことができる。専用の竿とリールを使えば100m程度は飛ばすことが可能だ。

明るい時間帯に沈み瀬の位置を覚えておいて夜釣りで攻めるというのがパターンだ。

波が急に膨れるところは下に沈み瀬がある証拠。この周囲はポイントになる。

キモはラインのチョイス

飛距離は道具に頼る部分が大きい。投用の竿は使用するオモリの重量でクラス分けされている。リールはスプールの直径が大きいほど、一巻きの長さが長くなって、同じ長さの糸を排出しても出て行くラインの巻き数が少ないから遠投効率が高くなる。小さい直径で巻くよりも大きな直径で巻いたほうが、真っ直ぐに伸ばすための労力は小さくなる理屈だ。ただし、スプールが大きくなるほどリール自体も重くなって取り回しには腕力が必要になる。投げ用のPEラインは、引っ張り強度が高くて伸びも少ないためにアタリがよく出る。25mごとに色が染め分けられているからポイントまでの距離も分かりやすい。

ようこそゲストさん

技術と体力を使って竿をビューンと振り抜いたら、オモリがリールからラインを引き出しながら飛んで行く。だからラインは細くて軽くてコシがない方が適している。着水したら仕掛けを一直線に伸ばして、あとは置き竿で静かにアタリを待つだけだ。仕掛けを海底にベタ置きするので、対象魚はロックフィッシュのほかに、キスやカレイ、甘ダイやアナゴなど底性の魚が中心になる。投げ釣りはその性格上あまりピンポイントを狙うことができない。沖の沈み瀬を狙ったとしても、誤差で砂地に落ちることは避けられず、どんな魚が釣れるかは分からない。だからビギナーがベテランより高級魚を釣ることも珍しくなくて、この下剋上感も魅力のひとつである。

アイナメは岩礁と砂地の際を狙う

冬の投げ釣りのターゲットはカレイとアイナメが定番。ルアーマンにとって100mもの遠投は馴染みがないが、キャスターにとってアイナメは昔から投げて釣るものだった。棲んでいるのは砂地と岩礁が入り混じった場所だ。20号以上の天秤仕掛けに、最初はオモリだけつけて遠投し、海底の様子を探る。引っかかりがある場所が岩礁のキワだから、つぎにセイゴ鈎にイワイソメのエサで思いっきり遠投したら、そのポイントまで引いてきてからアタリを待つ。なかば根掛りに近い状態である。こんな場所でキス釣りのようにサビいて誘うことはできない。不用意に動かせば根掛りするだけだ。しばらく待ってもアタリがなければ、竿を大きくアオってオモリと仕掛けを浮かせ、ポンピングの要領で手前に移動させる。アタリがあってもあわてる必要はない。向こうアワセでOKだからエサをたっぷりとつけてぎょぎょライトの光を眺めていればいい。注意が必要なのは、置竿をしていて大物に竿ごと持っていかれることだ。アイナメは海が荒れるとどこかに避難してしまう。チャンスは波が穏やかな夜の潮の替わり目である。

ちもとホタル - 世界最小の集魚ライト。2種類のアタッチメント付属!