07 覚えておきたい実用知識 ①

ボートに乗るなら覚えたい!
プロのロープワーク

まき結び < クラブヒッチ >
パイプや杭にロープを固定する方法


もやい結び < ボーラインノット >
船の係留や、救助時にロープを自分の体に縛る方法


根掛かり対策

諦めない! 仕掛けを切るのは最後の手段。
ロックフィッシュを狙う以上、根掛りは避けて通れない。ポイントを果敢に攻めれば絶対に根掛りする。捨てオモリ仕掛けにして、投入するごとに切り捨てるくらいの気持ちで臨めば精神的なダメージを軽減できるが、それでは環境へのダメージが大きくなってしまう。根掛りにはオモリが岩の間に引っかかる場合と、鈎が掛かる場合があって、圧倒的に多いのは岩に挟まることだ。真上に引ける船釣りは、斜め上にしか引っ張れない陸っぱりより格段に有利だが、いずれの場合でも、根掛り自体を少なくすれば時間のロスも環境汚染も防げるうえ、釣果は確実に増える。

鈎が掛かった場合

 トリプルならダブルにする。焼入れが甘くて伸びやすい鈎を使う。逆に、バネ性が高くて細軸の鈎を使う。または、鈎先が内側を向いたネムリ鈎を使う。ネムリ鈎はいったん呑ませてから唇にかける鈎だから掛けアワセには適さない。海藻の茎に掛かりにくいだけに魚への掛かりもあまり鋭敏ではないが、いったん掛かれば外れにくい。
 大きな重い鈎は沈みやすくて岩盤をこするので小鈎を使う。鈎は号数が小さいほど、フトコロが狭くなるので根掛りも少なくなり、小鈎に合わせてエサを小さくすれば、海中に浮きやすくなる。重くて沈むエサよりも根掛りは減る。エサから鈎先を出さないようにする。オフセットフックのように、エサが柔らかく沈むことで鈎先が出てフッキングする。いずれにせよ、根掛りしたあとはハリスの傷や鈎先の鋭さをチェックする一手間を惜しんではいけない。

オモリが引っかかった場合

ピクピクとラインを引く魚のアタリと違って、船が流れるにしたがって竿先が徐々におじぎを始めたら、それが根掛り開始の知らせである。そのままにしておくと完全に根掛りしてしまう。もちろん緩めずにグイっと引けば事態は確実に悪化する。こんなときは探るのを止めて、即座にラインを緩めてやる。オモリが岩の隙間に喰い込む前にテンションをなくせばそのまま下に落ちてくれるはずだ。ラインを緩めるときは、竿を突き出すようにアオればオモリが浮いて外れやすくなる。

① ナイロンやフロロカーボンのラインは伸びるのでシャクる動きがオモリに伝わらない。丈夫なPEラインならダイレクトに力が伝わり、グラグラした振動でオモリが外れやすい。最後の手段で無理引きするときもラインが切れないのでオモリの回収率が高くなる。
② 岩礁そのものではなく、海藻に絡みついたら、PEならではの力ワザで根ごと引き剥がしてしまう。テンビン仕掛けは海藻に絡みやすいので、仕掛け全体が真っ直ぐな胴突きに変える。
③ 先が膨らんだナス型オモリは隙間に入りやすく、クサビと同じで引けば引くほどガッチリと喰いこむ。丸型のほうが挟まりにくく、抜けやすい。ヒラメ用に50号以上の丸型中通しオモリが市販されている。根魚専用の棒型オモリやチューブ型オモリもある。
④ 軽いオモリを使えば沈降スピードがゆっくりになって岩へのアタリが軽くなる。軽いオモリが使える状況であれば、鉛の代わりに、そのオモリと同じ重さの太い針金の頭部を丸めて環にし、本体を真っ直ぐなまま使えば、根掛りが激減するうえ、環境への負荷も小さくできる。
⑤ ナマリは柔らかいので岩に挟まると変形して接触面積が増えてしまうが、鉄製のオモリなら硬いので喰い込まずに跳ね返される。陸っぱりの場合は、タングステンのオモリを使えば比重が高いので体積を小さくでき、小さければ隙間をすり抜ける確率が高くなる。
⑥ さらに、オモリの頭にゴム管をかぶせるとクッションの役目をして喰い込みを防げる。深場の大きなオモリの場合は、石鯛釣りの真空オモリと同じように太いゴム管をかぶせるか、自転車用のタイヤチューブを巻きつければいい。
⑦ オモリが海底に接している時間を極力短くすること。もっとも重要なコツは、着底を確認した瞬間にラインのフケを取って、決してオモリを海底で横向きに寝かせないことだ。海底でオモリが立っていればどんな形のオモリでも根掛りが少なくなる。