クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
002. 小型棒ウキのセットは、ゴム管の下から差せば絡みが少ない。 【 常冨正美 】
 どんなに細くて強いハリスを使っていても、どんなに美味しそうなエサを鈎に刺していても、どんなにバランスがとれた竿を使っていても、仕掛けが絡んでいては魚が釣れない。
それを避けるため、釣人は最大限の努力を払って、仕掛けが絡むのを防ごうとする。仕掛けを投入する際、着水寸前にブレーキをかけるのも、仕掛け絡みを防ごうとする表れである。 さらには、絡んだ仕掛けを流すのは時間のムダだから、絡んでいるのが分かればすぐ巻き取って投入し直す。

 小型棒ウキをゴム管にセットするとき、上から差すか下から差すかで絡む率が異なるとなれば、当然絡みにくいほうを選ぶべきであろう。 私が使用する小型棒ウキはグレふかせスペシャルというブランコタイプのかやウキで、このウキの自重は1号で1・1g、G2でも1・7gしかない。したがって、このウキの上には必ず飛ばしウキを併用する。 その状態で仕掛けを投げると、飛ばしウキが先頭になって飛んでゆく。このとき、グレふかせスペシャルを上から差していると、ブランコ部分で折れ曲がっている。この隙間、つまり道糸とブランコの間にハリスが挟まると、まずほどけない。

 とくに、向かい風が吹いていると、てきめんに仕掛け絡みが多発する。 これについては、ブランコ部を長くしたり短くしたりと試してみたが、結果は変わらなかった。ブランコが長いと道糸に巻きつくから、よけい絡みやすくなる。

 その点、下から差していると、ブランコが折れ曲がることはない。ハリスがこの上から乗ってもすぐほどける可能性が高い。 ただし、決して絡まないわけではない。仕掛けが着水する寸前に行うブレーキのかけ方で、絡んだり絡まなかったりするのである。そのため、下から差すときはブレーキをかけないほうがいい。

 その代わり、仕掛けが着水したら、仕掛けを真っ直ぐにするため竿一本分以上手前に引く。ハリスがウキの上に乗っていてもこれでほどけるし、ハリスを直線に近づけることで、魚の微妙な当たりも読めるようになるのだ。 当然、竿一本分以上、手前に引いてもポイントにとどまるよう、それだけ遠くに投げておく必要がある。

 なお、ハリスが絡んだときは、さっさとゴム管から引き抜いてしまう。そのほうが早くほどける。

* グレふかせスペシャルは素材にかやを使用している。この素材は軽いながら、浮力は強くない。だから感度がよく、魚が引けば簡単に沈む。しかも、浮こうとする力が弱いから、魚が途中で離してもすぐには浮いてこない。ただし、感度がよすぎるため、慣れないうちは合わせのタイミングがとりづらい。ウキがシュッと入ったからといって、そこで合わせても鈎掛かりしないケースがままある。
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