クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
003. 中通しと足付きタイプ、ハリスウキはどっちがいい? 【 宮川明 】
 二段ウキのパターンは、本来は何通りもあるのだが、最近は当たりウキを沈めてゆく釣り方が注目されている。近年、グレのタナは一日のうちでもよく変わる傾向にあり、マキエと仕掛けを同調させながら沈めるこの釣り方は、ちょうど時代にマッチしているという感がある。

 ところで、僕の場合、沈めてゆく当たりウキは二種類ある。宮川ナビと宮川カヤウキがそれで、前者は中通しタイプ。一方、宮川カヤウキはゴム管に足を差して固定する。

 水温が低くて、最初からグレのタナは深いと分かっていれば、ナビを中通しで使ってなんら問題はない。 しかし、途中で交換する可能性があるときは、カヤウキのほうが便利はいい。ワンタッチで取り替えられるし、小型棒ウキとしても使うことができる。また、全体に細身なので、グレが食い渋ったとさは抵抗なく食い込んでくれる。 反面、仕掛けが絡みやすいという欠点もある。

 その点、ナビならそのようなトラブルが起きる心配はない。ただし、交換したければラインを切らなければいけないーというのは頭が固い人。僕自身、ナビを交換する可能性があるときは、ヨージを削ってナビの中に通し、両端を出した状態で固定したものを使用する。

 上下に突き出たヨージをゴム管に差し込めば、簡単に固定できるし、交換も早い。カヤウキを使うときはその上にも余分なゴム管を通しておき、状況に応じてこのナビと交換することもある。

 ラインはナビの外側に沿わせればいい。ナビRという商品は最初から溝を切っているから、その中にラインを通すことができる。逆に、この溝がないほうがいい場合もある。ナビの外側にラインを合わせた時や魚が急に走ったときなどのショックを和らげてくれるのである。

 マキエに同調させて沈めてゆくコツは、なんといってもガン玉の調整にある。

 風や潮、海水の比重に加えて、道糸の長さまで計算する必要がある。仕掛けを遠くまで流せば当然道糸が長く出るから、それが妨害する。

 0号のナビ、またはカヤウキを使ったとき僕が設定した目安は、足元、10m沖でガン玉4〜2号、10〜15mは1号〜B、15〜20mでは、2B。 そして、20〜30mが3B、それ以上沖を狙うときは3B以上というもの。もちろん、目安だから、さまざまな条件によって微調整はしなければならない。


* 宮川ウキは軸穴の上下にSICのゴールドチタンリングを使用しているから、道糸の滑りは非常にいい。トップは特殊加工した発泡ウレタン、下部は桐材を使い、全体を42層以上ものバリヤーコートで覆っており、傷はほとんど入らない。左側はカヤウキ、右側にあるのがナビ。

* 二段ウキでは、当たリウキともう一つ、飛ばしウキが重要在役割を果たす。単に仕掛けを遠くへ飛ばすだけでなく、さまざまな要求が満たされてなくてはならない。

 風の影響を受けないよう、できるだけ水面ぎりぎりに浮かぶ、つまり浮力0号であること。 同時に、重心が低い位置にあって安定がいいこと。飛ばしウキがふらふらすると、当たリウキの動きを妨害してしまう。

 軸穴は大きめで道糸の滑りがいい。それでいて、飛ばしウキを当たリウキとして使うこともあるから、あまり穴を大きくするわけにはいかない。
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