クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
004. ウキを二つつければ、超遠投が可能になるぞ! 【 田中釣心 】
 いくら通い慣れた釣場でも、条件が変われば状況は大きく違ってくる。自分が得意としているポイントであっても、それまでと同じような釣り方をしていたのでは、全然釣れないことも珍しくない。 たとえば、12〜1月は例年、足元、中間距離で良型のクロがよく釣れる磯があったとしよう。上げ潮、下げ潮はこう流れて、沈み瀬のこちら側で食ってくることが分かっていても、その時期なら毎日同じように食うわけではない。

 問題は、釣れないときだ。 原因はいろいろ考えられる。足元、中間距離はエサ盗りが異常に湧いて、とても釣りにならないこともあるだろう。 また、手前はまったく潮が動いておらず、本流が沖を通っている場合もある。 足元、中間を丹念に探ったが、ツケエがまったくなくならなかったという可能性もある。 そうなれば、もう遠投するしかない。 とはいえ、普段から遠投釣りをしている人ならなんでもないことだが、そうでなければ非常に厄介だ。遠くへ飛ばそうとして強く竿を振れば、たいていツケエのオキアミが落ちる。 ツケエを落とさずに遠投できるかできないかは、遠投用の仕掛けを使っているかどうかに尽きる。

 また、仕掛けが飛ばない原因として、仕掛けに遠投を阻害する抵抗がある場合も多い。 道糸は、糸癖がついてないか(ついてもすぐ取れればいい)。ヨレてスプールから飛び出していたりすると、仕掛けを投入するときこれが大きな抵抗となる。 しかも、魚が取れる範囲できるだけ細いものが望ましい。道糸が太いと飛びにくいのは誰でも分かるだろう。 さらに、道糸はスプールいっぱいに巻いてなければいけない。でないと、投入したとさ道糸がスプールエッジに当たり、これがまた抵抗になる。 ウキ止めもまた、大きければ抵抗になる。細いウキ止め糸を使って、ウキ止めは可能な限り小さくする。特に、最近は中通し竿を使う人が増えているから、これが大きいと仕掛けが飛びにくいケースは多い。

 そして、ウキである。ウキは重いほど仕掛けを飛ばしやすいから、自重が8g以上の遠投に適したものを用いる。 ただし、いつもは遠投釣りなどしない人は、こんな重いウキを持ってない可能性が高い。一つや二つ持参していても、高切れで流すことも考えられる。

 仕掛けを早く沈めてもいいのなら、遠投タイプの水中ウキを供用すればいい。しかし、ゆっくり沈めたいときはそういうわけにはいかない。 そんな場合は、ウキを二つ使ってみてほしい。自重が8gのウキを二個使うと、合計で16g。これなら超遠投もでさる。 もっと飛ばしたければ、ウキを三個使用しても構わない。

 いずれにしろ、下のウキは固定し、オモリで沈めて水中ウキ状態にしてしまう。0号やマイナス負荷のウキを使えば、オモリは小さくてもいい。 さらに、上ウキをフリーにすれば、全遊動と沈め釣りをミックスした釣り方が可能になる。

 このような遠投するためのテクニックは、向かい風という悪条件にも応用できる。一つ、あるいは二つのウキを沈めて水中ウキにすれば、風のため仕掛けが潮筋から外れるのも防止できる。

* 寒グロの好機は北西の季節風につきまとわれるから、風対策は常に考えておかなければならない。一番いいのは風裏の機に上がること。 大きな磯なら、風が当たらない足場を選ぶこともできよう。また、風を背中で受ける釣座なら、釣りにあまり影響を受けずにすむ。


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