クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
006. 糸を切らずにチェンジできる仕掛けを作っておこう。 【 石田順一 】
 クロ釣りで現在主流になっている仕掛けには中通しウキを単体で使用したものと、中通しウキとハリスウキを組み合わせたものがある。トーナメントにおいても、ほとんどの選手がこの二通りの仕樹けを使っている。

 中通しウキ単体の仕掛けは、抜群に操作しやすいという特徴がある。操作面から考えると、今のところこれに勝るものはない。これこそスタンダードな磯釣り仕掛けと言えるだろう。 一方、ハリスウキは風やウネリに弱い(中通しウキ単体に比べて)が、繊細な当たりをキャッチすることができる。また、浮かせたり沈めたりと、さまざまなバリエーションが楽しめる。 それについては別の項で説明してあるので、ここでは詳細を省く。

 さて、先に述べた二通りの仕掛けは、そのときどきの状況によって、マッチするものがころころ変わる。そういったとさに、両方の仕掛けをその都度作り替えるのもいいが、トーナメントや時合が短いときなどは、仕掛けを作り替える時間を最小限にしたいものだ。 そのための最良の方法は、ハリスや道糸を切らずにワンタッチで変更可能な仕樹けを使うことである。といっても難しいものではない。中通しウキ単体の仕掛けに、ハリスウキがセットできるようゴム管を通しておくだけである。

 私の基本仕掛けは図の通りである。上から順に見ていくと、山元式ウキ止め、中通しウキ、ウキクッション、ゴム管、直結部、ハリスとなっている。 ウキクッションは、直結部を通り抜けないように穴の径が小さいものを使う。ゴム管をハリスのほうへズラしたとき(ハリスウキ装着時)、中通しウキが直結部の上で止まるようにするためである。 私はキザクラの「ウキクッション」を使っている。種類によっては、穴の径が大きくて直結部をすり抜けるものもあるが、これならその心配がない。また、ゴム管はハエウキ用の小さいものを使う。 ウキクッションにしろゴム管にしろ、中通しウキ単体使用時は余分なものであることには違いない。それ自体に意味を持たせないなら(たとえば、その部分に潮を受けさせて水中ウキの役割をさせるとか)、なるべく小さなものを使うに越したことはない。

 中通しウキ単体使用の場合は、ゴム管を仕樹けヨージ(極小)で直結部の上に止めておく。そして、仕掛けヨージを外してハリス側に移動させてハリスウキをセットすれば、あっという間に二段仕掛けに早変わりする。 なお、ウキ止めを山元式にすることで、中通しウキの中を通過させられる。そして、そのウキ止めを直結部(ウキクッションを挟む)まで下げることによって、ハリスウキを沈めてゆくときに元ウキをフリーにできる。さらに、そのままハリスウキを外せば、ワンタッチで全遊動仕掛けにも変わるのである。




* 私が仕掛けをコンパクトにまとめているのは、すでに述べた通り、余分なものは最小限の大きさにしたいという理由からである。 また、これには気分的な理由もある。仕掛けをコンパクトにまとめると見た目にスツキリするから、気分もいいものだ。自己満足と言われればそれまでだが、どうせやるなら自分の納得する仕掛けで楽しみたいものである。
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