ガン玉の重量計算は非常に複雑な上、ジンタン、カミツブシなど、同じ役割をしながら名前が違うものが市販されているため、多くの釣人が混乱している。 種類別の重量と表示の関係は別表に譲るとして、まず、なぜこのように複雑なものを使うようになったかを説明しよう。
本来、ガン玉は釣り道具として作られたものではなく、鹿用大型散弾銃の弾丸として普及した。表示のBとはbullet(弾丸)の略で、弾丸一個当たりの大きさ、つまり、殺傷能力を指している。これに釣人が割れめを入れて使い始めたのである。 そういったことから、ガン玉は釣人がオモリとして使ううえで分かりやすい重量には設定されていない。ガン玉B一個が約0・57gと理解に苦しむ重量なのも、これで分かっていただけたと思う。
さて、本遁に戻ろう。B+B=2Bなのかという問題である。表を見てもらえば一目瞭然、間違いである。これが意外な盲点で、2Bと表示されたウキにBのガン玉を段打ちしている釣人は非常に多い。本人は2Bのつもりでも、実際は3Bを上回る負荷がかかって掛かっているのだ。 もちろん、そうしたからといって魚が釣れないわけではない。ウキの与浮力によって、影響が出ないこともあるだろうし、条件がよければ釣果に恵まれるだろう。 ただ、このことを知っておくと、ガン玉をいろいろなバリエーションで打つことができる。これは浮力を調節するためだけではなく、「食わせるためのガン玉」が打てるようになるというメリットと直結している。 例として、3Bで水面ぎりぎりを漂うウキがあるとしよう。同じ状態で使いたい場合、Bの三投打ちや、2BとBの段打ちでは沈んでしまうのは、もう分かってもらえただろう。だったら3Bを一個打てばいいわけだが、この先を考えるかどうかで釣果に差が出る。 つまり、3B(約1旦の浮力に合わせて、Bとジンタン2号(G2)、または2Bとジンタンの5号というように、重量の違うガン玉やジンタンを組み合わせるようにするのだ。 これにより、その日の魚の状況に合わせてハリスの角度を変えたり、エサが沈むスピードを変えたりと攻め方の幅が広がってゆく。
ガン玉の調整には繊細さが求められるため、面倒な部分ではあるが、これは釣りの核とも言える重要な部分である。 単にオモリとしてではなく、魚にエサを食わせるための重要な小道具として認識する必要がある。それが明日の釣果につながると思ってほしい。 |
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種類 |
サイズ |
重量 |
オ
モ
リ |
3号 |
11.25 |
2号 |
7.50 |
1.5号 |
5.62 |
1号 |
3.75 |
0.8号 |
3.00 |
0.5号 |
1.87 |
0.3号 |
1.31 |
ガ
ン
玉 |
6B |
2.65 |
5B(SO) |
1.85 |
4B(SB) |
1.20 |
3B |
0.95 |
2B(BB) |
0.75 |
B |
0.57 |
ジ
ン
タ
ン |
2号 |
0.31 |
3号 |
0.25 |
4号 |
0.20 |
5号 |
0.16 |
6号 |
0.12 |
7号 |
0.09 |
8号 |
0.07 |
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