クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
009. ガン玉の調整だけで、固定から沈め釣りまで広く対応! 【 小里哲也 】
 浅いウキ下でよく釣れていたグレが、急に食わなくなることは珍しくない。それまで動いていた潮が止まったり、マキエを投入しすぎて魚が沈んでタナが深くなったりと、条件は常に変化している。それにともなって、グレの状態も変わっている。

 一番大きく変わるのがタナで、一日のうちに何度も上下している。当然、釣人はそれに対応しなければならないわけで、サシエサが残るにしても、なくなるにしても、グレが食わない以上はウキ下(サシエサの位置)を変える必要がある。 それも、最小限度の手間にとどめたい。特に、競技会ではそれが言える。 そのためには、まずガン玉を移動すること。これだけでサシエサが漂う水深を変えることができる。

 2B(0・75g)のウキを使用するとしたら、2号(0・31g)のガン玉を二個、ハリスの一番上に打っておく。すると、最初はオモリなしの仕掛けで釣ることになるから、仕掛けの張り加減でサシエサのタナはどうにでも調整できる。 それでグレが食わなくなれば、少しずつガン玉の位置を下げてゆく。最後には、釣りのすぐ上に二つともまとめてしまう。 で、次は、ウキのすぐ下に、ガン玉を追加する。これは『ウキがゆっくり沈んでゆく程度』を目安にしている。足元なら二ヒロぐらい沈んでもウキは見えるから、それまで二ヒロのウキ下をとっていたとしたら、二ヒロプラスニヒロで四ヒロのタナが探れることになる。

 海水が濁っていたり、さらに深く沈めてウキが見えなくなれば、道糸や穂先で当たりをとることになる。 いずれにしろ、ウキを沈めて釣るときは、50p沈んだら止めるか、または持ち上げて誘いをかける。これが、仕掛けを張ることにもつながる。 このように、固定ウキのままでもガン玉を移動、または追加するだけで、かなり幅広いタナが探れることになる。

 固定ウキは小さなオモリでも、なじみやすいから、ほかの仕掛けと比べると当たりは一番出やすい。遊動にして三〜四ヒロのタナを探ろうとすれば、固定よりも重いオモリが必要になるというわけだ。BBでも沈まないことはないが、風や波があると沈みにくい。あるいは、沈むのに時間がかかるから、なじんだときはポイントから外れていることもある。


* ウキ止めをセットしておけば、ウキを固定するヨージを外すだけで遊動にできる。さらに、ウキ止めを竿二〜三本の位置まで移動すれば、スルスル釣りにも変えることができる。このように、使い慣れたウキがあれば仕掛けはどのようにも変化させることができる。逆に、スルスル釣りから遊動、そして固定へ戻ることも簡単だ。
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