クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
012. 直結にもいろいろあるけど、ビギナーには三原結びが簡単。 【 三原憲作 】
 昔のようにグレの数が多く、海の中に食料が少なかった時代は、魚たちは競争してエサを追っていた。 しかし、現在のようにグレの絶対数が少なくなり、エサが満ち足りた状況下では、グレは気まぐれで頻繁にタナが変化している。 その、額繁に変化するグレのタナを探るのと同時に、マキエとサシエを合わせやすくするのが、スルスル沈めという釣法になる。

 グレのタナを探ると一口に言っても、それは時期や地形によっても変化する。浅いところでは水深1〜2mから、深場ともなると10〜20mにもおよぶ。そうした広い範囲をカバーしなければならない。そう考えたとき、サルカンという存在は邪魔物でしかない。 しかし、ハリスと道糸を直結にしておけば、中通しウキでも自由に移動させることができる。したがって、ウキ下50p〜20mまで対応することが可能になる。

 そこで問題になるのが直結の方法である。 電車結びをはじめ、いろいろな結び方を試した結果、現在はこの『三原結び』に落ち着いている。特に競技という決められた条件下では、簡単で確実な方法がなによりも優先される。  その意味からいけば、三原結びは十分及第点が取れるものと自負している。

 直結のもう一つの利点である強度についても触れておかなければならない。 ラインは長ければ長いほど伸びが期待できるのだが、道糸とハリスの間にサルカンという金属が仲介すると、ハリスの伸びはハリス部分だけで完結してしまう。 道糸にはつながらず、短いハリスの強度しか期待できない。 これが直結にしていると、道糸とハリスは一体となって、伸びがスムーズに伝わる。その結果、サルカンを使うよりはるかに強度がアップする。 したがって、ハリスが持っている強度の60%までを発揮するようにやり取りすれば、まず切られることはない。相手は予測のつかない動きをするものと決めてかかり、常に余裕を持った対応をすれば、取り込める確率は非常に高くなる。 それを、最初から、ハリスの強度の90%まで発揮させようとすれば余裕がなくなる。そうなると、ちょっとした油断や対応の遅れが原因となり、バラシにつながる。

* スルスル沈めとは、沈め釣りとスルスル釣りをミックスした釣り方と思えば分かりやすい。三原カスタムを飛ばし&当たリウキとして用い、ナビゲーターと呼ばれる小さなハリスウキを沈めてゆく。 ナビゲーターは小さいが、潮の抵抗を受けるので、流れに乗りやすい。当たりウキは完全フリーだから、仕掛けそのものがナビゲーターの動きに従う。つまり、マキエと同じ流れに乗ることになる。

詳しくは 「 クロ釣りの技 67 」 を参照のこと。




* 海況によってウキを決定する。そのため、このウキとは一日中会話をすることになるということまで考えると、簡単にウキを決めるわけにはいかなくなる。
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