クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
013. 直結も鈎結びも同じ方法で結ぶことができる。 【 宮川明 】
 鈎の結び方は何通りもある。サルカンや直結の方法も何種類となくある。状況に応じていろいろな結び方をするのもいいだろう。また、最強と信じて、鈎ならこれ、サルカンはこの方法、直結の場合はこうと決めるのも一つの行き方だと思う。

 僕の場合は、一種類の結び方しかしない。というのも、サルカンは使わないから、鈎の結び方(外掛け結び)と直結方法が同じなのである。 理由は、手返しのスピードにある。すべて同じ結び方をしていれば熟練度はよりアップし、スムーズになる。僕自身、長年この結び方をしているから、真っ暗閣でも明かりなしで、しかも早く結ぶことができる。

 グレは年々釣りづらくなっており、平均して時合は短い。潮がわずかに変化した、一時的に水温が上がったなどと、なんらかの変化があった直後に食いが立つことが多い。だが、それは、長くは続かない。一日中、ダラダラと食い続けることはほとんどありえないのだから・・・。 その、食いが立ったわずかな時間に、ツケエの付いた仕掛けが海の中にあるかどうかで、一日の釣果は大きく違ってくる。競技会なら勝敗にモロに影響してくる。 さらに、ツケエはマキエに紛れて、グレのタナを漂ってなくてはならないのだ。 その確率は、手返しが遅いより速いほうがはるかに高い。 もっとも、釣りはのんびりやりたいと考えている人は多い。日常はあくせく仕事をしているのだから、せめて休日に釣りをしているときぐらいは、のんびりしたいと言う。  その気持ちは間違ってないし、否定もしない。

 ただ、のんびり釣りをすることと、手返しを早くするのは別物だと思う。100mを十秒で走れる人が二十秒で走れば、ずいぶん余裕ができる。自信もできる。 逆に、100mを二十秒でしか走れない人が二十秒で走ろうとすれば、目いっぱいの努力が必要になる。自信も持てない。 弁当をゆっくり食べられない。誰よりも早く竿を出したいと考える。誰よりも長く釣りをしたいと思う。船が迎えにくるぎりぎりまで竿を出しているから、あと始末をする余裕もない。すべてが悪循環になる。

 僕の言う手返しの速さとは、こんなところにも影響している。 単に、鈎の結びだけにとどまっているのでは決してない。

* エサを速く刺す、マキエをコントロールよく投入する、仕掛けを正確に投入する、道糸を修正して張りを作る、当たりが出て合わせを入れる、タメる、書き取る、取り込むという一連の動作を、日頃から自分の体に覚え込ませておくことが、手返しの速さにつながる。 当然、普段の釣りでもこのことを念頭に置いており、競技会だからという釣り方はしていない。


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