クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 仕込み技編 】
019. 風が強いときは固定仕掛けでツケエの不自然な動きを避ける。 【 鵜澤政則 】
 クロ釣りの仕掛けにはいろんなバリエーションがある。好むと好まざるとにかかわらず、そのときどきの状況に合わせて様々な仕掛けを使い分けるのも技の一つである。 一昔前(いや、二昔前というべきかな)は、クロ釣りといえば、固定仕掛けが主流だった。クロが簡単にコマセに浮いてきたから、タナを探る必要がなかったのである。 それが、今やウキ止めなしでツケエを落とし込んでゆく、スルスルやイケイケといった仕掛け(釣法)が編み出され、広く普及するようになった。裏を返せば、それだけ釣りにくくなったということである。

 それはともかく、ビギナーに覚えておいてほしいのは、魚は固定仕掛けで釣れるときが一番釣りやすいということである。いわば、固定仕掛けはクロ釣りの基本。 にもかかわらず、昨今ではビギナーでもいきなり遊動仕掛けから入る……、そんな傾向が強い。クロが浮きにくくなった、タナが深くなったという時代のせいもあろうが、それでも固定仕掛けは基本的な仕掛けとしてしっかりマスターしておく必要がある。

 たとえば、風が強いとき。 結構釣り込んだ人でも苦労すのだから、ビギナーなら釣りにくいうえに釣果も上がらず、まったくのお手上げといった場も少なくない。 釣果が上がらない一番の原因は、道糸が風を受けることでツケエが狙いのタナに届かない、仕掛けが狙いのポイントに入らないという点にある。道糸が受ける風の抵抗は想像以上に大きいのである。 これに対処するには、水中ウキを使うとか重い仕掛けに切り替えるとか、あるいはサスペンド系やフロロカーボンの道糸を使うといった方法をとる。それに加えて、ウキを固定にするという手も覚えておくと便利。

 遊動仕掛けの場合は、道糸が風にあおられると、図のように仕掛け全体が上に引っ張られてしまう。つまり、タナがボケてしまうのである。そして、もう一つ、ツケエが不自然な動きをするという問題もある。 ツケエが動けば誘いになっていいじゃないかという意見があるかもしれないが、誘いとこういう不自然な動きとは別物である。コツパグロなら食うかもしれないが、それなりの学習を積んで成長した大物になるとそうはいかない。

 私の場合、強風時にウキを固定にするとさは、タナボケよりもむしろツケエを変に動かしたくないという理由で行うことが多い。 風対策をいろいろやって食わないときは、ツケエの不自然な動きを疑ってみる必要があるというわけだ。そんなときはウキを固定してみよう。


* 固定仕掛けの場合は、深くしてもウキ下竿一本が限度だから、それ以上のタナが狙えないという理由で固定仕掛けを敬遠する人がいるが、心配は無用。そんなときはそのまま沈めてゆけばいいのだ。
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