クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
026. 寒グロ必釣ムキミの作り方とその効果的な使い方。 【 山本伸二 】
 すでにご承知の釣人も多いかと思うが、ムキミとは大分でいうシバエビを自分で加工して作る自家製のツケエのことである。 もちろん私が考案したものではなく、今から六年ほど前に、大分県別府市のある釣人から教えてもらって使うようになったのが最初である。 状況によっては効果のあるツケエとして、それ以来私だけでなく多くの釣友も含めて愛用してきた。

 そのムキミの存在が大きくクローズアップされたのは、やはり1997年1月に鶴見で開催された第一回ロイヤルカップにおいてだろう。このとき私は、初戦でムキミにクロが釣れたのをきっかけに最後までムキミで通し、なんと優勝してしまった。 ムキミが勝因のすべてではないが、そのときの鶴見のクロにムキミがピッタリ合っていたのは間違いないだろう。

 ムキミの特長を挙げると、まずオキアミに比べて軟らかく、比重があり、大きく、エサ持ちがいいということが言える。 軟らかいから食い込みがよく、食い渋りに強い。比重が大きいのは、潮になじみやすく、深ダナで食わせるのに都合がいいということになるが、これは逆に浅ダナではオキアミのほうがマキエと同調させやすい。 大きいから目立つ。これは逆にエサ盗りにやられやすいという欠点もある。エサ持ちがいい。これは間違いないが、逆に早合わせでスッポ抜けということも起きやすい。遅合わせで確実に食い込ませたほうがよい。

 以上の特長を実際の釣場の条件に当てはめると、おのずからムキミの効果的な使い方は見えてくる。厳寒期でクロの食いが渋いとき、厳寒期に限らず、なんらかの原因でクロのタナが深いとき、などである。 私自身、他の状況でムキミを使ってみたが、まったく通用せず、オキアミに替えてようやくキープという経験をしている。 決して万能ではないが、使い方次第で素晴ちしい威力を発揮してくれるツケエ、それがムキミである。



第一回ロイヤルカップでその威力を発揮したムキミ。
* ムキミにするシハエピは、スーパーなどで売っているパック入りのものでよい。 ただし、シーズンによっては、とてもツケ工にならないような大きいサイズばかりということもあるので注意。手頃なサイズが出たときにまとめて買って、作っておくことをおすすめする。

 作り方は、殻をきれいに取って、味の素をベタつかない程度にまぶすだけである。 冷凍保存がきくから、いつでも好きなときに使える。作るときに、サイズごとに分けておくと便利である。


シバエビはLLサイズのオキアミか、一回り大きいくらいのもの。



頭、殻、尻尾の順に剥いておく。半解凍状態が剥きやすい。



変色防止のために味の素を全体に振りかけておく。



サイズごとに小分けしておくと、あとで使いやすい。



これが寒グロに効果抜群のムキミ。尻尾から鈎全体に通して使う。
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