クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
032. 生エサの食わせすぎに注意。集魚剤を有効に利用しよう。 【 宮川明 】
 グレ釣りにマキエは絶対に欠かせない。しかし、撒きすぎるのもよくない。特に、厳冬時、魚の活性が著しく衰えているときに、オキアミを撒きすぎると、グレはすぐ満腹状態になる。その結果、ツケエには見向きもしなくなる。 よく見かけるケースなのだが、真冬の夜明け直後、型のいいグレがスーツと浮いてきてマキエを拾う。そんな光景を目にすると、今日は釣れるぞと思い込み、マキエする手に一段と力が入るものだ。 ところが、グレがせっかく、わずかばかりの食欲を見せたのに、オキアミをドカ撒きすると、沈むオキアミを追ってグレは海底近くへ潜ってしまう。または、満腹になり自分の住みかに戻ってゆく。

 基本として覚えておいてほしいのは、エサ盗りがいないのにグレが見えたり釣れ出したりすれば、必ずマキエを減らすことである。 そのとき、マキエする回数はそのままで、一回分の量を減らすことに努める。量はそのままで回数を少なくしても、マキエの量を減らすことにはつながらないような気がする。

 次いで、集魚剤の有効利用がある。集魚剤は魚にとっていい匂いをさせるが、粉末が主体だから腹の中には溜まらない。だから、量を撒いてもグレが満腹になることはない。

 僕がよく利用するパターンは、遠投が必要な場合はグレパワーSP+グレパワーSP遠投ふかせで、遠投しなくていいときはグレパワーSP+浅ダナグレを使う。 グレパワーSPはグレ釣りには必ず使用する。これには魚粉、海藻、ムギ類、キビ、グレパワーなど二十二種類の原料がミックスされている。比重はさまざまで、浮くもの・漂うもの・沈むものが含まれており、オキアミを加えるとスロープ状に沈んでゆく。 その結果、マキエの層が広ががって、ツケエと合わせやすくなっている。 ただし、オキアミを徹さすぎたらいけないのは、あくまでも魚の活性が低い実の時期に限られる。大小さまざまな型のグレがいるときは、マキエの中心には小型しかおらず、マキエの大半は彼らが食べてしまっている。

 グレは警戒心が強い魚だから、型が大きいほどマキエから外れたところにいる。そのため簡単には満腹にならないと思う。 この事実から、少しでも型がいいグレを釣りたければ、ツケエはマキエの周辺部に合わせたほうがいいことを読み取ってほしい。マキエとツケエを合わせるのは常識だが、小型が多いとき、寒の時期と、条件によって合わせ方はいろいろあるのだ。

* いけないと分かつていつつ、ついマキ工を入れすぎて、グレがまったく食欲をなくしてしまったときはどうすればいいか? 僕は、まずハリスを落とす。ただし、その釣場で期待できるサイズのグレが、50%以上の確率で取れなければならない。
 次に、鈎を小さくする。 ウキもできるだけ小さくする。オキアミはムキミにしたり、できるだけ小さなものを選んで、鈎を隠すように刺してみたりする。つまり、できるだけオキアミ一匹の状態に近づけるのである。




グレの稚魚は養殖場の近くで育つことが多い。養殖場で一番よく使われるエサがペレット(魚粉)なので、グレパワーSPは魚粉を中心にした。同時に、稚魚は海藻もよく食べているから、これもグレパワーSPに入れた。さらに、海底に潜んでいるグレの口元まで届かせるため、押しムギや発酵ムギ、キビなどの比重の大きなものを加えている。グレパワーを混ぜたのは、オキアミの鮮度を保つニンニクの成分がたくさん入っているからだ。宮川さんはグレパワーSPを開発するに当たって、このように考えた。

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