クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
033. 釣人同士のマキエは影響し合う。他人のマキエも利用しよう! 【 常冨正美 】
 その釣場に自分一人しかいなければ問題はない。他に釣人がいても、みんな足元から沖に出る潮だったら、やはり問題はない。 前者はともかく、後者のようなケースはめったにない。潮は右か左に流れる場合が大半で、多かれ少なかれ、釣人同士でマキエが影響し合っている。 それをどう考えるかで釣果に差が出る。

 いい例が競技会で、仕掛けを流せる範囲は限定されている。境界線を越えて撒いてはならないというルールがあるから、マキエの投入点もままならない。

 図は三人で対戦している場合で、潮は左から右へ流れていたとする。 Aが仕掛けの上からマキエを被せる釣り方をしていたら、Bはどうすればいいか? まず、Aのマキエ投入点にエサ盗りが集まっていると判断する。このとき、Bは、Aが流している仕掛けのライン上にマキエをしないこと。せっかくAがマキエしてくれて、しかもエサ盗りを寄せてくれているのだから、これを利用しない手はないだろう。 Bはエサ盗り用のマキエを足元にだけ入れて、Aと同じラインを攻めればよい。ただし、エサ盗りの種類、Aが投入するマキエの量と質(比重)、流れの速度を計算して、自分のエリアまで流れたとき、Aのマキエがどのくらいの水深に沈んでいるかを予測しなければならない。 一方、Cには、AとBと同じラインを攻める(マキエをどうするかという問題がある)か、またはBがエサ盗り用に撒いたマキエを利用するという方法がある。 A・Bとはまったく関係ないところを釣っても構わないのだが、せっかく潮下の釣座に入ったのだから、A・Bのマキエが溜まるところを釣ったほうが確率は高いと思う。 では、Aはどうすればいいだろう? B・Cに自分のマキエを利用されるのが嫌だったら、BもCも届かないほど速投する。または、同じライン上でもはるかに潮上へマキエを投入する。 さらには、左手足元へ集中させるという方法も考えられる。 逆に、これがプライベートの釣行で、みんなに釣ってもらおうと思ったら、Aは率先してB・Cが釣りやすいところへマキエすればいい。  だからといって、B・Cは仕掛けを流すライン上にマキエしてはいけない。あくまでも足元に集中する。 B・Cが初級者なら、自分のマキエの半分をAのバッカンに移し、Aに撒いてもらう。 同クラスなら、途中でAと足場を代わればいい。


* 競技会では、試合中に対戦相手を観察することが非常に大切だ。どこにマキエして、仕掛けはどこに投入し、どこで当たったか、そのときのウキ下はどれくらいだったか・・・などなど、知りたい情報は山のようにある。 次のラウンドで自分が竿を出すエリアは、特に入念に知りたい。 そのためには、自分の釣りだけに集中せず、常に周囲の状況を観察する余裕が望まれる。
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