クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
037. ラインコントロールは「少しずつ」を基本に行う! 【 丹羽正 】
 フカセ釣りの特徴は、ウキを支点として狙いのポイント、タナにツケエを流し込む点にある。つまり、当たり前のことであるが、底物釣りや投げ釣りとの大きな違いは、仕掛けを流して釣るという点にある。 で、問題は、流すときに仕掛けが風、波、潮流、サラシなどの影響を受けざるを得ないということである。 特にライン(道糸)はその影響を強く受け、仕掛けを投入した時点から、ツケエの流れや落下を阻害してしまう。当然ラインを出せば出すほどその影響は顕著になる。

 少し横道にそれるけれども、たとえば右手10m沖の沈み潜周りがポイントだというとき、ビギナーの多くは、そこへ直接仕掛けを入れようとする。しかし、それではその沈み潮周りを攻めたことにはならない。 大切なのは、沈み瀬周りにツケエが差しかかった時点で、ツケエがさちんとなじんでいることなのだ。ポイントヘ仕掛けを(ツケエを)流し込むとは、そういうことなのである。 そのためには、まず沈み瀬周りへ向かう流れの中から最もふさわしい潮筋を探し、それに仕掛けを入れる必要がある。 そして、次に仕掛けが沈み瀬周りに向かってきちんと流れるようにラインをコントロールしてやらねばならない。ほったらかしにしておくと、仕掛けが前述したような阻害要因によってあらぬ方向へ流れてしまうからである。

 図を見てほしい。これは、よくある横流れの場合を単純化したもので、図Bが理想的な流し方である。 図@は張りすぎで、このまま流し続ければ仕掛けは手前に寄ってきてしまう。 図Aは、手前のラインが潮にとられている典型的なパターン。使っているラインや潮の強弱にもよるが、通常張りすぎていない限りは図Aのようになることが多い。 そこで、ラインを左手に返してやって、図Bの理想的な状態に近づけるわけだが、このとき注意したいのは、一回で処理してしまわないことである。 一回でやろうとすると、どうしても仕掛け全体を引っ張ってしまい、結果的に潮筋から仕掛けを外してしまうことになる。三、四回に分けて、それが無理なら五、六回に分けて、少しずつこまめに修正することが肝心である。

 次に、風がある場合はどうだろうか。 風向きと流れの向きによって様々なパターンがあり、そのすべてを解説するわけにはいかないので、ここでは要点だけを述べておく。 まず仕掛けを投入したら糸フケを多めに出すこと。そして、ツケエがなじみ始めた時点でラインコントロールに移り、この時点で初めて多めに出した糸フケを巻き取るようにする。 これは、仕掛けの張りについてもいえることで、仕掛けを投入してすぐさま張っている人をよく見かける。これでは、ツケエはほとんど落ちていないと思っていいだろう。

 大切なのは、言うまでもなくツケエがなじみ始めた時点で張ることなのだ。特に深ダナを釣るときは、しっかりなじんでから張らないとツケエは狙いのタナまで届かない。 また、水中ウキを使うときも同様で、水中ウキが1mくらい沈んだことを確認してからラインコントロールに移るべきである。というのは、ガン玉に比べて水中ウキは、沈むのが遅いからである(浮くのも遅い)。 いったん潮に入ってしまえば浮き上がりにくいが、入る前にラインをコントロールすると、なかなか狙いのタナまで沈んでくれず、入れるのに苦労する。
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