クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
038. ラインコントロールとツケエとマキエの合わせ方。 【 池永祐二 】
 ラインコントロールの基本は、ツケエとマキエが合っているという前提で、ツケエの潮上にウキがあり、その潮上に道糸があればいいのである。だから、沖へ出てゆく潮なら、手前にマキエを打って、ときどきウキに抵抗を与えながら流せば、ツケエ・ウキ・道糸の順で流れてゆく。

 次に風がある状況を三つのパターンで考えてみよう。 図1の状況は、風がなければ、ウキを正面から流してもよいが、風が左から吹いてくるときには、釣座を右側にとるか、ウキを流し始める地点を左にずらすかして、できるだけ道糸(ウキ〜竿先間)と風が直角にならないようにする。これだけでも風の抵抗は軽減される。 仕掛けの投入は右側から左前方に行い、道糸はウキの潮上へ2mほどフケをとって、あとは竿先まで直線に近い状態にする。 これで流し始めて、ウキの角度と流れ具合をまず確認する。潮の速さと風の強さによって変わるが、ウキのトップが潮上を向いて、流れ方が遅かったり、ウキから竿先までの道糸がどんどん膨らんでいれば、仕掛けが風に負けている証拠である。 仮にBのウキにBのガン玉を使っているとすれば、ウキや道糸にそれ以上の浮力(風の抵抗)が掛かっているので、ガン玉を追加してやる。ウキや道糸への抵抗分を水中のガン玉で相殺し、潮に乗せてやるわけである。

 流し始めは、潮上のほうへ道糸が膨らむが、少しずつ道糸を繰り出してゆけば、膨らみはなくなってしまうのが普通である。この状況では、最初のラインコントロールが命と言える。 図2の場合は、ウキを固定にしたほうがうまくゆく。アプローチの位置(釣座)を変えないとすれば、ウキの投入点は右前方で、できるだけ潮下に設定する。海面は風の影響で潮がかなり速いので、ウキの流れを頻繁にセーブしなければならない。 そして、ウキをセーブするために道糸を止めると、ウキは磯際のほうに寄ってくる。よって、ツケエがマキエと外れやすくなるので、縦長のマキエをこまめに打っておくことが大切である。

 図3は私の苦手なパターンで、ラインコントロールがやりにくい。そこで、私は流れにまかせて釣るという次第。 @へ投入して道糸を潮上に向けて修正しても、風でうまくいかない。よって、Aのウキよりも潮下の手前Bにマキエを打ち、ウキがBにきたときにはCヘマキエを打つといった具合に攻めてゆく。

 要するに、ツケエとマキエが交差する一瞬に賭けて釣るわけだ。もちろん、ウキが先行して流れるのだが、ツケエとマキエを合わせることを優先させているのである。 悪条件下では、どんなによいポイントがあっても、そこを攻めることが困難な場合がある。そんなときは、ツケエとマキエの一致ができる場所で、ラインコントロールが可能なところをポイントとして作り上げてゆくことが大切である。




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