クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 1 】
039. 穂先絡み防止もラインコントロールの一つである。 【 橋本敏昭 】
 中適し竿がブームになって数年経つ。いくつかあるデメリットを補って余りあるほど、中通し竿の最大のメリットである穂先絡みがないという事実が、これほど多くの人に受け入れられるとは思ってもみなかった。 裏を返せば、それだけ穂先絡みに悩まされていた釣人が多かったわけである。

 ここでは、今なお外ガイドロッドを愛用している読者のために、穂先絡みを防止する方法をいくつか紹介してみよう。 道糸が穂先に絡まる直接の原因は、穂先の上に道糸が乗ることにある。道糸と穂先の動きがそれに加わって、二重が二重、さらに三重と巻きつくことにより、絡みの程度はますます激しくなる。 これを防ぐ手立ては、まず腰のある道糸を使うことである。細くて軟らかいと腰がないから、道糸は絡まりやすくなる。また、古くてヨリがかかった道糸も絡まりやすい。 私自身、2号の道糸は三回使用したらすべて巻き替えるから、特にメンテナンスといえることはやってない。たまに、スプールの手入れを兼ねてぬるま湯に浸すぐらいである。

 道糸にヨリがかかったらいったん解き、反対から巻き直す人は今でもいる。だが、スプールの中心になるほどヨリは激しくなる。また、道糸自体が変形・劣化している。 そんな道糸では満足にコントロールできないし、新しい道糸に比べると糸フケははるかに多く出ていることになる。 反対から巻き直す手間に比べたら、新しい道糸を巻いたほうがずっと早いし、確実に効果が上がる。

 最近の道糸は高価だから、三回で捨ててしまうのはもったいないと感じる人がいるかもしれない。 しかし、私が日頃愛用している束レのミラクルハンドなどは、150m巻きだから、それを半分の75mだけ新しく巻き替えるだけでよい。 というのは、宮崎県北の島野滞をホームグラウンドとしている関係上、流れが緩いから道糸がそれほど長くは必要ないのである。

 穂先絡みを防ぐために、道糸の次に考えなければならないのが竿である。物干し竿や木刀のようにまったくしなりがなければ、穂先の絡みは非常に少なくなる。 つまり、釣人の意志とは別のところで穂先が振動するから絡みが発生するわけで、竿が硬いと振動は少なくなり、したがって道糸が穂先に絡む率は減ることになる。 言い換えれば、ブレが少なく、穂先の振動がすぐに止まる、全体にシャキッとした竿が望ましいのだ。

 穂先絡みが発生する原因の三番目が風になる。道糸が風上にあれば、当然風下に移動する。移動の途中に穂先があると、それに乗る。 たまたま、そのとき穂先が振動していれば、外れるか絡まるかのどちらかである。 外れてくれればラッキーだったと言えるわけで、本来は道糸が穂先の上に乗ることを避けなければならない。 そのためには、穂先を常に風下へ向けておき、仕掛けも穂先より風下に位置しておくことが望ましい。 これもラインコントロールと言えるだろう。


* 全遊動で釣ることが多い私にとって、風は大敵でる。特に横風は厄介だ。したがって、風の影響をできるだけ受けないようにするラインコントロールが欠かせない。 基本は、糸フケを最小限にとどめ、穂先を水面ぎりぎり、または水中に突っ込み、道糸が浮き上がるのを防止する。 そして、可能なら、流れに対して竿先の角度が0度になるポジションで、さらに風下を向けて竿が出せる足場を選定する。
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