クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 2 】
047. 重い仕掛けで深ダナを釣るときほど張りが必要である。 【 鵜澤政則 】
 ビギナー、ベテランを問わず、仕掛けの『張り』については結構誤解があるようで、張りすぎて失敗したというケースをよく見かける。 分かりやすい例として、潮が速いときのことを考えてみればよい。張りすぎると、仕掛けは浮いてしまうはずである。 もちろん、これには仕掛けの重さが関係する。軽い仕掛けのほうが、張れば張るほど浮きやすいのは当然のことである。

 こういう失敗は、なぜ張るのかということが分かっていないからではないだろうか。 私にとって、張りとは基本的に仕掛けの流れ方の修正にすぎず、ツケエ先行で仕掛けを流し、当たりを出しやすくするために行うものである。 もう少し突っ込んで言えば、張りで当たりを出しやすくして、ポイントの手前で行う「誘い」によって食わせるということになる。

 したがって、潮と仕掛けによっては、張りを加えずに流すことだって当然ある。とりわけ軽い仕掛けの場合は、仕掛け投入時に少し引さ戻す程度で、素直にツケエ先行で流れてくれる場合が多い。 逆に、重い仕掛けで深ダナを釣るときほど張りが必要である。ただし、どの時点で張るかという点に注意が必要である。

 別図のように、サルカンの下に大きめのガン玉を打って深ダナを釣る場合を考えてみよう。 こういう場合は、食わせを考えてハリスはできるだけフカセ状にしたいから、長めにとることが多い。その分、ツケエとオモリの間がどうしてもたるみがちになるので、そのたるみを取るためにも張りが必要である。 この例でゆくと、仕掛けを張るのは、オモリが完全にタナまで届き、なおかつツケエがオモリと平行になるくらいまで沈んでからである。 こうすることによって、ある程度ハリスのたるみが取れて、当たりが出やすくなる。あとは、誘いによってツケエの落ち込みを演出しながら流してゆく。 要するに、どんな場合でも張ればいいというものではなく、潮と仕掛けを考えて、張ったり張らなかったりケースバイケースというわけだ。

 もう一つ、どうしても張りが必要なケースを挙げておこう。それはサラシによる払い出しを攻めるときである。 払い出しは通常表層のほうが強いので、仕掛けを投入したあと、いったん張って(止めて)やる。そうしないと、ウキが先行して流れてしまう。 ビギナーの場合は、張りが足りないから食わないというケースより、むしろ張りすぎて食わないというケースのほうが多いのではないだろうか。
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