クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 2 】
058. わずかな確率でも信じてやるしかないアジゴ対策。 【 池永祐二 】
 はっきり言って、アジゴを完全にかわすことなどとうてい無理な話である。したがって、以下に述べるアジゴ対策は、こうやれば完璧というものではなく、辛抱強く繰り返している中で一、二度成功することがある、という程度にすぎないことをお断りしておきたい。 ほかのエサ盗り同様、アジゴもマキエによる分断でかわすのが基本で、それにエサ持ちのよいツケエを数種用意するという方法をとる。 まずツケエから書いておくと、オキアミ生、半ボイル、ボイル、小エビのムキミ(自分で作る)の四種類を用意する。

 さて、一口にマキエで分断するといっても、方法はいろいろであるが、これまでいろんなことを試してきた(それだけアジゴに手を焼いているわけだ)中の成功例の一つに、50対1分断作戦とでも呼ぶべき方法がある。 分かりやすく言えば、アジゴにヒシャク五十杯、クロに一杯といった割合でマキエを打ち分けるのである。 これは、足元に五十杯、沖に一杯と言い換えてもよい(足元と沖が逆のパターンもある)。

 具体的にどうやるかというと、足元なら足元の任意の一点にのみマキエを入れ続け、ポイントには一切マキエを入れずに釣り続けるのだ。 その任意の一点にアジゴを寄せることができれば楽勝だが、現実には不可能。いくら足元にマキエを集中しても一投ごとにアジゴが釣れたり、一投ごとにツケエが盗られたりといった状態が続く。 ところが、続けているうちに不意にツケエが残ってくるときがある。チャンス到来! そんなときは、次の一投でクロが食ってくる確率が高いので、この一投に賭けるといった感じで仕掛けを入れ、初めてマキエを一杯かぶせるのである。 ツケエが残ったということはアジゴが食わなかったということであり、その理由として、なにか大きな魚が寄ってきた可能性が高い。クロかもしれないし、ほかの魚かもしれない。いずれにしても、次の一投が勝負になるので、初めてポイントにマキエを入れるのである。

 アジゴ用のマキエをどこに打つかは、そのときのアジゴの数、潮、磯の形状などによるが、基本的には磯際か、もしくは15〜20mくらい沖のどちらかである。 アジゴの数でいえば、比較的少ないときは磯際、多いときは沖の場合が多い。

 潮でいえば、磯際をかすめて三角地帯を作るようなときや、手前にゆっくり押してくるようなときは沖に集めることが多い。 逆に、湾内の釣場など手前から沖に向かってだらだらと深くなっているようなところでは、手前は攻めにくいので磯際に集めて、沖を攻めるというパターンになる。 なお、この50対1分断作戦は、朝からずっと続けるというわけにはいかない。それだとマキエがいくらあっても足りないので、言葉で表現するのは難しいけれど、朝夕マズメやいい潮がきたと感じたときなどに、一時聞くらい集中して行う方法である。

 もう一つの成功例として、時間差攻撃がある。 この場合は、本命ポイントを手前に設定し、アジゴが寄ってきても構わないからそこにマキエを入れる(図@)。 で、アジゴがそのマキエを食い終わる頃を見計らって全然違うところにマキエを打ち(図A)、すかさず本命ポイントに仕掛けを投入し(図B)、再度アジゴのところにマキエを打つ(図C)というパターン。

 何回も繰り返す中で一、二回成功するかしないかくらいの確率にすぎないが、この方法でもクロを拾ったことがある。 この場合の集魚剤としては、スーパー斉田グレがよく、中でもカキガラが有効な働きをしてくれる。 というのは、アジゴは食えるものだけ食って、カキガラのような食えないものは食い残してしまうからである。 つまり、最初のマキエがアジゴに食われてカキガラだけになった頃、別のところにマキエを打ち、仕掛けは元のカキガラの中にストンと落とすわけだ。特にアジゴの下にクロが見ている場合に効果的である。

 仕掛けはストンと落とすことが大切で、鈎上50pくらいのところにガン玉Bを三〜五個まとめ打ちにする。 これを一気に落としてから引っ張り上げ、次に竿先でゆっくり落とし込んでゆくのである。したがって、竿が届く範囲でしかやれないが、クロが見えるのも大体その範囲なので問題ない。
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