クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 2 】
060. イサキはウキ下浅め、イズスミは重い仕掛けでかわす。 【 池永祐二 】
 クロを狙っていると、いろんな魚が鈎掛かりする。そのうちの多くはエサ盗りといわれる小魚たちであるが、ときにはエサ盗りより一回り、二回り大きな魚がクロより先にエサを食って、釣人を困らせることがある。 いわゆる外道といわれる魚たちであるが、外道とエサ盗りとの線引きは、単に魚体の大きさのみで割り切れるものではないから難しい。 たとえば、ウマズラ。ときには40cm超級も鈎掛かりし、食べても結構美味しいから、本来なら外道というべきかもしれない魚だが、40cm超級も15cm超級も巧みにエサを盗るから、多くのクロ釣師の感覚としてはエサ盗りである。それは、エサ盗り対策の項でよくその名が挙がることからもうなずけるだろう。

 では、イサキとイズスミはどうか。 イサキの場合、手の平以下はエサ盗りあつかいされるが、それなりの型になると、嬉しい外道として大方の釣人が喜んで持って帰る。 とはいえ、狙いのクロが1匹も釣れず、イサキばかりだと喜んでばかりもいられない。ときには、隣はクロが食っているのに、自分にはイサキばかりということもある。 そんなときは、総じてウキ下が深すぎると覚えておくとよい。クロが釣りたいのならば、まずウキ下を浅くすることである。ちなみにサンノジが釣れるときも、同様にウキ下が探すぎる傾向がある。

 次にイズスミだが、こちらはイサキと違って、少々型が大きくても九州では歓迎されない。 それどころか、数が多いとエサ盗りとして毛嫌いされる。こいつが鈎掛かりすると、なんといってもハリスがすぐに傷むから始末が悪いのである。 イズスミをかわすには、重めのオモリを打って、ツケエをさっと速く落とすことである。完全フカセでゆっくり落とそうなどと考えると、一発でやられてしまう。

 基本的にイズスミやタカベ、コッパオナガなビ高水温時に多いエサ盗りをかわしてクチブトを狙うときは、仕掛けが立っても構わないから、重めのオモリを使うほうがいい結果が出るようだ。 オモリの目安は、数が多いときは0.5号、比較的少ないときはB、2Bぐらいのガン玉で対処できる。 オモリを打つ位置は、そのときどきの状況次第。いろいろ試してみる必要がある。結構効果的だったのは、ウキ下二ヒロで、鈎から50〜80cmの位置にオモリを打つという方法。つまり、一ヒロちょいをスーッと落とし込んでやるわけだ。ただし、これ以上鈎に近づけると、クロの食いが悪くなる。

 イズスミで厄介なのは、手の平〜足の裏級が異常発生し、あたり一面イズスミだらけになったときである。 こういうときは非常手段として、一投につき二十杯ぐらいのマキエを足元、および沖めのポイントにバンパン打ってイズスミを上層に集めてしまい、前述した重めの仕掛けをポイントのど真ん中にさっと落とし込んでやるしかない。 ただし、これは短時間でクロを1匹、2匹手にしようという作戦だから、一回やると、そのあとの四、五投は足元に大量のマキエを入れ、沖にはマキエを一切入れず、仕掛けだけを沖に入れてツケエの残り具合をチェックする必要がある。 それでツケエが残れば再度同じ方法を試みるが、ツケエを盗られるようだと、さらに様子を見ることになる。 なお、ツケエは、オキアミ生よりボイルのほうが多少なりともエサ持ちがよい。


手の平〜足の裏級のイズスミが異常発生すると厄介!

* イズスミはついばむような食い方をするのだろうか、鈎にオキアミの尻尾だけが残るようなときは、案外イススミがエサを盗っていることが多い。そんなことも覚えておこう。
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