クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 2 】
061. 介なキタマクラを中間距離に集めてかわす方法! 【 池永祐二 】
 夏場のキクマクラは怖くはない。仕掛けを30mくらい遠投することでかわせる。だが、冬場はどうしても遠投ではクロが当たる確率が低い。活性が低いと、クロは沖に出てゆかないのだ。したがって、攻めるエリアは磯際から20m以内がメイン。これは、寒グロ釣りの前提である。 ただし、冬場でもある程度活性が高いときは遠投もいけるし、本流を流すのも一つの手ではある(1月の中旬頃までは十分本流でクロが当たる)が、キタマクラの数が多いと本流の中にも入ってくる。 そこで、私がよくやるのは、図のように10〜15m沖の中間距離にキタマクラを集めて、それより手前を中心に攻めるという方法である。

 なぜ磯際に集めないかというと、磯際に集めると中間距離にも広がってしまうからである。10〜15m沖の中間距離なら手前に入ってくることが少ない。カワハギの場合はこの逆で、沖にはあまり出てゆかないので磯際に集めるほうがよい。 集め方は一点集中というよりも、むしろ5〜6mの幅で広めにマキエを打って集めたほうがよい。そして、このキタマクラを集めたエリアにもときおり仕掛けを入れる。 理由は、食い気のあるクロがキタマクラより速くツケエを食ってくれることがあるからだ。割合としては手前七割、中間距離三割くらいだろうか。

では、攻め方の具体例を挙げておこう。

@ まずマキエを10〜15m沖(図でいえばAのエリア)に五杯ほど打って、それからツケエを鈎に刺す。
A マキエを自分が流したい筋(Bのエリアの任意の地点)に一、二杯打つ。
B 五秒から十秒くらい待ってマキエを打った筋のやや沖に仕掛けを投入し、その筋に仕掛けを引き戻してツケエのなじみをマキエに合わせる。
C 十秒くらい待ってウキの頭にマキエを一杯散らして追い打ちする。

この@〜Cを十回繰り返すとすれば、その内の三回は仕掛けの投入点が図Aのキタマクラを集めてエリアになるわけだ。

 キタマクラの数が多ければ多いほど、図Aのやや沖も潮下もキタマクラだらけになっており、図Bのエリアにも入ってくる。また、上層から下層までいると面ってもらって差し支えない。 ツケエは、オキアミ、ムキミ、サシアミの三種類を用意し、いずれも小サイズを使う。 小サイズというのは、マキエのオキアミより小さいという意味で、なるべく目立たないほうがいいと考えている。 目立たないという意味では、サシアミがなかなか効果的である。事前にキタマクラが多いと分かっていいるときは、ムキミはなくても、サシアミはできる限り用意したほうがよい。

 ツケエの大きさと鈎との関連でいうと、基本的に小鈎に大きなエサを刺すと鈎を盗られ(つまり、ハリスを噛み切られる)、大鈎に小さいエサを刺すとハリスに傷つく程度で済むことが多いようだ。 小鈎に大きなエサの場合、なぜ鈎まで盗られるかというと、1尾ではなく、2〜3尾で食いにきているからではないかと推測している。

 同じく目立たせないという意味で、ツケエは完全フカセでマキエと一緒に落とすのが基本である。ハリスにガン玉を打つと、その部分から噛み切られることがある。


* サシアミの装飾法は、オキアミと同じで一匹を通し刺しにする。 ただし、通常使っている競技ヴイトム6号を5号に落とす。そうすれば、きれいに装餌することができる。 なお、競技ヴイトムはスレ鈎である。それが使いにくいという人は、同じオキアミカラーである競技グレや競技くわせを使えばよい。
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