クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 2 】
066. 見えるのに食わないクロは、ハリスウキで攻めろ! 【 池永祐二 】
 底のほうにちらちらとクロが見える。それも型がいい。マキエは追っているのだが、ツケエは食わない。ウキ下を変えるのはもとより、ウキを感度アップしても、ハリスを細くしても、鈎を小さくしても、完全フカセでじっくり落とし込んでも、丸っきり食わない。 そんな歯ぎしりしたくなるような状況に遭遇したことはないだろうか。

 私のホームグラウンド大分・深島では、例年2月下旬から3月頃にかけてよくそんな状況に遭遇する。 潮の緩いところ(時期的にそういうところを狙う)でマキエを打つと、水面下二ヒロくらいのところに何百という数のクロが出てくるのだ。 小型ならさほど気にならないかもしれないが、30p超級を主体に40pを超える大型も混じっているから、指をくわえて見ているわけにはいかない。

 そこで、前述したような手をいろいろ打ったのだが、食わない。ほかにも十分間ごとにハリスを新しいものに替えたり、鈎を嫌がっているいるのではないかと思ってツケエで完全に隠してみたり、マキエの中のオキアミを装餌したりしたけれど、やっぱり食わない。 いろいろやって、最後にたどり着いたのが、ツケエの落ちるスピードが問題ではないかということだった。

 すなわち、マキエは食っているのだから、それと同じスピードでツケエをごくゆっくり落とせばいいのではないか―と。 そこから思いついたのが、ハリスに小さな発泡ウキをとりつけること、いわゆるハリスウキであった。

 最初に試したのはゴクラクという磯で、たまたま条件がよかったのかもしれないが、二ケタをクリア。以後、二、三時間でよくて2〜3匹しかキープできなかったのが、コンスタントに6〜7匹は確実に釣れるようになったのである。 ハリスウキは、現在では食い渋るクロに威力を発揮する仕掛けとして結構知られるようになったが、その最大の利点は、やはりツケエの落ちるスピードをセーブできる点にある、と考えている。 したがって、ハリスウキは、自分が使う鈎とツケエの重量を考えて、マキエと同じくらいのスピードで落ちるくらいの、浮力の小さなウキを選ばねばならない。

 当初、私は五個人り百二十円くらいの発泡流線ウキに切れ込みを入れ、ズレないように輪ゴムで止めていたが、現在はフライフィッシング用の目印として売られているインジケーターという商品を使っている。 インジケーターのメリットは形を好きなように変えられること、仕掛けをセットし直す必要がないことなどが挙げられる。 装着する位置は、いろいろ試した結果、釣上50pの位置がベスト。かなりツケエに近い位置なので、食いの渋いクロにかえって警戒心を与えないかと心配する向きもあろうが、蛍光色の発泡流線でもインジケーターでも問題はなかった。 一つ言えるのは、この位置だとツケエまでの間がピンと張ってくれる。だから、食いがいいのではないかと考えている。




これがインジケーター。指先で適量つまみとって丸め、ハリスにはさみつけるだけでOK。仕掛けをセットし直す必要がない点がいい。欠点は外れやすいこと。
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