クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
067. 沈むマキエを追いかけて、グレのタナを探すスルスル沈め。 【 三原憲作 】
 ウキが風や波の影響を受けないから、流れに乗りやすい。というのが、沈め釣りのメリットの一つに挙げられる。 それをもっと推し進めていけば、緩い流れにも敏感に対応できて、海中を漂うマキエのオキアミとまったく同じ流れ方、同じ沈み方ができるようになるのではないか・・・。

 遊固(ゆうこ)ハリスうきはこのような経緯で登場した。それを最大限活用する釣り方として、スルスル沈めが生まれた。ウキを沈めてゆくスルスル釣りだから、スルスル沈め。われながら単純明快なネーミングだと思っている。

 また、頻繁にタナを変える今のグレを相手にするには、この、常にタナを探る釣り方が非常に適している。サラシや速い流れの中では難しいが、それ以外の条件では大体望んだだけの効果は出ている。 ただし、遊固ハリスうきをオキアミと同じスピードで沈ませるには、相当シビアなガン玉調整が必要になる。したがって、当日使用する鈎やハリス、ツケエのオキアミによって微妙に異なるから、釣りを始める前は毎回調整しなければならないのである。 これをきちんとやっておくと、遊固ハリスうきの動きでツケエの有無も判断できる。

 このウキは、海水の透明度によるが、平均して水深一ヒロ半まで見える。したがって、鈎と遊固ハリスうきの間隔を二ヒロ半にしておくと、ツケエが四ヒロの水深に達するまで、遊固ハリスうきは視認できる。 それ以上沈めば、遊固ハリスうきが水面に来るまで仕掛けを引き上げる。そして、再び沈める。このとき、遊固ハリスうきが沈まなければ、ツケエはなくなっている可能性が高い。 タナを広く探るだけなら、遊動にしたほうが面倒はない。だが、固定と遊動を比べたら、文句なしに固定のほうが釣りやすい。仕掛けがなじみやすいし、当たりがダイレクトに出る。

 欠点は、竿一本以上の深ダナを流せないのと、仕掛けの張り加減でしかタナを探れないところにある。 だが、このスルスル沈めなら、固定ウキのままで浅ダナから深ダナまで探れる。遊固ハリスうきは固定されているが、魚が掛かればゴム管から抜けて遊動の状能になるから、竿一本以上のウキ下をとっていても、取り込みに問題は生じない。

* スルスル沈めのメリットの一つで忘れてはならないのが、食い込みがいいことである。グレが食い込んだときの抵抗は、遊固ハリスうきとガン玉の分しかない。三原カスタムは環付きで、しかも完全フリーだから、魚が真下へ速く潜らない限りは抵抗はかからない。 三原カスタムか道糸に反応が出たときは、すでに鈎が口中深く入っているから、ほとんど空合わせはない。


最初は固定の状態で使っていて、魚が掛かれば一瞬にして遊動になり、下へ落ちる。そこで「遊」「固」ハリスうきとネーミングされた。



三原カスタムはスルスル沈め用なので環付き。主に飛ばしウキの役目を果たす。遠投時や深ダナを直撃するときは、これが当たりウキになる。

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