クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
068. 深ダナも狙える二段ウキの沈め釣り。 【 田中釣心 】
 二段ウキというと、「飛ばしウキ+小型棒ウキ」と連想する人が多いと思う。 しかし、私がいう二段ウキとは、先ウキを水面下に沈ませ、なじんだ状態がちょうど階段状の形になるものである。具体的には図のようなものだ。 逆に、ウキを二つとも浮かせて使う場合、私は二連ウキという言葉で区別している。

 二段ウキは、もともと九州では古くから使われていた。玉ウキを二つ固定し、主に足元を狙う釣りとして釣人の間に浸透していた。 現在でこそどんぐりウキがメインになったが、元ウキから見て先ウキが45度くらいの角度で水面下に沈むという点は今も昔も変わらない。それらのウキから、さまざまな情報が読み取れるのが特徴だ。

この仕掛けのメリットを簡単に挙げると、次の五点になる。
@ 仕掛けの向きや角度が分かる。
A 魚の食い込みがいい。
B エサの有無が分かる。
C 前当たりが分かる。
D 食い上げ当たりもとらえる。

 これだけのメリットがある二段ウキだが、現在はあまり使われていない。理由は、竿一本以内の浅ダナしか狙えないという、大きな欠点があるからである。食いが渋くなった昨今、深ダナが狙えないことは致命的だといえる。 そこで考え出されたのが、二段ウキの沈め釣り。従来と違うのは、元ウキをフリーにして先ウキを沈めてゆくことである。これだけのことで、攻め方のバリエーションが一気に増えた。 現在、脚光を浴びているハリスウキと同じく、沈めて使うことによって深ダナも狙えるようになったのである。

 この釣りで使用する元ウキは、凪時なら競技フカセなど軸穴をラインが通りやすいものの0号がよい(フリーで使用)。流れが速くなれば、それに応じてサイズアップ(せいぜい3Bまで)する。軽い負荷のウキでは流れに揉まれるからである。 先ウキは、沈め瞬撃や沈めさぐりを固定にする。この二つは、名前の通り沈めて使うのを目的としている。マイナス負荷があるので、ハリスをフカせて使いたい場合にも重宝する。 沈め瞬撃はポイントが近いとき、沈めさぐり(沈め瞬撃よりも体積が大きい)は、ポイントが遠いときや流れが少ない場合に使う。 流れが緩ければ、先ウキを大きくする。そのほうが、わずかな流れでも拾ってくれるからだ。さらに、大きいものほどユラエラとゆっくり沈むので、ツケエに自然な動きを与えることもできる。 当たりは、まだ見える範囲なら先ウキで取れるが、主に見るのは元ウキのほうである。フリーにしていても、クロが食い込めばはっきり消し込んでくれる。

 この釣り方は、産卵前の食い渋るクロに特に効果がある。底近くに潜んでいるクロを、これで一気に狙い撃とう!

* 先ウキのサイズは、狙うタナによって使い分ける。その際、次に挙げることを目安にする。

● マイナスB=・タナ5〜10m (ハリスはフカセ状)
● マイナスG2…タナ4〜7m (ハリスはフカセ状)
● 0号…タナ3〜5m (ハリスはフカセ械)
● G2・・・タナ5〜lOm (ハリスにガン玉)
● B・・・タナ7〜12m (ハリスにガン玉)

なお、ハリスにガン玉を打つのは流れがあるときである。


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