クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
071. 仕掛けローテーションの第一の要はウキ下にある。 【 真崎芳弘 】
 言うまでもないことだが、最初にどんな仕掛けで釣り始めるかは、シーズンとか釣場、潮、水温、エサ盗りの動きなど、実際の状況によって違う。 さらに、仕掛けについても固定、遊動を基本に、いろいろなバリエーションがある。ウキの選択まで含めるなら、それこそパターンは無数といってよいだろう。 そんな一般的な仕掛けのローテーションについて、私が解説するわけにもいかない。そこでここでは、私自身がこの数年使っているクロ釣り仕掛けのパターンを紹介してみようと思う。

 ほとんどオールシーズンにわたり、主に長崎市近郊の磯でクロを狙って、それなりの釣果を上げてきた仕掛けである。そのローテーションの中から、一般に通用するパターンを見い出していただくことになる。 このところ私は釣行のたびに、その日の仕掛けのローテーションということを考えながら釣りをしてきた。 刻々と変わる釣場の状況に対して、当然仕掛けも変えていかなければならない。1匹釣れたからといって、それがいつまでも通用するとは限らない。

 さらに1匹、もう一回り大きな1匹というふうに、あえて自らに課題を与えて釣るように心掛けてきた。 当然、それがいつもうまくいくとは限らない。むしろ思い通りにならないことのほうが多い。 だが、それを習慣づけるようになって、初めて見えてくることがあったのも確かである。

 実際の例で説明してみよう。 ときは2月下旬。釣場は長崎市近郊の磯。表面水温15度。クロ釣りには適温といえるが、単純にそのときの水温だけで食いを判断するのは難しい。 ここ数日の水温変化から推理する必要がある。それが分からなければ、目の前の状況から作った仕掛けでスタートする。 このときは固定の二段ウキ、ウキ下三ヒロでスタートした。釣り始めて数投目で先ウキに前当たり。一瞬おいて合わせを入れるがれるが空振り。食いが渋い。 竿先で当たりを取ってみる。ウキが馴染んで間もなく当たり。今度はしっかり竿に来った。上がってきたのは30m級のクロ。同じパターンで2匹追加した。 ところが潮位がだんだん下がるにつれ、バタリと食いが止まってしまった。クロは深場に移動したのだろうか。 ガン玉を追加して先ウキをゆっくり沈ませ、深みを探る。だが、そこで食ってきたのは良型のバリ。その次もバリが食ってきた。こんな時期にバリが食うなんてと思いながら、急きょ作戦変更。 今度は思い切ってウキ下を一気に二ヒロまで浅くする。 なんとそれにクロが食ってきた。それもこの日一番の良型クロだ。

 実際にこのとき使った仕掛けは、最初から最後まで固定の二段ウキ仕掛けだ。変えたのはウキ下。そしてガン玉を追加して沈めたくらいのもの。 それをあえて仕掛けローテーションに当てはめると、固定二の段ウキ〜全遊動〜固定。狙いのタナでいうと中浅〜深〜浅ということになる。 シーズンや釣場、その他の状況が変われば、また違うパターンになることだろう。

 ここで大事なことは、仕掛けローテーションの第一の要はウキ下にあるということである。 そのことをいつも肝に命じておきたい。


* 仕掛け交換は誰でもやる作業。それを面倒くさいと思ったら、まず釣果は望めない。 もちろん無意味に仕掛けをいじりまわすのも問題がある。
 大事なことは、仕掛けの交換に時間をかけないこと。だから鈎結び、サルカン結び、直結の練習は普段からやっておくこと。 それに、からまん棒やウキゴム、∃−ジなどの仕掛け小物類もシビアに選ぷことだ。どれか一つのトラフルが、その日の釣りをすべて台なしにしてしまうことだってあるからだ。
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