クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
079. 単に速い潮に仕掛けを入れて流すのが本流釣りではない。 【 鵜澤政則 】
 単純そうに見える流れであっても、よく観察すると、潮目、潮のヨレ、潮のタルミ、潮がカーブするところ、ほかの流れとぶつかるところなどがあり、それらがポイントの目安になることは周知の通りである。

 クロは潮を釣れと言われるけれど、要するにそれは流れの中にある変化を釣れということであって、単に流れに仕掛けを乗せればいいというものではない。 逆に言えば、変化があるからこそコマセをこう打って、仕掛けをここからこう流し…、といった攻め方が決まるのである。 本流釣りも同様で、変化を釣ることがセオリーである。 ところが、本流釣りというと、単に速い流れに仕掛けを入れて、遠くまで流すだけと考えている人が意外に多い。結果として釣果が芳しくないから、本流釣りは難しいということになるのかもしれない。

 というわけで、本流を攻めるときの私なりのセオリーを述べてみよう。 前述したように、本流も潮の変化を釣るのがセオリーである。潮のヨレや緩むところ、潜るところ、カーブするところなどを手前から順番に狙ってゆく。道糸を200m巻いているからといって、いきなり遠くまで流すわけではない。 具体的にどうやるかというと、たとえば、サーッと流していって途中ウキが止まるところがあるとする。ウキが沈んでいる場合は、道糸の出方が遅くなるので分かるはずだ。 そういう変化が分かればしめたもの。その地点を覚えておいて、次の一投ではその地点の手前で道糸をほんのちょっと止めてやる。 理由は、道糸の出を止めることによってツケエが浮き上がり、ウキが止まる地点にくると落ちようとする。このツケエの落ち込みで食わせるためにほかならない。 このとき、竿先できつく誘ったりすると、ツケエが浮き上がり、仕掛けは本流から外れてしまうので要注意。潮が速いときほどほんのちょっと止めるだけでOKなのだ。

 一投で食わないならば、二投、三投と同じ地点まで流してゆき、それでもダメならもっと先まで流して、次のポイントを探ることになる。 この繰り返しで、50m地点、80m地点、100m地点、120m地点、150m地点と手前から順番に探ってゆくのである。場合によっては200m以上流すこともあるが、できるだけ手前で食わせたほうが釣りやすいのは言うまでもない。 また、目安となるポイントが分からないときや、分かっても食わないときは、仕掛けの投入点を変えることも必要である。

 仕掛けの流し方は、ウキを含めて仕掛け全体を本流の中に入れてやる感じで流してやる。へたに誘ったり張ったりするよりも潮まかせのほうがよい。 道糸が出てゆくスピードに合わせて、潮上から潮下へ竿先をゆっくり動かしてゆくのだ。そして、仕掛けがピーンと張る前に、道糸を送りつつ竿先を潮上に戻してやる。 コマセは本流1割、手前に9割で、決して本流の中にドカドカと大量に打たないことが肝心である。


* かつては本流には工サ盗りが極端に少なく、それゆえ釣りやすかったのだが、昨今の工サ盗りは本流の申にまで堂々と入ってくる。 本流を狙うのは基本的にクロの活性が高いシーズンであり、工サ盗りの活性も負けじと高いもの。それを考えると、コマセの打ち方にもっと注意を払う必要があると思う。
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