クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
080. ポイントが分からないときはローラー作戦の出番! 【 丹羽正 】
 条件がよく、狙ってみたいポイントがいくつもあるときは、迷わず最も釣りやすいところ、あるいは自分が得意とするところから釣ればよい。この場合は、そうやって順々に攻めてゆけばいいのだから、まったく問題はない。 順々に攻めていってクロが釣れないときは、もう一度元に戻って一からやり直す。

 注意しなければならないのが経時変化で、時間とともに潮をはじめとした状況も変化するから、先ほど最も釣りやすかったポイントが釣りにくいポイントになっているかもしれない。したがって、一から組み立てを考え直す。 いずれにしても、この場合は攻めるべきポイントが分かっているからまだ救われる。問題は、どこを釣ればいいのか分からないといった局面に遭遇したときである。 とりわけ初めて上がった磯で、本流、サラシ、潮目、潮のヨレ、潮と潮がぶつかるところ、といったポイントになりそうな目安さえないときは因ってしまう。たとえば、べ夕凪で潮は平凡な横流れ、サラシもなければ沈み瀬もない、当然クロの姿も見えない、といったときにどうするかである。

 こんなときは、「 クロ釣りの技 75 」 で紹介した「あっちこっち釣法」をやってみるのも一つの手だが、これはあくまでも潮が読めないビギナー向けの釣法だから、やるとしたら1匹も釣れないときの残り三時間ぐらいに限定したほうがよい。やはり、ここぞというポイントで食わせる努力をすべきである。そのほうがアトランダムに釣るよりは、数が出るのは言うまでもない。 そのためにもまずポイントを探さねばならないわけだが、私がよくやるのはローラー作戦とでも呼ぶべき方法である。 簡単に言えば、手前から沖まで流れの筋を一つ一つ潰してゆくのである。

 1m沖、2m沖、3m沖、4m沖…と、まどろっこしいようだけど、ある程度幅を決めて丁寧に流してゆく。一つの筋につき一流しではいけない。ツケエの残り具合とウキの流れ方をチェックしながら、三回、四回と同じ筋を繰り返し流してみる。 地道な作業ではあるが、ポイントが分からない以上、仕方がない。このとき、ツケエを盗られたとか、ウキが妙な動きをするといったポイントは要チェックでしつこく流してみるとよい。 それでもダメなら次の筋に移るが、要チェックの筋はしっかり覚えておいて、機を見てもう一度攻めてみる必要がある。

 活性が比較的高い時期であれば、多少ウキ下がズレていてもクロは食ってくるが、低活性時になると、これにタナを探るという作業が加わる。 つまり、ポイントというものは、平面的にも立体的にも探ってゆかねばならないということである。


* どこを流してもアジコだらけとか、キクマクラだらけとかいった場合もある。 こういうときは、コマセを足元の任意の−点に打ってできるだけエサ盗りを引きつけ、それから口−ラー作戦を行う。そして、まず確認することは、エサ盗りの広がり具合である。エサを盗られっぱなしの筋は勝負にならないから、盗られる確率が少ないところを見つけるのが定石である。
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