クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
081. 巻き込む潮で良型を狙い撃つ磯際攻略の基本。 【 鵜澤政則 】
 磯際は案外見落としやすいポイントである。狙って面白いポイントだと知識としては知っているけれど、磯に立ったら見向きもしない・・・。そんな人が多いのではなかろうか。 その意味で言えば、磯に立ったら沖にばかり眼を向けるのではなく、周囲全体をじつくり観察する必要がある。

 注意することは、磯際の場合、潮の干満によっていいポイントになったりならなかったりすること。その落差が大きいので、状況の変化には絶えず注意を払っておくことである。

 攻め方は、浮かして釣る場合と、仕掛けを潜り込ませていって釣る場合の二通り。前者は5、6月からほ、1月頃にかけての活性の高い時期に効果的な方法で、後者は水温が低下する厳寒期など活性の低いとさにやる方法である。 ポイントとしては、下に巻き込む潮があることが望ましい。磯に当たって返す波が、沖にではなく下に落ち込むようなところである。また、速い潮が通す磯の、小さなワンドや窪みなども巻き込む潮ができやすいところである。 加えて、水面下に岩棚があれば、さらに釣れる確率はアップする。岩棚があるとクロが浮きやすいのである。

 岩棚といっても、ちょっとした出っ張りで構わない。逆に出っ張りすぎていると、ハエ根と同じでやり取りが難しくなる。深さとしては、見える範囲(竿一本以内)にあればよく、1〜3m以内にあれば理想的。 活性が高いときには、そうした岩棚の上で大型のオナガが食ってくる(私の好きなパターン)こともしばしばなのだ。もちろん、良型クチブトも期待でさる。

 釣り方は、沖に仕掛けを入れて磯際に引きつけるというより、巻き込みを利用して磯際に直接ツケエから落とし、ウキが水面にある間は仕掛けを止めて、ウキで巻き込みをグッと感じたらスッと糸を出してやるといった感じ。 ウキは最初から沈めるつもりで、マイナスB、0号、Bなどを使うとよい。ま、大きくてもBまでだろう。

 磯際に仕掛けを落ち着かせるという理由で、大きなオモリを使う人がいるが、下に巻き込む潮があれば、さほど大きいオモリは必要なく、仕掛けは自然と入ってゆく。

 ハリスは長くとっても3m、それ以上長くすると釣りにくくなる。そして、クロが見えれば、2mとか1.5mとかハリスを切ってゆくのだ。だから、仕掛けは固定でOK.

 コマセは、サラシが巻き込むときに磯際にぶつけるような感じで打つ。そうすれば、コマセは下へ下へと入ってゆくので、ツケエはそれに合わせてゆく。理想を言えば、三十分から一時間くらいはコマセに専念し、クロが浮いてくるまで待ちたいものである。 もし、釣り始めてから一時間くらい経ってもクロが見えないようなら、ウキ下を深くとって沈めてゆくことになる。


* 磯際狙いは、なんとなくせこい感じがして嫌だという人もいる。好みの問題だから仕方ないとも言えるが、少なくとも沖を攻めて釣れないときはやってみるべきである。 潜って確かめたところ、磯際には結構いい型のクロがついているのだから。
 もう一つ、磯際狙いでいい思いをしたことがないという人もいる。そんな人の多くはただなんとなくポイントを選んでいる場合が多い。
要するに、本人は磯際を狙っているつもりでも、水中の仕掛けは際から離れているのだ。 下に巻き込む潮を攻めよう!
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