クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編 3 】
086. 最後の最後でオナガをバラさないための方法。 【 丹羽正 】
 オナガ釣りは、最後の最後まで気が抜けない。最後のツメを誤って、すんでのところでデカオナガを取り逃がしたシーンを何度目撃したことか。

 必死のやり取りの甲斐あってようやく魚体が見えた。わっ、デカイ!そう思うと、なぜか早く浮かせてしまわないと……という思いにかられてしまう。その気持ちは理解できるが、オナガは浮かせすぎると、バラしやすいことを知っておかねばならない。

 クチブトなら50cm級のデカバンでも、ボコッと浮かして、さっと掬えばそれで問題ないが、オナガは浮かした途端にバタバタと頭を振り、そのままゴンと突っ込まれると、ハリスがプッツンなのだ。 というのは、オナガは首を振るときにエラブタを広げるからで、このエラブタが硬く鋭く、ハリスがこれに当たって切れるのである。また、オナガはキリモミ状に下へ突っ込んでゆくので、そのときにハリスがエラブタで切れることも多い。

 では、どうすれば確実にオナガをものにできるかというと、まず魚体が見えてからも決して慌てないこと、逸る気持ちをひとまずぐっと抑えること、これがなにより大切。  そして、次にやるべきことは、水面下50cmから1mくらいのところで、糸は巻かなくていいから、オナガが完全に弱るまで竿でゆっくり魚体を左右に回すことである。 そのときにたとえ鈎を飲まれていても、頭さえ振らせないようにゆっくり優しくやっていれば問題はない。

 取り込みは、右手で竿を持っているならば、竿でゆっくり弱った魚を左側に回しておいて、さっとタモで掬う。左手ならその逆だ。 ついでに書いておけば、あんまり引かないなあと思っていると、やがて魚体が見えて、お〜、デカイ! しめたと思ってキュッと糸を巻いたり、グッと竿を起こしたりした途端に、ガツーンと突っ込まれてしまうこともよくあるので注意しょう。 まず60cm級だったら、ウキが見えて、続いて魚体が見えてから、三回は底に向かって突っ込むと思っておいたほうがよい。

 もう一つ、覚えておきたいのは、鈎を飲まれているかどうかの判断である。これができれば、その後のやり取りでなんとか対応できる。

 では、どう判断するのか、それを詳しく説明してみよう。 フリーで構えて合わせを入れる。このとさ、相手がデカバンならば、そのままフリーで糸を出す。いったん止まるのでベールを戻す。ここで慌てて糸を巻いて竿を起こすと、またゴンと走るから、竿先にそっと乗せるような感じでゆっくり竿を起こすのである。 もし飲んでいるなら、このときにゴンゴン、ゴンゴンと頭を振るのだ。道糸を通してその動きが確実に手元に伝わってくる。口に掛かっている場合も頭を振るが、槻ね二、三回で止まる。飲んでいる場合は、それより倍くらい長く頭を振るのである。 飲んでいるときのやり取りは、決してガリガリ強引にやらないこと。そして、竿をできるだけ左右に振らず、一定方向に構えて優しくやり取りすることが大切である。この点を注意すれば、飲まれてもそんなに切られる心配はない。 それよりもむしろ、前述したエラブタで切れることのほうが多いので、竿を真横にする必要はないけれど、立てた状態からほんの少し角度をつけてやり取りすることを心がけるとよい。


オナガの武器はコールタールを塗ったような堅く鋭いエラブタ。こいつを広げたときにハリスが当たるとプッツンなのだ。

* フリーで糸を出すのは、そのほうがレバーブレーキで糸を出すよりも止まりが早いからである。レバーで出して10m走るとすると、フリーなら2〜3mしか走らない。 それくらいの差があると思ってよい。また、レバーではオナガの瞬間的な突っ込みに追いつけないこともある。
 いずれにしても、最初の突っ込みに対してはフリーで糸を出すほうがよい。そのためには常にオープンベールで構えていなければならない。
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