クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 小技・裏技編 】
092. 中通しロッドを専用ワイヤなしでセットアップする。 【 倉掛義照 】
 中通し竿を磯に持ってゆき、ワイヤを使って糸を通すのは、いかにも面倒くさい。 普段からダイワのインターラインを使っている私がそう思うのだから、皆さんがそう思うのも無理はない。

 一日の釣りの初めに一度だけワイヤを通すのならまだいい。しかし、瀬変わりをするとなると、そのたびに竿をたたまなければいけない。 そのときに、毎回糸を切り、セットアップしていたのでは、釣る時間が短くなるばかりだ。 当然、皆さんそれぞれにいろんな工夫をし、そのような手間を省いているのだろうが、ここでは超簡単、スピーディーなセットアップ法と竿のたたみ方を紹介しよう。

 ワイヤを使わずにセットアップするには、竿をたたむ段階で道糸を残さなければならないので、そこから説明しよう。 まず、竿をたたむときは普段通りハリスを切る。サルカンを使う人なら、この段階でサルカンとウキが残っているはずだ。直結の場合もからまん棒や仕掛けヨージでウキがぶら下がる。

 次に、竿の継ぎめをそれぞれ少しずつずらし、たたみやすい状態にしておく。ここまでやってしまえば、あとはリールを巻くだけで驚くほど簡単にバタバタと竿がたためてしまう。 ただ、ここで注意しなければならないことが一つある。中通し竿は四番部分(手元から二番目)で道糸を折り返す仕組みになっているので、リールを巻いてたたもうとすると、その四番でストップする。ここで強引に巻くとトラブルを起こしかねないので、リールから糸を送ってやりながらたたむこと。 慣れてくると、バタバタとたたんでゆき、三番に達した時点でリールを巻く手を止められるようになる。すると、道糸に余裕ができ、四番まで一気にたためてしまう。

 さて、瀬変わりだったらこのまま持ち運べばよいのだが、釣りを終えるときは(ロッド内部の洗浄をする場合は糸を抜き、以下の作業は家で行う)、穂先から出ているほうの糸はロッドのキャップに結び、リール側の糸は切って竿にテープなどで貼りつけておく。そうすることで、次に釣るときのセットアップが楽にできるのだ。

 では、そのセットアップの説明に移ろう。前の方法で竿をたたんでいるなら、竿に片方の道糸が貼りついているはずだ。リールをセットしたら、まずセロテープをはがしてリールの道糸と直結してしまう(もちろんベールをくぐらせる)。

 次に四番だけを伸ばし、一番、二番、三番の順で竿を伸ばしてゆく。竿を伸ばすときは、リールのストッパーをオフにするはずだから、竿先を高くしていれば、穂先側につけたキャップの重みで道糸が出てゆく。 あとは直結した部分まで引っ張り出して、そこから先を切り落とすだけだから、すぐに仕掛け作りに取りかかれる。

 簡単なので、中通し竿を使う人は覚えておくとよいだろう。 あとは直結した部分まで引っ張り出して、そこから先を切り落とすだけだから、すぐに仕掛け作りに取りかかれる。


* 私は上記した方法で竿をセットアップするのだが、もう一つ、さらに時間を短縮するための工夫をしている。 知っている釣場に行くときは、大体の釣場の状況が分かっているはず。だったら、釣行の前日にでもり−ルの道糸に必要なだけのハリスを結んでおくのだ。 これを紹介した手順でセットアップすれば、道糸とハリスがすでに結ばれた状態で穂先から出てくる。竿の中に残していた捨て糸切り、ウキ、ゴム管の順で通したら鈎を結び、山元式ウキ止めを結ぶ。あとはゴム管にヨージを差して、必要なガン玉を打てばすぐに釣りが開始できる。
 セットアップの時間を短縮することは、少しでも快適に、長く釣りをするコツである。
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