クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 小技・裏技編 】
099. ナイロン道糸の寿命は想像以上に短いと思うべし。 【 鵜澤政則 】
 あらゆるものは、使えば使うほど古くなり、古くなればなるほど弱くなる。金属疲労という言葉をご存じだろうか。金属だって使い込んで古くなれば、ある部分がもろくなってしまうのである。 これからゆくと、ナイロン製道糸の寿命などたかが知れていることが分かるだろう。ナイロンの特徴は伸びることにあって、この伸びが魚の引く力を吸収してくれているわけだ。

 問題は、伸びた分が元通りにならないこと。ある程度の復元力はあるのだが、完全に元に戻るわけではない。 ということは、その分の歪みが結局どこかにきていることにほかならず、道糸が切れるのは大抵そんな歪んだところからである。

 ナイロンにはもう一つ、水を吸うという欠点がある。一回水を吸ったナイロンは、乾燥させても元には戻らず、強度が落ちてしまう。 そのため、各メーカーは独自の技術で道糸の表面にコーティングを施し、水を吸うという欠点の克服に努めているわけだ。 ところが、道糸は常に竿のガイドと接触している。これによって、表面コーティングが剥げ落ちることは避けられない。インターラインの場合は接点が少ないので、表面コーティングの剥げ落ちは幾分軽減されるけれど、接触していることには変わりがないのである。 さらに道糸は、有害な紫外線にさらされる。

 これらのことを考えると、道糸は鮮度が命、できるだけ新しいものがよい。釣行の度に新しい道糸に巻き替えるのが理想ではある。だが、経済的な問題があるので、それが難しいなら、せめて最低10mは切って使うことをおすすめしたい。 というのは、この10mが最も酷使される部分だからである。納竿の際に必ず10m切ってしまう癖をつけてしまえばよい。 これを三、四回繰り返すと、30、40m減ってしまうから、その時点で新しいものと巻き替えるようにしよう。

 道糸を買うときに注意したいのは、必ず有名メーカー品を買うこと。安いからといって、訳の分からない製品を買うと、釣場で痛いめに合ってしまう。 また、有名メーカー品であっても、直射日光の当たる軒先に並べてあるものは避けたほうがよい。なぜならば、紫外線にさらされて劣化している恐れがあるからである。

 次に、替えスプールの活用法について述べておこう。 替えスプールは、三、四個あると便利。高級機、中級機には大体一個ついているから、お金に余裕があるときに、あと二つくらい買っておくとよい。 数あると、同じ号数でフロート系、サスペンド系、フロロカーボンと違うタイプの道糸を巻いておき、状況に合わせて使い分けることができるからだ。 なお、1998年秋に発売されたダイワのトーナメントZ・LBA、同X・LBAシリーズは、2000番、2500番、3000番のスプールにそれぞれ互換性があるのでとても便利になった。


替えスプールは一個じゃ物足りない。お金はかかるけれど、できれば三、四個用意しておこう。



トーナメントZ-LBA、同X-LBAシリーズはスプールに互換性があり、とても便利になった。
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