クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 小技・裏技編 】
100. 全遊動釣法の練習にはアユ用の目印を使うと便利。 【 真崎芳弘 】
 全遊動のメリットとは、第一に食い込み抵抗が少ないということ。第二に広くタナを探ることができるということだ。 だから、クロの食うタナが分からないときや、食いが極端に渋いときなどに効果的な釣法である。

 ハリスに打ったガン玉で重さを調整し、道糸がスルスルとウキを通り抜けて仕掛けが落ちてゆく。浅いところから深いところまで自在に仕掛けを止めて、クロの食いを誘う。 全遊動にはそんな快適なイメージがある。ところが、実際の釣りではなかなか思ったようなパターンにならない場合がほとんどだ。 その日の風や波、ウネリ、潮流のスピードや強弱に加えて、二枚潮など、全遊動を妨げる状況が非常に多い。道糸が潮や波の抵抗を受けて、すんなり仕掛けが入っていかないのだ。

 全遊動を試したことのある釣人なら誰しも経験のあることだと思うが、いったいウキから下の仕掛けは本当にタナまで届いているのだろうか、道糸が途中までしか通っていなくて止まっているのではないか、などなどとても気になるところだ。

 ガン玉を追加して仕掛けを重くすれば、より入ってゆきやすくなるのは分かっている。 だが、食い込み抵抗が少ないという全遊動のメリットを生かすためには、できるだけ軽い仕掛けで釣りたい。ゆっくり仕掛けを沈ませてゆきながら、今どのくらい入っているのかをいつも確認しておきたい。

 抜群の視力の持ち主ならいざ知らず、普通の釣人ならまず分からなくなるだろう。私自身がいつも苦労していた。 もちろんこの場合、全遊動に向いた道糸の選択とかラインコントロールの技術なども大事なことである。だが、ここではあえて触れない。

 より軽い仕掛けで、すんなり入ってゆく全遊動。そんな理想的なパターンを追求するために考えたのが、アユ釣り用の目印をウキ止めとして使うという方法だ。 使う目印は、蛍光色の毛糸タイプ。カラーは赤、黄など。アユ釣りでは複数つけるが、この場合は一つでよい。簡単につけられるし、軟らかいから道糸を傷つけない、クセをつけない、軽いなど利点は多い。それになによりもはっきりと見える。 この場合は全遊動のウキ止めとして使うのだから、深めのところにつけるにしても、その位置は実際の釣場によってケースパイケースだ。 ただし、この目印はあくまで「ウキ止め的」に使うもので、本来の目的はラインの動きを知ることにある。 場合によっては毛糸の目印がウキのところでズレて、知らないうちに根掛かりなんてことにもなりかねない。それを避けるために、毛糸の目印の上20pのところに普通のウキ止めをセットしておいてもいいだろう。


毛糸の目印はズレやすいので、いろいろ結び方を工夫したい。写真はダイワのブライト目印・細である。

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