Q & A 【 間違いだらけのウキテクニック 】
Q 03. ウキの色はやはり赤が一番見やすいのだろうか?
【 釣具店で使うのではない 】

 貴方がウキを選ぶのはどんな状況だろうか。購入という行動を起こすのは、100%釣具店内のはずだ。夜でも明るい照明下で、色とりどりのウキの中から一個のウキを選び出すのだ。実際にウキを使用する現場=自然の中の海というフィールドとは、条件がまったくかけ離れている。
 
ここで、ウキの視認性を左右する要素を列挙してみよう。

@ 明るさ
A 太陽の位置
B 海水の色
C 釣人の日の高さ
D ウキの露出度
E ウキと釣人の距離

ざっとこんなものだろうか。
 
 蛍光レッドという、釣具店内で見る限り最も目立つ色は、なるほど膨脹色の際たるものである。したがって、前記した六つの要素がどう変化しても、蛍光レッドが見やすいという許容範囲は、他の色よりずっと広い。 しかし、弱点もある。 朝夕の薄暗いとき、黒っぼい海の中へ半分以上沈める場合は、赤という色が故に見づらくなる。そのような条件ではイエロー、もしくはグリーンのほうがずっと見やすくなる。 また、曇天ではオレンジの視認性が高くなることもよく知られている。


【 一人で釣るわけではない 】

 夏場、水温が上がってエサ盗りが跳梁を始める時期になると、私は遠投フカセによる波止チヌ釣りに熱中する。ズラリと釣人が並んだ中で、各人が思い思いの方向に仕掛けを投げ、当たりを待つシーンは、近場では見慣れた光景である。 ところが、一瞬にしろ、ひとたび目を離すと、その後は自分のウキが分からなくなる。何しろ、似たような色がいくつも浮いているのだ。遠投しているから形では判断できない。わずかに見えている色だけで、ウキと判別しているのである。 てっきり自分のウキが沈んだと思ったので慌てて合わせたら、それは隣の釣人のものだったという笑い話もよく聞く。
 そんなとき、自分だけ蛍光レッド以外のウキを使っていると、容易に判断できる。流れの速い磯で観音釣りをしている場合も、これと似たようなケースに出くわす。三原憲作さんはよく「ウキとお話をしなさい」というが、自分のウキが分からないのでは、会話のしようがない。 その色が持つ本来の視認性以外にも、ウキの色を決める要素は少なくないのである。
 以上のように、さまざまな要素が絡まり合って見やすい色は決定される。蛍光レッド一色だけでは対応できない。だが、自然条件は刻々と変わってゆく。特に、朝夕は暗から明へ、逆に明から暗へとわずかな時間で変化する。 そんなとき、トップを交換するだけで色が変わるし、ケミホタルもセットできるウキを現在試作している。小型棒ウキの環付きタイプで、95年の釣研新製品として発表される予定である。


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