Q & A 【 間違いだらけのウキテクニック 】
Q 04. 大きくても浮力を殺せばウキの感度はよくなる?
【 ウキより大事なことが 】

 テニスボールとバレーボールを残存浮力ゼロにして、下から張力を加えたとしよう。そのとき、抵抗はどちらが大きいであろうか? ま、これはあまりにも極端な例だが、ウキは大きいより小さいに越したことはないと考える。いくら浮力を殺したところで、抵抗がなくなることはない。大さいウキは大きいなりに、抵抗も大きいのである。
 大きいウキでも負荷をかければ抵抗が小さくなることが真実ならば、今日のクロ釣り用のウキはここまで小さくならなかったであろう。安価な熱海ウキでもオモリで浮力を殺せば、遠投性、視認性、安定度もピカ一だ。 それなのに、熱海ウキを愛用する釣人は極端に少ない。大きいウキが持つ欠陥は、どうにもぬぐいようがないからである。
 ただし、ウキの大きさや浮力にこだわるのは、これまた問題がある。 浮力や抵抗をつきつめて考えると、物理学であるアルキメデスの原理とか流体工学にまで及んでしまう。しかし、私自身が実際に釣りをしているとき、そんなことを考えたことはない。また、考える必要もなかろう。 それよりもっと大事なことがある。どこに魚がいるかを見極め、その魚を寄せて、いかに抵抗なく自然に食わせるかである。
 ウキとは、仕掛けを飛ばし、水面下の魚の動きをキャッチさえできればいいものだ。もっとも、最近はウキを沈めてゆく沈め釣りをすることが増えた。そのため、魚の動き(=当たり)をウキで見ることも少なくなっている。


【 ウキは見えなくてもいい 】

 遠くまで流したい、大きなサラシの中を釣りたい、ウキ下が深いから水中ウキを重くしたいなどなど、大きなウキを使いたくなる場面はままある。その気持ちは分からないでもない。 しかし、私自身、遠くへ流したいから、サラシの中を釣りたいからといって、特に大きいウキを使おうとは思わない。なぜなら、沈め釣りの原理と同じで、ウキは見えなくても道糸と穂先で当たりがとれるからだ。 同様に、ウキ下を深くしたい場合でも、無理にウキを浮かせる必要はない。したがって、ウキを大きくする理由はないのである。小さくて軽い仕掛けをどんどん沈ませていけばいい。
 瀬際のクロに比べて、沖にいるクロは警戒心が薄いから、多少大きなウキで抵抗が強くても、気にせず食い込んでくる。かつてはそういわれていた。現在でも、比較すれば、沖にいるクロは瀬際のクロより警戒心は薄いだろう。 しかし、あくまでも比較の問題でしかない。現代のクロはそれほど甘くない。遠投が可能ならば、なるべく小さく、浮力を殺した抵抗の少ないウキのほうがベターだと思う。


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