WONDER LAND 2 【 仕掛編 1 - ハリス 】
Q 22. 道糸と同様、ハリスも値段が高いものから安いものまで各種ありますが、値段の安いハリスは弱いと思っていいですか?
 ハリスは、まず原料であるフロロやナイロンを溶かし、特殊な形状をしたノズルから絞り出す。次いで、引き伸ばして、冷やし、コーティングする。 これを10〜50m単位(連結物もある)で切って、スプールと呼ばれるプラスチックの糸巻きに巻き、パッケージに入れて販売している。

 ノズルやその他の設備の性能が低いと、品質にバラつきが出る。また、いくら機槻の性能がよくても、それを操作する人間の教育が不完全だと、ハリスの太さが均一でなかったり、空洞がでさていたり、表面がザラついたりする。 よく教育された人間が性能の優れている設備を使うメーカーであれば、ハリスの品質はほぼ均等になる。 この場合の高性能の設備というのは、2000万〜3000万円クラスと考えていい。 原材料の値段もピンからキリまである。こんなところからハリスの価格に差がつく。

 さらに、チェックが違う。製造段階では、数あるノズルに番号がつけられていて、たとえば5番ノズルから出た道糸に欠陥があれば、そのとき一緒に製造された道糸はすべて廃棄処分される。 また、パッケージされて出荷直前の段階においても、無作為にサンプリングして欠陥があれば、その梱包単位の商品すべてが廃棄される。

 では、安いハリスが絶対に粗悪かといえば、必ずしもそうではない。いい商品を低価格で消費者に提供しようと頑張っているメーカーもたくさんある。 また、こんなケースもある。問屋や小売店では、新製品が発売されれば、古い在庫品はどうしても処分しなければいけなくなる。すると、良品質のハリスでも安売りされることがある。

 ハリスのメーカーに話を開くと、よほど劣悪な条件で保存しない限り、二年くらいなら品質が落ちることはないという。ただし、流行に遅れていることは否めないので、私はあまりおすすめしない。 また、古いハリスは今イチ釣れる気がしないので、私自身は濁りがある河口などでしか使わない。

 実際のところ、ハリスの善し悪しは購入して使ってみないと分からない。特に最近のハリスは、昔に比べるとずいぶん強くなってきているように思えるのだが…。


A 22. 安いものは皆弱いわけではない。粗悪品でもない。
食いのよさもあって、善し悪しは実際に使ってみないと分からない。
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