WONDER LAND 2 【 仕掛編 1 - 鈎 】
Q 37. カエシのない鈎を使用する理由を教えてください。 またやり取りや、玉網で掬う時点でバラす心配はないのでしょうか?
 カエシのない鈎はスレ鈎と呼ばれ、ヘラブナやハエ釣り、アユの掛け鈎によく用いられる。 これらの魚種に共通しているのは、@掛ける釣り、A鈎掛かりしても魚は首を振らない、B競技としての釣りの三点だと思う。この三点に関しては、スレ鈎のほうが有利だといえる。

 では、どんなところが有利なのかを見てみよう。 カエシがある鈎とスレ鈎の最大の違いは、魚の口内に刺さる太さにある。鈎の断面積はカエシのあるほうが広い。 ということは、スレ鈎なら軽く合わせても掛かる。それに比べて、カエシのある鈎は強く合わせなければならない。

 その結果、魚が暴れ、せっかく寄せた群れを散らすことになる。掛けた魚はできるだけ静かに群れから引き離すのが、数を競う釣りの場合の鉄則だ。 手返しの早さという点でも、スレ鈎は圧倒的に有利になる。簡単に魚の口から外せるから時間のロスが少ない。誤って衣服に引っかかってもすぐ取れる。 数秒に1尾というスピードで数を釣るハエ釣りでは、その差が大きく釣果となって表れる。もちろん、リリースする魚を傷つけないという意味においても、カエシのない鈎は環境にやさしい鈎といえる。

 一方、鈎掛かりした魚をバラす確率も、やはりスレ鈎のほうが高い。特に、魚が反転した場合、角度によっては非常に抜けやすい状態になる。 これを防ぐには竿の角度をキープし、道糸に常に一定のテンションをかけておく。魚が反転する気配を見せたら、先手をとって竿先の方向を替える。

 魚を浮かせても油断はできない。玉網を見て潜ろうとしたときは、やはり竿先の方向を瞬間的に変えるだけのテクニックが要求される。 これに慣れるには、まず近場で小グロやメイタ、ボラに挑んでみよう。特にボラは暴れん彷で、取り込みの練習には打ってつけといえる。 ただし、バリは体を回転させるから非常に外れやすい。スレ鈎がもっとも苦手とする魚種だといえる。



★ ワンポイント・レッスン ★

 万能竿と表示されたものがある。波止でも、近場の磯でも、果てはちょっとした投げ釣りにも使えるように作られている。対象魚がチヌ、クロ、バリならら最初はこれで構わない。 ただし、あまりにも使用可能範囲が広いので「帯に短し、タスキに長し」の感がある。メイタ釣りには硬すぎるし荒磯には軟らかすぎる。慣れてくると使いにくくなるので、いずれはちゃんとした竿がほしくなる。


A 37. 軽い合わせで鈎掛かりするから、魚が驚いて暴れることが少ない。
したがって、マキエで寄せた群れが散る心配がない。
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