実践仕掛け集　−　絶対に役に立つ！ 魚種別実践仕掛けをご紹介します！

　クロダイは臆病なくせに大胆な魚です。昨日まで釣れていたのに急に姿を消したり、まさかの浅場から釣れたりすることから 「 意外性の魚 」 とも呼ばれています。分布範囲が広くてエサの種類が多いうえに、季節ごとに釣り方を変える必要があるため、これでOKといった決定的な釣法はありません。全国には50種類を超える釣法があるとされますが、基本的に塩分の薄い場所を好む魚なので、汽水域はもちろん、渚釣りや離島でも淡水の流れ込みがある場所が狙い目となります。
　日中は警戒心がつよいクロダイも夜になると安心するのか、背ビレが出るほど浅い場所までやってきます。エサ取りが姿を消すのが大物回遊のサイン。ライトで海面を照らさない、物音を立てないなどに注意しながら、電気ウキを使ったシンプル太仕掛けで記録更新を狙ってください。

【　クロダイ　：　渚釣り　】
　渚釣りは障害物の少ない浜辺の釣りです。あまりに広いので、ポイントを絞り込まないと釣ることはできません。最初に離岸流を見つけてください。離岸流には遊泳力の弱いエサ生物が含まれていて、クロダイに食糧を供給するフィーダーレーンになっています。離岸流は潮の大きさや速さで変化します。長い砂浜だといくつも現れるので、一番大きな流れ出しを見つけてマキエをすれば、潮に乗って遠くまで効いてくれます。砂浜では誰もマキエをしないのでクロダイは沖にいるし、沖にいるクロダイは釣人を警戒していないので一発で喰ってきます。

【　クロダイ　：　投げ釣り　】
　遠投で釣れるクロダイは型がいいのが特徴。人のいる場所から離れているため、スレた大物の警戒心も緩みきっています。クロダイの回遊ルートを推理し、澪筋や沈み根など、海底に変化のあるポイントにエサを置いてアタリを待ってください。夜釣りの場合はエサが見えにくいので、ニオイのつよい虫エサを使います。このとき暗闇の海底に置いたエサの存在をアピールしてくれるのが 「 ちもとホタル 」 です。取り込みのときも、ちもとホタル の光で魚の動きを確認しながらタモに入れれば、ライトで海中を照らしてせっかく寄りついたクロダイを散らす心配もありません。