01 狙い方の基本

夜釣りで”カンタン”アナゴ釣り

 アナゴはウツボやウミヘビ、ハモなどと同じくウナギ目に属する魚です。日本近海には2000mもの深海に棲むソコアナゴや、10kgまで成長するクロアナゴなど30種近いアナゴ科の魚が棲んでいて、多くはカマボコの材料に使われますが、マアナゴは味が良いことから、寿司・天ぷらなどの高級食材になります。

見分け方

 マアナゴは白い側線が目立つのが特徴です。この測線が、まるで秤(はかり)のように見えることから、ハカリメと呼ぶ地方があります。ほかに目白うなぎ・海ウナギ・ベラタ・ハモ(北海道・東北)などと呼ばれます。10cmくらいの幼魚はノレソレ、30cm弱だとメソになります。成長の早い個体は一年でメソッコ級まで育ち、通常は3~4年で成魚になり、10年で最大1mまで成長します。オスは通常40cmくらいまでで、それ以上大きいものはメスです。70cm以上になると体が黒っぽくなって、白い斑点も目立たなくなるので他のアナゴと見分けが難しくなります。

エサ

 とりあえずアオイソメを用意してください。イソメは5cmくらいに切って3~5本(餌やアナゴの大きさに合わせて長さと数を調整)を房掛けにします。なるべく大きく見えるようにしてください。このとき垂らしの長さが不揃いですと、長く出た部分をつままれてしまうので、長さを揃えるのがコツです。
 寒くなるとムシエサは動きがわるくなるので、11月以降はイワシやサンマ、サバの切り身を使いましょう! 生でもいいのですが、アナゴはエサ取り上手。そのままでは柔らかすぎるので塩づけにしてください。それでもダメなら、肝あえにして集魚効果を高めたイカの短冊を試します。鈎につけたら、喰いやすくするため切れ込みを入れてください。アナゴは海の掃除屋と呼ばれるほど貪欲な魚で、エビ・カニ・シャコ・タコ・キス・ハゼなど、沿岸の海底に棲む生物ならなんでも食べます。食欲が旺盛なので、短い時間で満腹状態になってしまいます。そのため時合いが短いので手返しに留意してください。

塩漬けの方法

※ サンマ・サバ・アジなどを3枚におろし、8~10mm巾に切ったら塩をまぶして冷蔵庫で一晩おきます。締めてあるので遠投しても身切れしにくくなります。
※ 切り身のタンザクは、4cmくらいの長さが適当です。潮の流れが速いときは、皮を残して身を5mくらいまで薄くすると回転防止になります。いったん冷凍するとラクに身を削ぐことができます

ポイント

 太平洋沿岸の海藻の多い砂泥底に生息し、潮流の緩やかな内海を好みます。産卵場所は南西諸島あたりの深海だろうと推測されていますが、ウナギと一緒で定かではありません。ゴールデンウイークあたりから水深のある場所で釣れはじめ、だんだんと浅い場所で釣れるようになり、翌1月ごろまで近場で釣れ続きます。江戸前の投げ釣りならほぼ一年中釣れる魚です。夜行性ですから、昼間は潮が濁っていない限り釣れません。海が穏やかな日で、曇り空の夕マヅメに一番よく喰ってきます。
 砂泥地であれば基本的にどこでもいますが、狙うのはカケアガリや窪みなど変化のある場所。潮通しのいい場所を選んでください。回遊性がつよい魚なので、一度釣れ始めると、エサを付け替えるのが間に合わないほど喰ってくることがあります。

アワセ

 喰いが渋いときのアタリは微妙で、なんとなく竿先が重くなる感じがします。こういうときにはダメモトで大アワセを入れたほうが釣果が上がります。喰いが活発になれば竿に明確なアタリがでますから、竿をアオってしっかり合わせてください。アナゴは口が堅いので、しっかり鈎掛かりさせないと取り込み中のバラシが多くなります。合わは、一定のスピードで巻き上げます。口切れはないので強く巻き上げても問題ありません。