04 夜釣り

夜釣りのキモ

 オナガの夜釣りは、波が穏やかな場所での瀬際狙いがセオリーです。本流ではなくて、潮がゆっくりと通す場所、ワンドになっていてトロミ潮が入ってくるような場所を選んでください。水深は5mあれば大丈夫です。昼は底が見えるような浅い場所でも、夜はA級になることがあります。
 まだ明るいうちに瀬に上がり、根が荒くて沈み瀬やクズレ岩のある場所を確認してから、釣り座を構えてください。足元が暗くて危険ですから、取り込み場所を頭の中に入れておき、暗くなったら ケミホタル を置いてマーカーにします。一般的に夜釣りは、夕マズメが時合いですが、オナガは深夜も喰ってきますから寝ないで辛抱してください。予期しないデカバンがきても太仕掛けが使える夜なら大丈夫。取り込めます

 磯際30cmから1~2mの範囲、または沈み瀬周辺に仕掛けを入れるのが基本です。
 瀬際は撒き餌とツケ餌を同調させやすい反面、瀬ズレや根に入られる危険もあります。また人の気配を悟られて警戒されますから、記録的大物でもない限りヘッドランプを海に向けてはいけません。
 瀬際でヒットしない場合、月夜なら、昼釣りの要領で沖の潮の緩みやカベを流す方法もあります。沖で喰わせれば警戒心も薄く、取り込みも容易ですが、小さなアタリにアワせるのが難しくなるのと、遠いだけに潮流や風の影響を受けて撒き餌とツケ餌が同調しにくくなります。
 長い夜、エサを探すオナガの足を止め、瀬際に寄せるためには撒き餌を絶えず打ち続ける必要があります。そのため昼釣りの倍くらいのコマセを用意してください。しかし、ただ流しているだけではコッパグロにエサを獲られてしまいます。沖アミ生だけではなく、エサ盗りに強いボイルや、喰いのいいエビのむき身などのツケ餌も用意しましょう。
 ウキ下は2ヒロから竿1本の範囲です。ウキ下2ヒロだとアタリはウキを数センチ沈める程度で、エサを触っているのが判りづらいので、抵抗が少なく高感度なウキに替え、さらに軽く見やすいケミホタルXを使います。それでも遅アワセになりやすいので、そんなときはアワセを2回入れて下さい。どういうわけか唇にかかることが多いようです。
 小物でも何匹か釣ればチモトが傷つきますからハリスを結び変えて大物に備えてください。少し面倒ですが、チモトにハリスを編み込むか、ケプラーで補強しておくとやりとりに自信が持てます。
 喰い渋っているときには、道糸のたるみを取って、聞く感じで小さく誘いをかけます。あまり大きく引くとせっかくくわえた餌を離してしまいます。活性が高ければ一気に喰い込み、ウキが沈むと同時に猛烈なスピードで奔りまわります。このとき大アワセするとハリスが切れるので注意してください。瀬際で喰わせた場合は、真下に突っ込まれないよう、竿の立てすぎに注意しましょう。
 手元まで寄せても、取り込みのときにはラインが短くなって、伸びがなくなるのでバラシが多くなります。最後の最後、浮いた瞬間まで抵抗するので、タモ入れするまで気を抜かないでください。


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やつらも眠い! 眠いが喰いたい!

 生きた小エビは水分が77%でタンパク質が20%。
 ダイレクトに運動エネルギーに結びつく脂質の含有量は0.7%です。生エビ100gは約90カロリーですから、1匹0.5gを食べたとして、摂取できるのはわずか0.45カロリーにすぎません。
 摂取したエネルギーが食べるために使うエネルギーを下まわれば、コスト倒れの赤字経営になってしまいます。よほど効率よく摂取しなければ、2kgもある体を自由に動かし、さらに成長することはできません。大物ほどランニングコストがかかるわけですから、なるべく身体を動かさないようにエサに近づく必要があります。
 そのため、見つかりにくい夜間にエサを襲う作戦を身につけました。
 雑食性とはいえ、やはり動物タンパクの方が、植物からわざわざ肉に変換するためのエネルギーを省くことができて効率がいいのです。本来昼行性のオナガに夜勤は辛いのですが、そこまでして食べるのは、海草ではなく小エビが目的なのです。

コマセの撒きすぎに注意

 昼間で活性が高いときには行動範囲が広がっているので、遠くのオナガを撒き餌に呼び寄せることができます。
 しかしエサ盗りの数が少ないときに、あまりたくさん撒くと、あまった沖アミが潮にのってポイントから遠ざかっていきます。
 活性の高いオナガはその沖アミを追いかけて散らばってしまうのです。
 集魚力の高い撒き餌をどんどん撒くと、活性は一気に高まるものの、短時間だけ釣れてあとは釣れなくなる結果を招きます。せっかくの時合いを短くしてしまうので、撒き餌は最小限に押さえることが重要です。

コマセは、生のオキアミを主体として作ることが多い。ボイルのオキアミを使用しても効果的

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